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小学生起業家に学ぶ 「純粋な気持ち」が生み出す新しい価値創造

「違和感があったり面白くないことをちゃんと伝えることの大切さ。」

先日、YOXO FESTIVAL FUTURE PITCHというピッチイベントの決勝にコメンテーター兼審査員として参加させていただく機会がありました。その時に純粋な気持ちを伝えることの大切さを学びました。

参加したYOXO FESTIVAL FUTURE PITCHの詳細は下記の通りです。

本イベントは予選・決勝で構成されています。 100名のピッチ登壇者が未来への挑戦を語る予選大会。その中で、予選大会を勝ち抜いた熱い10名が行う決勝大会。どちらの大会でも共通しているのは「未来への挑戦」を語るということです。
登壇者の皆さんは、ぜひこの機会に大舞台でのピッチを経験し、皆さんのファンを増やしていっていただければと思います。決勝大会はYOXO FESTIVALのメイン会場で行う予定ですので、ぜひ決勝進出に向けて取り組んでいただければと思います!

YOXO FESTIVAL FUTURE PITCH 公式サイト

YOXO FESTIVAL FUTURE PITCHの決勝では10名がプレゼンテーションを行い、皆様の熱い思いに感銘を受けていたのですが、その中でも一人の小学生起業家によるプレゼンテーションが大きく心に残りました。今回は小学生起業家からの学びについて書きたいと思います。


「楽しいですか?」

私が特に感銘を受けたプレゼンテーションは、海洋プラスチックゴミについての取り組みに関しての事業についてのものでした。(下記の記事のように海洋プラスチックゴミ問題は地球環境にとって大きな問題となっています。)

なぜ海洋プラスチックゴミの問題について取り組もうと思ったのかという話について、プレゼンターの小学生は「世の中では海洋ゴミの問題が深刻であり、海岸のゴミを拾うことで少しでも地球環境を良くしようと言われますが、いざゴミ拾いをしてみたら全然面白くないんですよ。」と言いました。そして続けます。

「だってゴミ拾いって楽しいですか?

と問いかけてきたのです。

「当たり前」の落とし穴

ゴミ拾いに参加することは社会的な責任を果たすことにもなりますし、環境保護に対する意識が高まります。また、ゴミを拾うという行動が直接的に環境に良い影響を与えていると感じることで、大きな満足感と自己肯定感を高めることができます。なので、ゴミ拾いをすることは肯定的に捉えるのが一般的です。なので「ゴミを拾いましょう!」と言われれば、あまり考えることなく、ゴミ拾いは当たり前に良いことであり、やらない理由はないと考え行動しているのです。しかし、ここに落とし穴があるのです。

当然、ゴミ拾い自体にしっかりと意義を感じ、行動している人も多くいます。しかし、ゴミ拾いをすることを「当然のこと」だからだと考えている場合、言われたらやるかも知れませんが、持続性があるかというと疑わしくなります。自分自身のことで考えた場合、常にゴミ拾いを意識し継続して行動できるかと言われれば正直自信はありません。

「当たり前だから」をベースとした行動には持続性がないのです。それこそが「当たり前」の落とし穴なのです。

純粋な気持ちが生み出す新しい価値

「当たり前」を疑い、純粋な気持ち(今回の場合は「楽しくない」という気持ち)を声にあげることで、どうすれば持続可能な行動につながるかを考えられるようになるのです。年齢で考えるのもステレオタイプになってしまうかも知れませんが、大人になると考え方の硬直化が起こりやすくなります。しかし小学生の頃はもっと純粋に物事に対して自分の感覚を言語化していたように思います。だからこそ見えていた景色があったのではないかと思うのです。
自分の内面の純粋な気持ちからではなく硬直化した考えのもと、社会的に当然のことだと思われていることを「自分ごと化」出来ていない状態だと、しばらくの間アクションを取ることは出来ると思いますが、継続して実行し続けることは困難です。
でも「楽しい!」「面白い!」と思えることだったらどうでしょうか?そのような気持ちであれば"自分ごと"でできるのではないでしょうか。自分ごとになれば継続することも可能になります。

ビジネスの世界において「これは面白くない!」とはっきりと意見をすることは、これまでの「当たり前」すなわち既存のアイデアやビジネスモデルを再評価し、何が問題なのか課題の本質を特定し、改善する機会を提供することになります。「面白くない」という本心を吐露することで心地良いカンファタブルゾーンに留まるのではなく、より創造的な解決策を模索するきっかけになるのです。

YOXO FESTIVAL FUTURE PITCHの決勝で出会った小学生起業家は、海洋プラスチックゴミ問題に対して「普通のゴミ拾いは面白くない!」という純粋な気持ちから、どうすれば「楽しいのか?」という要素を加えることで、大きな課題解決への施策を生み出しているのです。

まとめ

解決すべき事案に対して自分自身の純粋な気持ちをしっかりと考え、それを言語化することが、何かを変えていく新しい動きの第一歩を生み出していきます。その純粋な気持ちが「面白くない!」という気持ちの場合、一見ネガティブな印象がありますが、実はそこから新しい価値が生み出される可能性があるのです。この直接的なフィードバックこそが、最終的にはより良いアイデアや動きへとつながる道を開いていくのです。

純粋な気持ちとしっかり向き合い、言葉にする。そして行動する。

今回、私は小学生起業家から大切なことを学びました。


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