生まれながらの不平等理論「イケメン>努力」
女優の中条あやみがベンチャー社長と交際というニュースがツイッターで大きな話題になった。
相手の男性・市原創吾氏の「資産34億円」というのも凄いが、何より彼のイケメンぶりが大きな話題になった。俳優かと思ったw
「世の中ね、顔かお金かなのよ」という回文がある。回文とは前から読んでもよ後ろから読んでも同じになる文章だが、かつては、「男は不細工でも金を稼げればなんとかなる」的な風潮があった。結婚の条件に「男の経済力」が常に取りざたされるのもそういうことである。一方で「色男、金と力はなかりけり」などという言葉もあったように、顔も金も両方揃っている男はそうそういないということでもある。
女性側からしても、自分の顔と相手の金はトレードオフの関係で、美女が野獣みたいな金持ちと結婚しても「そりゃそうだよね」という感じでもあった。
だから、小学校や中学校あたりで全然モテなくても、社会人になってある程度努力をして経済力を身に付ければ「俺も結婚できるかも」という淡い期待はあったし、事実、皆婚時代の日本のマッチングは「男の経済力」次第だった。
しかし、もはやそれも今は昔。
顔も金も兼ね備えた男だけが相手とマッチングできるという「勝者総取り」パターンが今後は増えるだろう。逆を言えば、顔のない男は金も稼げないし、結婚もできなくなるのである。
勘違いしている人がいるかもしれないが、この男に金がなかったら中条あやみと交際できただろうかという前提にはならなくて、イケメンは金も稼げるしモテるということ。「稼げばモテる」じゃなく、「モテる男だから稼げる」。
それについては統計的にもそうなっている。
日本だけではなく海外でもそうだ。アメリカのテキサス大学オースティン校のダニエル・S・ハマーメッシュ教授の著書「美貌格差」によれば、容姿を5段階評価で区分した場合に(5が最高、3が平均)に、男性の場合、「5と4」の「容姿が良い」人の年収は「2と1」の「容姿が劣る」人と比べ、17%高い
身も蓋もないが、それが現実なのである。
昨今の未婚化について、男の経済力をあげれば結婚が増えるとか世迷い事をいう大学教授がいるらしいが、たとえ国がモテない男に金をばらまいたところで、モテない男がモテるようになることはない。そもそも自分で稼げないような男に女は魅力を感じないし、所詮稼げないのは容姿の問題に帰結するからだ。
親の経済力は子に遺伝するという話もある。
実際その通りで、だから「親ガチャ」などという言葉が話題になる。
貧乏な家の子は貧乏のままだし、親の貧乏が親の容姿によって影響を受けているのであれば、その遺伝子を受け継ぐ子もまた劣った容姿となる可能性が高い。つまり、親の所得と顔で、子の将来は決定されているし、子が親を客観的に見て「だめだな」と思ったらその時点でもう詰みなのである。就活をした子ならわかるだろう。
そんな事実を受けて、これから出産しようとする女性がどう考えるかは言うまでもないだろう。子どもに絶望の未来を与えないためにも、女性は男性の容姿を見るようになるのである。今は稼いでいなくても、容姿さえあれば稼げる可能性が高まるからだ。
岩崎弥太郎みたいな顔の男が、頑張って財閥当主になるくらいの財を稼げば話は別だが、一般人はそこまで大成しない。よってカオナシ男は生涯未婚の可能性が高まるのだ。
相変わらず、結婚減の原因をいろいろ的外れで指摘する声が多くて閉口する。たとえばこんな記事。
…と、まるで、男性の家事育児負担時間や意識を変えれば結婚が増えるかの言い方をしていますが、論外。間違いすぎて笑えない。家事育児に積極的になれば男も結婚できるかのような誤解を与える書き方は事実に反する。
そもそも、出生動向基本調査の相手の条件を提示するならば、なぜ男側の「女の経済力」がメチャ上昇していることだけとりあげて、女側の条件として爆上がりしている「男の容姿」を無視するのか?都合のいい切り取りにもほどがあるといいたい。「男の容姿」を求める割合は「女の経済力」の上昇幅に14%ポイントも増えています。
ぶっちゃけ、男が「俺は家事も育児もやるよ~」なんてアピールが奏功するのは、そもそも恋愛ができる人間だからであって、非モテ男がそんなアピールをいかにしたところで「それがどうした?」にしかならない。
「清潔感のある男性がいい」という女性の声を真に受けて、非モテが清潔感をどんなに演出したところで、残念ながら何の加点要素にもならない。メンズコスメ市場が活性化しているらしいが、よくよく考えてほしいのは、非モテだけが美容に気を使うわけではない。イケメンはイケメンだからこそもっと美容にこだわる。
ピケティのいう「r>g」の公式と一緒である。美という資産を持つ者は、持たざる者がどれほど頑張って努力しても、そのレベルに追いつくことは永久にできない。それどころか、どんどん格差は拡大していくのみ。「イケメン>努力」なのである。
つくづく金を稼ぎさえすれば認められた時代はまだよかった。
残酷ですか?でも事実です。
そうした事実をちゃんと把握しようとすることから避けていたからこその今の未婚化、非婚化であり、結局「自分を守る」という意味の「避婚化」なのである。どうせ無理なのだから、ジタバタして傷つくより、もう結婚なんて避けた方がリスクがないということだ。
唯一救いがあるとすれば、人間の美醜の判断は人それぞれであり、「蓼食う虫」はいるものである。たいしてフォローにならない言葉で締めて申し訳ない。一人でも強く生きよう、みんな。牛丼でも食うか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/arakawakazuhisa/20221115-00323944