COVID-19が加速するオープンイノベーション
世界のあらゆる国、あらゆる地域で、新型コロナウイルス(COVID-19)との闘いが続いている。ともすると医療関係者だけに目が行きがちであるが、闘っているのは医療関係者だけではない。
この記事は起業家がどのようにCOVID-19の医療問題と向き合っているかという点に注目していて、大変心強かった。課題を抱えている医療関係者を、起業家や専門知識を持ち合わせている企業や個人が協力して、新たな製品を作ったりあるいは新たなサービスを生み出している事例が、この記事では紹介されている。言ってみれば、COVID-19がアクセラレーターとなって、新しい産業のタネを生み出し、新たなビジネスの可能性を示唆している、と捉えることもできるだろう。
これまでも人類は、感染症を含めてたくさんの病気と闘ってきた。その闘いは、おしなべて長期戦であったことを考えると、残念ながら今回のCOVID-19に関しても、長い闘いを強いられる可能性は、考えておかなければならない。
そうであるなら、この病気との闘いを、一時的には無償やボランティアでやるとしても、長期的に続けていくためには健全な形でビジネスにしていくことが必要になる。
COVID-19の影響で困っている人達は何も医療関係者だけではない。外出制限などによって経済的にも多くの人が困難な状況に置かれている。それは例えば、ホテルや航空業界・飲食店などが顕在化している代表例であるが、潜在的には社会全体に影響が及んでおり、COVID-19の感染拡大が長期化するほど、それが目に見えて表れてくることになる恐れがある。
COVID-19による新型肺炎は世界中に広がっている病気だ。そうであれば、COVID-19の問題を解決するために新しいビジネスを持続可能な形で作ることができるのなら、それが世界中で通用するものになる可能性も秘めている。さらには、そのビジネスが職を失った人の雇用を生み、生活を支えることにもなれば、COVID-19による経済的な問題解決にもつながっていく。
スタートアップの多くは社会課題の解決を標榜しており、この状況下で、スタートアップとして現在最大の社会課題であるCOVID-19にまつわる諸問題の解決に寄与することが出来るのであれば、そのために動くということはあるべき姿だと思う。それに対して、大企業が協力をすることの有用性は、記事中のフランスの事例でも紹介されている通りで、コロナ前にはやや概念的に語られることも多かった「オープンイノベーション」の本当にあるべき姿なのかもしれない。
COVID-19を機に、改めてスタートアップと大企業のオープンイノベーションによる社会課題解決の、具体的な可能性を考えていきたい。
■■ お知らせ ■■
以上の視点からオンラインイベントを開催しようとしています。外出制限が続く中でも可能になるオープンイノベーションの進め方や、大企業・スタートアップそれぞれの現状について、あるいは東京やパリでの日々の日常生活のなかで生まれている社会課題について、パリ在住のSINEORA代表・今井さんと東京にいる川端で5月14日午後にディスカッションをします。無料ですので、よろしければぜひご参加ください。
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