禁セックス法によるディストピアな未来予想図
「不同意性交罪」が7/13より施行されました。
もちろん性犯罪は許されないし、是とする気持ちなど微塵もないが、この法律はいろいろと日常の運用面において弊害というか問題が起きそうな気がするのはネット上でもさんざん言われている。
そもそも同意をどう証拠化するのか。
いちいち毎回やるたびに弁護士立ち合いのもと一筆書くわけにもいくまい。なんか、そういう同意アプリでも作る業者がでてきそうだが、今度はそうい同意書が芸能人の交際や不倫なんかで画像流出とかする場合もある。アホな芸能リポーターが「セックスに同意したんですか?」とか言うんかいな。さすがにレポーターはいわないまでも、ネット民はこぞって言うだろうな。
映画やドラマの中でも法律だからってんで、いちいち盛り上がっている時に「ちょっ待てよ。まずは同意書作成してからな」「ええ、いいわ」なんつって言ってからキスシーンが始まるのか?
あほらしいけどそういうことですよね。じゃないと「おいおい、同意してないぞ」とかクレーム言い出す界隈いるんじゃないの?今や、自動車を運転するシーンでは、どうにも悪人丸出しの暴力団員でも全員律儀にシートベルトしているように。
しかも、そもそもする時の同意書を取ったとしても意味ないという話もある。
「イエス以外は全部ノー」というけど「一旦イエスだったとしても後からあれはイエスじゃなかったと言われればアウト」になるということでもあり、だとすれば同意書なんて無意味。
というより、必ずこれを悪用して金をだまし取ろうとする界隈が出てくる。ある意味「法律のお墨付きをもらった美人局」だよね。
後で蒸し返されないためにも騎乗位でやればいいという意見もあったが、もうそうなると録画しておかないとって話になるよなあ。どんどんよくわからない話になっていく。
そして、多分一番途方に暮れるのは恋愛弱者たちで「なんか面倒だし、リスクありそうだし、だったらもうしなくていいや」ってなる。それでなくても未婚の性体験無し率は現状でも4割ある。とはいえ、実はそれは1980年代時点に戻った話であるが、それでも近年まだ上昇基調にあるので、これ以降もっと増えるかもしれない。
まあ、そもそも結婚したところで、夫婦になったら5割がセックスレスになるわけで…婚姻減も出生減も進むだろう。
ただでさえ日本人はセックスより美味い飯なので、今後益々食産業が一層栄えるのかもしれない。
冗談抜きで何十年か後には「禁セックス法」なるものができて、たとえ恋人同士や夫婦であってもセックスは一切してはならない。生殖はすべて体外受精とするみたいな世界線が来るのではないかとも思う。
快楽のためのセックスはVRなどのテクノロジーへの代替が進むか、それこそ「セックスは野蛮で下品で悪」という思想的洗脳や「セックスすると人類が滅ぶ感染症になる」という恐怖訴求による思考停止誘引へいくかもしれない。
つまり「セックスそのものが犯罪行為」となる未来。そして陰でやったカップルや夫婦に対して文春砲が炸裂して「あいつらセックスしたってよ。許せない」と袋叩きする世界となる。
この世の快楽からセックスというパーツが失われることで、人間のもつ排除や差別という攻撃性の快楽がより強調されていき、人間は互いに監視し合い、いつでも誰かを叩こうと手ぐすねひいている状況となる。そして定期的にガス抜きのために、見せしめや生贄の公開処刑がされ、その度に国民は溜飲を下げて、国家に従うという、ある種「1984」の世界に近いディストピアにもなるだろう。
むしろ恋愛弱者より、空気を吸うようにセックスをする恋愛強者の方が苦しむだろうね。
こんな漫画があったらどうです?原作者として書きますのでご興味ある出版社いればぜひ!
つきつめて考えれば、もう生殖行為そのものも不要なんじゃないかという話もある。すべての人間はiPS細胞からクローン増殖させていけばいいと話もある。クローンでも育った環境が違えば、元の人間と同じにはならない(顔や体型は一緒だが)。
ある意味それって、生物としての個体の死はあるものの、遺伝子的にいえば不老不死の完成なんじゃないかなとも思うけど、もうそれって人間なのかとも思う。そういう世界を望みますか?
「セックス」も「家族」も、世界から消える……と書かれた村田 沙耶香の「消滅世界」にも通じるところがある。