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なぜ大企業の新規事業プログラムはうまくいきにくいのか。パワポで説明します。

大企業には優秀な社員が多い。
それ故に今の仕事では物足りず、能力を持て余している社員も多い。
この傾向は若手社員ほど顕著だ。

そんな状況だから、大企業で新規事業なんて募集しようものなら大盛況だ。

たくさんの応募が集まる。
たくさんのビジネスプランが集まる。

しかしその多くが、実現することなく消えていく。
やる気ある優秀な社員たちが考えたアイデアなのに。


本当はそんなに優秀じゃなかったんじゃないか。
大企業の優秀さと新規事業は別だ。

そんな指摘が飛んできそうだが、そうではない。

大企業には、大企業ならではの新規事業が実現しにくい理由がある。

それを例によってパワポで説明してみる。

今日はそんな話。

◾️やる気はある。時間はない。

お金はない。時間はある。

というのはソシャゲ黎明期のCMで有名なコピーだが、大企業の状況はちょっと違う。

やる気はある。時間はない。

という状況だ。

なぜ時間がないのか。理由は明確で「今の仕事」に時間を取られているからだ。彼らはもともと「新規事業」という挑戦に割ける時間が限られている。

大企業では残業にも申請が必要で、業務時間内に新規事業のことをやるのはほぼ不可能に近い。

こういう話をすると「本当にやりたいことだったら、プライベートの時間を削ってもやるでしょ」と考える人がいる。

経営者や起業家の類だ。

彼らはこんな社員をかわいいと思う。

ただ私の経験上、大企業にこんな社員は滅多にいない

と言うか、そもそも経営者や起業家は「従業員」ではない。プライベートも業務も混ざっているのが経営者だ。

その分収益も自分のお財布に返ってくる。しかし大企業の新規事業の多くはそうではない。

そんな立場から「プライベートの時間を削ってもやるでしょ」なんて言っても説得力はない。

大企業において「やる気はある」と言っても「正直、そこまでのやる気ではない」というのが現実だ。やる気のレベル感がだいぶズレている。

こんなズレを私は山ほど見てきた。

なんとなくこんな感じ

◾️効率的な現業。非効率な新規事業。

そんな大企業で、うまく立ち回って新規事業への挑戦権を得る優秀な若者もいる。

しかし次に立ちはだかるのは「現業の鎖」だ。

大企業での新規事業は大抵、現業との並行での実施を命じられる。優秀な社員だから、現業が離さないのだ。

鎖につながれたまま、新規事業に挑戦することになる。

「2〜3割は新規事業やっていいよ」的に許されるのが大企業の新規事業だ。

逆!

逆だよーーーー


と声も文字も大にして言いたい。

新規事業は新しいことだから、やり方が確立していない。つまり非効率が多い。

逆に既存事業は長年の歴史の中でやり方が効率化されている。

「挑戦8割、現業2割」が大企業において新規事業を成功させる秘訣だ。この割合になると「現業のビジネスモデルを新規事業にも活かそう」という視点も生まれ、大企業にしかできない新規事業のかたちが生まれる。

だからまずは、とにかく優秀な若手社員の時間を創ること。

大企業で新規事業を成功させるには、経営もマネジメントもその視点を持つことが重要だ。

「あいつにはもっとやらせたい仕事があるんだけどな」など、口が裂けても言ってはいけない。

新規事業とは、非効率を繰り返すのが一歩目なのだから。

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小島 雄一郎
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