「ガチソロ」「カゲソロ」「エセソロ」「ノンソロ」あなたはどのタイプ?
独身には、3種類あります。
ひとつは、「未婚だがソロ度が低く、結婚したがっている独身」。そして、もうひとつは、「未婚だがソロ度が高く、結婚意欲が低い独身」、最後に「結婚したが配偶者との離別や死別で独身に戻った者」。統計上、「未婚」は前者のふたつを指し、最後のひとつは「婚歴のある独身」となります。
未婚であっても、ソロ度と結婚意欲の高低によって、実はその価値観も行動特性も大きく異なります。
拙著「超ソロ社会」にも掲載していますが、「結婚できない診断」というものがあります。「結婚できない」と書きましたが、正確には「結婚には向いていない」診断です。本当は12項目ありますが、試しに以下の3設問に回答してみてください。○(そう思う)、△(どちらでもない)、×(全く思わない)の三択で答えてください。
設問①:「束縛されるのは嫌いだ」
設問②:「一人で過ごす時間を確実に確保したい」
設問③:「(何か問題が発生しても)最初は誰かに頼らず、自分でなんとかしようとする」
設問③を補足しますと、最終的に誰かに頼ってもいいんですが、最初は自分でなんとかしようと思うかどうかがポイントです。
結果は以下↓
すべての設問で○の人は「ソロ度の高い人」です。どれかひとつでも、△や×がついた人は「ソロ度の低い人」となります。僕は、2014年から継続的に全国レベルで20~50代の男女のソロ度を調査していますが、この5年間ほぼソロ度の高い人は40-45%の間で統一されています。
「たった3問で分類できるのか?」と思われるかもしれませんが、5年間延べ10万人以上の調査を経て導き出した結果で、この3問と結婚意欲の高低とは、強い相関関係があります。男女でも同等です。
興味深いのは、独身に限らず既婚男女でもその割合はあまり変わらないということです。既婚者でありながら、ソロ度が高いままの状態を保っている人たちが一定数存在します(特に既婚男性に多い)。
そもそも、誰もが独身からスタートしているわけで、独身時代にソロ活動をしてきた人たち男性が、既婚になったからと言ってその瞬間に価値観が全て一変するというわけではありません。結婚しても合コンや夜遊びをやめない旦那、独身時代から続けている趣味を頑なに継続している旦那など、言われてみればみなさんの周りにも思い当たる人がいるのではないでしょうか。
未婚と既婚、及び、ソロ度の高低で4象限を命名し、図にしたものが以下です。
まず、図の左側。ソロ度の低い人たちは全体で6割います。その中には、既婚者で「家庭を大事にする。よき親」である「ノンソロ」がもっとも多く、全体の4割を占めます。ソロ度の低い未婚の「エセソロ」は、今は独身ですが、将来「ノンソロ」に移行する「いずれ結婚する層」です。
次に、右側のソロ度の高い人を見てみましょう。
右上、未婚で結婚意欲も低く、ソロ度の高い人は「ガチソロ」と言います。これが、僕がいつもいう「ソロ男・ソロ女」であり、全体では2割います。右下は、既婚者ですが、ソロ度の高いままの状態を保っている人たち。これも全体の2割いて、「カゲソロ」と命名しました。※以前は「隠れソロ」と言っていました。
そして、残念なことに、「カゲソロ」は、結婚しても離婚により「ガチソロ」に戻る場合があります。何度も離婚と再婚を繰り返す男性がいますが、これはまさにガチとカゲをいったりきたりしているだけですね。3組に1組が離婚する現在の日本、その離婚はこれらの層によって成立しています。
基本、ソロ度の軸を超えて移行する例はあまりないのですが、例外は、結婚した「ガチソロ」が、結婚後も「カゲソロ」として活動していたものの、子どもが生まれた瞬間かに「ノンソロ」に価値観含めて華麗に変身を遂げるパターンです。特に、40歳を過ぎて子が生まれたカゲソロにその傾向が強く見られます。
「娘が生まれて何もかも変りました。結婚してしばらくは、悪友たちと夜遊びを続けていましたけど、今では完全に家族中心、というか娘中心の生活ですよ。他のものに興味がなくなりましたから(42歳)」
とは、独身時代「ガチソロ」だった男性の言葉です。
これら4つの属性は、特に消費行動における価値観がそれぞれ大きく異なります。
「エセソロ」と「ガチソロ」は、状態としては同じ未婚者であっても、全く違う別の生物といってもいいかもしれません。「エセソロ」はむしろ「ノンソロ」に近いのです(結婚していなくても)。反対に、「カゲソロ」は既婚者ですが、「ノンソロ」とは全く異なり、「ガチソロ」と価値観が一緒です。男女では、消費行動に多少の違いはありますが、それでも大きな傾向は一緒です。
一人で遊園地に行ったり、旅行に行ったりする「ソロ活」を楽しめるのは「ガチソロ」と一部の「カゲソロ」です。
こうした属性によって、今後の消費市場は大きく影響を受けます。なぜなら、今までの消費市場はほぼ「ノンソロ」によって牽引されていましたが、それは日本が皆婚社会だったからです。人口の半分が独身者となる日本、もはや市場のメインターゲットは「ノンソロ」ではなくなれます。
これについては、次回お話します。
ちなみに、12項目によるフル診断は「超ソロ社会」に書きました。合コンのネタにすると盛り上がります! そして、結婚に向いていないソロ男・ソロ女同士は、意外にも相性がいいということも付け加えておきます。