メディア露出時にやりがちな落とし穴
個人として何かモノを作ったり研究や発明をしていると、何かの拍子に話題になり、メディアから出演・発表オファーが舞い込むことがあります。また、マスコミというレベルではなくとも、草の根的にイベントに出て自分のプロダクトについて紹介することも多いです。
その際、記者さんや参加者から何か聞かれれば、聞かれるがままに答えていたのですが
特許や商標など、知財のプロである弁理士の方々に「ちょっと待った!」を入れられてしまいました。
特許をはじめとした知財の概念では、人前に出してしまうことによって「新規性」は失効する
何らかの発明した製品について、特許権を出願する前に人前に出すことはリスキー。
いくら新しいものを発明したとしても、特許をおさえる前に人前に出したりアイデアを話してしまうとそれは公知のもののため「新規性」を失効するという扱いになり、ライセンスビジネスにおいて重要な知財の取得において大きく不利になってしまいます(実際、特許出願前にメディアに出しまくった『喘ぐ大根』は他社にまんまとパクられました)
また、知財ゴロが同じネーミングで商標を先んじて取って不当な使用料を請求される恐れもあります(以前ピコ太郎のヒット曲『PPAP』『ペンパイナッポーアッポーペン』が、大阪にある無関係の企業により商標出願されていたトラブル等も起こっていました)
https://www.huffingtonpost.jp/2017/01/26/ppap_n_14404314.html
特許や商標の他にも、「意匠権」というものがあり、こちらはデザインや見た目にまつわる知財保護が対象になります(そのためITだけでなく、各デザイン系の職能の方にとって重要な概念です)
大企業の製品であればメディアに露出前に諸々の知財をおさえておくのは当たり前の話かとは思いますが、個人またはベンチャーの発明や創作物、製品の場合はつい知財まわりの処理は疎かになってしまうので、このへんの知識は頭に叩き込んでおかねば……と反省し、近作「デジタルシャーマン・プロジェクト」では特許出願をしたりしていたのですが
そんな矢先にかなりドンピシャなイベントにお呼ばれしたので、ご紹介をさせていただきます。
日本トップクラスの弁理士が外部に集合する貴重なイベント、弁理士フェス。トークも開催
昨日、今日と東京駅すぐの丸の内KITTE 1Fにて、日本弁理士会のイベント「弁理なアイデア展」が開催されています。
私も発明品紹介コーナーとして大根を触ると艶かしく声をあげる「大根インターフェース」やなどを展示しています(昨日はお子様が喜んで体験しまくっていました、心配……)
また本日18時からは「市原えつこトークショー」なるものが実施されます。第一線の弁理士さんに、メディアに出る際の知財戦略について諸々問い合わせまくる予定です。
アクセスのかなり良い場所かつ無料で弁理士さんの知見が頂けるレア機会なので、意外と知らない知財についてこの機会に学び直したい方は是非お仕事帰りにお立ち寄り下さい。知財の世界では「後からじゃ遅い」「もう取り返しがつかない」みたいなことがほとんど、かつ世の中には意外と悪どい方々がいっぱいいるのでプロテクトは大事です……。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000036652.html
◆会場 :KITTE 丸の内
東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 KITTE 1階 アトリウム◆開催日時: 2018年10月14日(日)、15日(月) 11:00~19:00
【ステージコンテンツ】15日(月) 18:00~ メディアアーティスト・市原えつこさんによるトークショー ※無料 (こちらで本件で話題に上がったトピックについて弁理さんに問い合わせまくります)