スタッフを強くする2つの成長とは?
ブランドとは人であると思います。ブランドに関わっている人達の成長の総和がブランドの成長につながります。特にMinimalはモノづくりブランドであって、そこには職人的に働く人たちがどのように成長していってくれるか、どうしたらそれを手助けできるかをずっと試行錯誤してきました。その中で感じた成長の第2領域というテーマに考えてみたいと思います。
成長の定義を見つめなおす
僕は自社をチョコレートのブランドスタートアップであると思っています。スタートアップの定義の一つとして、事業として非連続の成長を目指し実現していることが挙げられます。モノづくりのスタートアップを経営してつくづく思うことは、事業を成長させていくためにスタッフの成長速度も高めていくことが本当に大事であるということです。
Minimalのスタッフが50名を超えた現在や、前職時代からそれなりに部下を見てきた経験から、スタッフの成長を促していく際に、早期から成長の範囲や定義を見つめなおす機会提供をすることが非常に重要かつ、効果的であると思っています。
スタッフ本人の成長するという意識の範囲というか、定義というかは難しいですが、それを拡げるという意味の機会を提供して、成長の定義を見つめなおしてもらうことがとても大事なのです。
僕は、これを成長の第1領域と第2領域と呼んでいます。
成長の第1領域と第2領域
成長には領域があると思います。これを新卒入社したパティシエを例に考えてみます。
入社した新卒パティシエにとって、
成長の領域とは、
ケーキを作れるようになったり、焼き菓子の生地の仕込みができるようになったりすることでしょう。今までできなかった菓子つくりの技術を習得することが成長となります。
つまり、これは日々の業務上のスキルや技術を習得していくこと。ある意味でルーティンワークをきちんとできる能力を獲得していくことです。
僕はこれを成長の第1領域と呼んでいます。
続いて、ルーティンワークでの業務スキル以外にも業務で成果を出すには必要なスキルや経験があります。この、業務上必要であるけど、ルーティンワークを漫然と繰り返すだけでは身につかないスキルや経験を成長の第2領域と呼んでいます。
新卒入社したパティシエにとっては、この第2領域は、原価計算の考え方の理解や、原価をエクセルを使ってスプレッドシートを管理できることかもしれません。また、先輩や上司に適切に考え方や困っていることを伝えることができるコミュニケーションスキルかもしれません。
もう少し別の角度でいうと、誰でも年数を重ねて、繰り返せばできるようになる領域を第1領域と呼び、自分で意識して獲得しにいかないといけない領域を第2領域と定義しています。
第1領域の差はスピード、第2領域の差は意識
入社して最初のうちは、第1領域の日々の業務スキルを獲得することに集中して成長していきます。この時点では、成長の差は、スピードの差となります。つまり、いかに業務スキルを早く習得できるかが、成長の差になります。
ただ、この第1領域での成長の差はある時点でほとんどなくなってきます。
なぜなら、成長スピードの差はありますが、必ずだれでも年数を重ねればできるようになるからです。
新卒1年目と2年目を比べると、この第1領域の成長度合いが違うので、大きく違うようにみえます。ただ、新卒10年目と11年目を比べた時に、それほど大きく差を感じないのではないでしょうか?
ある一定の期間経ると年次での差が相対的に小さくみえるようになります。新卒11年目よりも10年目や5年目の方が成長しており、活躍するとなんてこことも起こります。
つまり、第1領域だけにフォーカスすると、まだその領域のスキル等を習得していない状態では成長の差は大きく感じますが、ある程度時間が経つとその差はほとんどなくなってくるということだと思います。
では、継続的に、また非連続に成長していくスタッフはどんな人材かというと、第2領域に自らの意識があって、そこの習得を自らチャレンジしている人材であると思います。
成長とは第2領域である、と定義できるか
実は成長し続けるスタッフは、早い段階から第2領域を成長と定義できているスタッフです。
第2領域のスキルや技術や経験を成長と自己定義できているスタッフは、日々のルーティンにおける技術やスキルをいかに早く習得するかを自然と試行します。それは、第2領域の成長にフォーカスするためには時間を作り出さないといけないからです。つまり、第1領域での成長スピードを速める努力をおのずとして、結果として第1領域の習得スピードが速くなるという良い連鎖が起こります。
私の実感値として、技術職や職人職のスタッフの方が、ビジネス系スタッフよりもこの第1領域だけを成長としてとらえている傾向が強い気がします。
それは、第1領域で獲得するべきスキルや技術がきちんと定義されていたり、わかりやすいからかもしれません。
役割立場・経験によっての配分が大事
上述した新卒パティシエの例にもありますが、仕事を始めたばかりの段階においてはまずは第1領域での成長が必須です。そして、いかに早く第2領域を成長と定義して、そこに意識を向けて成長するための実地を行えるかが一人一人のスタッフの成長に関わります。
つまり、その人の役割立場・経験において成長において、どっち領域をどの程度時間を使うかという配分が変わってきます。
成長を促す上司としては、この見極めをして、適切に仕事の時間配分をしてあげることが大事であるともいます。
第1領域での成長を十分に実現できないうちに、第2領域にフォーカスしてしまうことはおススメできません。
第1領域ができないと、単純に目の前の仕事の成果がでないという可能性が高いためです。
役割立場や経験を積むにしたがって、成長とは第2領域での研鑽であると、比重を移していくことが重要です。
如何に早く、「成長とは第2領域のことである」と自己定義できるか
繰り返しになりますが、役割立場が変わっていく中で、継続的に成長できるスタッフは早いうちから、成長とは第2領域の部分であると自己定義できるスタッフであると思います。
自ら日常業務の延長では身につかないが、必要であるスキルや技術や経験を身に着けることを“成長”と定義して、その時間を捻出し、自らを研鑽できるかが社会人として年数がたてばたつほど重要なのではないでしょうか。
最もわかりやすい例で、多く職種で共通するのが、マネジメントだと思います。
プレーヤーとして活躍した人が、マネジメントに上がって全く成果ができないということはよく聞く話です。これは、明らかにプレーヤーとしての日常業務の中に、マネジメントとして必要なスキルや経験が少ないからでしょう。
この成長の第1領域と第2領域の考え方を、別の角度から言っている藤原和博さんの説く100万分の1の法則だと思います。
また、第2領域が成長において大事であるし、その必要性が認識された昨今の事象としてはリスキングの流行りではないでしょうか。
スタッフに成長を求める経営者としては、いかに成長とは第2領域であるという自己定義をスタッフに自覚してもらえる機会を提供できるかが本当に重要なポイントであると思います。
※Minimalチョコレート
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