複業から考える「プロティアンキャリア」とは?
『複業の教科書』刊行記念!ということで、機会を頂き法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔先生(通称、タナケン先生)と対談させて頂きました!
先日、タナケン先生のゼミにお招きいただき、学生さん向けに「天職にたどりつく複業活用術」というテーマで授業をさせて頂いたことがきっかけで、先生からまたじっくり話そう!とお声がけいただき、「続編」として、複業×プロティアンキャリアをテーマに対談をさせていただいたのです。
*本日の対談は後日、日経ビジネスオンラインで公開される予定です。
プロティアンキャリアとは何か?
タナケン先生が注目しているキャリア理論「プロティアンキャリア」は、ギリシャ神話に出てくる神様プロテウスのように、"社会環境や労働・市場状況に応じてキャリアを柔軟に変化させ、自己を変化させられる人材"を目指そう、という考え方のことを指します。
*プロティアンキャリアについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
「人生100年時代」と言われても、正直まだピンとこない方も多いかもしれませんが、一つの企業、一つの仕事だけをやり続けることはほぼ不可能になりつつある中、自分がこれまで培ってきたキャリア資本をうまく利活用しながら、新しい市場を探し、新しい顧客に対して価値発揮をし続け、「選ばれる人材」になるための努力を続けないといけない時代になってきました。
「時代や市場に合わせて、自らを変化させ続ける力」の大切さは、2018年になった今なら、「なんとなく」理解することができますが、1970年代からその重要性を「プロティアンキャリア」という言葉を用いて訴えてきたダグラス・T・ホール教授には先見の明があった、と言わざるを得ませんし、40年近く前の理論を再発掘・再発明されたタナケン先生もすごいです…!
複業は、プロティアンキャリアに向けた第一歩。
「社会環境や労働・市場状況に応じてキャリアを柔軟に変化させ、自己を変化させる力」を得るための手段として、実は複業が非常に有効です。
いきなりゼロから複業をはじめて上手くいく、という人はごく少数で、まずは「自分が何をしたいのか?」(Will)と「自分はどんなことができるのか?」(Can)を整理して、棚卸しすることからはじまります。
その上で、自分自身のスキルを「商品化」して、マーケットに「さらす」こと、そして自分の商品を「顧客」に使ってもらい、フィードバックを受けること。
こうして、複業を通じて自分自身をビジネスモデル化させることで、自分の持っているキャリア資本の中で、何がマーケットに通用するのか?(強み)が見えて来ますし、より高いレベルで価値貢献するために、今の自分には何が足りないか?も見えて来ます。
そうして見えて来た「強み」をさらに磨き込みながら、自分に足りないモノを得るために、新たな分野から学び、そこで得られたモノを本業の仕事にも還元しつつ、自分自身をアップデートし続ける。
こうした営みは、もちろん本業で高い価値を追求し続けることでも実現できますが、本業での成長曲線が踊り場を迎えたフェーズにおいて、
①本業で当たり前にやっていることが、会社の外でも役に立つかどうか?を検証する
②本業だけでは得られない知識や経験が得られる
という観点で、複業を組み合わせるのは非常に有効です。
「プロティアンキャリア」は、今後のキャリアの未来を考える上で、非常に有用なキャリア理論になるので、ぜひ押さえておきたいところです。
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