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○○ハラスメントはブーメラン

権力や地位を利用し、暴力的な言動や行動を行うことを「パワーハラスメント」と命名されたのが2001年。20年以上の時を経て、パワーハラスメントから派生し、今日の職場ではたくさんのハラスメントが命名されています。

・セクシャルハラスメント
・マタニティハラスメント
・モラルハラスメント
・ジェンダーハラスメント
・ロジカルハラスメント
・テクノロジーハラスメント
・アルコールハラスメント

など

刑法上の犯罪に該当するものもあれば、企業秩序違反行為レベルのものまでさまざまなハラスメントが登場しました。そして、極め付けはハラスメントハラスメントまで誕生しています。これは、なんでもかんでも「ハラスメントだ!」と騒ぎ立てる、いわゆる逆ハラスメントになります。


キャリア安全性はハラスメントの緩和から

ハラスメントは当初、弱い立場にいるものを守るために誕生した概念のはずでしたが、多様化しすぎたせいで上司が部下を腫れ物扱いしたり、適切に接することができなくなってきています。

また、働き方改革を意識しすぎたあまりホワイトすぎて若手が成長できない企業もたくさん誕生してきました。ホワイト企業がモーレツ企業(働きやすさは低いが、働きがいは高い企業)に労働環境と業績のスコアで敗北したのも、時代の揺り戻しを象徴するようなニュースでした。

ブラックに働かせすぎると「パワハラ」
ごりごりロジックを詰めれば「ロジハラ」
取引先企業との飲み会に招集すれば「アルハラ」

何をやってもハラスメントと言われてしまう。

心理的安全性の高い職場を目指すべく、部下の負担を過度に減らそうとしていった結果、ホワイトハラスメントという言葉まで誕生してしまったみたいです。これは「部下への思いやりが行きすぎて、仕事のサイズ感が小さくて成長機会が奪われてしまう」というハラスメントらしい。

なんでもかんでも「ハラスメントだ!」と、言い過ぎた世の中が作り上げた令和を象徴するハラスメントと言えるでしょう。

これは、若手社員が働きやすさや心理的安全性を求めていった結果、自らの首を絞めてしまっているとも言えます。

終身雇用が崩壊し、キャリアの安全を会社に依存できなくなった昨今、より自らの身を守るために成長しなければならない今になって、よりによってこんな時に、自分たちが投げたブーメランがまさに今、自分たちに返ってきているのです。

若手層が作り上げた○○ハラスメント戦国時代を、自分たちが管理職になった時には、もっと大きなブーメランとなって受け入れなくてはならない。ということを忘れてはならない。「ハラスメントだ!」と言う前に一呼吸おいて、自分が将来許容できるブーメランなのかどうか考える余地があってもいいような気がします。


前提のすり合わせが過剰なハラスメントを減らす

そもそもハラスメントというものは、基本的に受け手が決めるものです。受け手がどう感じるかに依存するので、相対性を多く持つ概念であります。(※暴力や明らかな誹謗中傷はいかなる時でもハラスメントである)

とある会社では普通に罷り通っていることが、他の会社ではハラスメント認定されることもあります。ではどうすることで過剰なハラスメントを減らすことができるのか?

そのためには、嘘偽りなく等身大で前提をすり合わせることが重要です。

会社が掲げるカルチャーや価値観をあらかじめ理解した上で求職者が入社すれば、上司も部下もそのルールに従って仕事を行うことができます。各社員が自分の感覚でハラスメントを回避しよう配慮しすぎると、ホワイトハラスメントに該当してしまいます。

<ホワイトハラスメントが引き起こす職場環境>
・会社:ホワイトな環境はハードワークより業績は伸びづらい
・上司:気を遣いすぎて仕事を任せられない、仕事が減らない
・部下:成長機会が奪われ、キャリア安全性が脅かされる

ホワイトハラスメントほど会社、上司、部下と三方悪しなものはありません。過剰にハラスメントに反応することなく、会社が定めるカルチャーや価値観に従って動ける会社が増えることを願います。


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