みんなの想いが、ついに、総理大臣に届きました #保育教育現場の性犯罪をゼロに
私たちフローレンスが昨年6月から訴えて続けてきた、子どもたちを性犯罪から守るための仕組み「日本版DBS ※」の提言が、ついに、内閣総理大臣に届きました。ちょっと感無量過ぎて、この気持ちをどう表現したらいいか、わかりません……。
※日本版DBSは、保育教育現場で働く人に、過去に性犯罪を行っていない「無犯罪証明書」の提出を義務付ける仕組み。英国のDBS(Disclosure and Barring Service)を参考にしています。
記事にある通り、総理は次のように語ったそうです。
『子育て政策の司令塔として検討する子ども庁の「政策の柱になる」』
「速やかに検討して各省に指示したい」
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日本版DBSは、私たち認定NPO法人フローレンスが実現に向けてソーシャルアクションを開始した当初、あらゆる人から「絶対無理www」と言われ続けた制度でした。
まず、多くの官庁をまたぎます。日本版DBSの肝は、「すべての」保育教育現場を対象としているところです。例えば、わいせつ教員を教育現場からキックアウトしても、別の子どものいる現場に再就職してしまいます(そういう事例が実際にあります……)。だから、教育現場を管轄する文部科学省、保育現場を管轄する厚生労働省、個人情報を取り扱う総務省、犯歴情報を統括する法務省……等々、すべての省庁の縦割りを廃し、一元的に子どもを守るための組織の新設が必要不可欠でした。でも、そんなのつくれるのか……!?
これをやるには、どう考えても立法が必要でした。立法には、莫大な政治的エネルギーがかかります。つまり、本当に多くの政治家が、本気で動いてくれないといけないんです。口先だけで「やります〜」「頑張ります〜」といってもどうにもなりません。
それなのに、大きな業界団体のロビイングと異なり、本件にはただの1円もお金が動いてません。政治献金とか、パーティー券の購入とか、一切なし! 政治家に金銭的なメリットは皆無です。おまけに、しばしば子ども関連政策は「票にならない」と言われています。少子高齢社会の中で、若い有権者は高齢者に比べて少ないし、その上、選挙にいきません(血涙)。だから、選挙的なメリットすら希薄なのです……!
だから、「こりゃ、立法のハードル的にも、政治的にも無理でしょwww」と言われ続けました。そして、実際に挫けそうになったこともありました。
でも、フローレンスの仲間、そして、専門家各位とともに、実現可能な制度のあり方を模索し続け、政治にアプローチし続けて、その提言の多くを、菅総理に手交された提言書の中に盛り込むことができました。
そんなことが実現できたのは、政治的なメリットがほぼ皆無の状況なのに、子どもたちの為に本気で動いてれた議員の皆様がいらっしゃったからです。
木村弥生議員はじめ、自民党の行政改革推進本部の皆様、人知れず地道に汗をかいてくださった与野党の議員各位。感謝してもしきれません。
私は、選挙のために地元で飲み歩いている政治家よりも、こういう、政治的には不器用だけれど、私たちの生活のために本気で行動してくれる政治家に、私たちの代表でいてほしいと強く思いました。
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とはいえ、これで日本版DBSが実現すると決まったわけではありません!まだまだ油断は禁物です。ポイントは、まだ本件の責任の所在が曖昧なところです。
総理は前向きに「検討して」といってますが、どの官庁がそれをやるのか、決まってないのです。実際、総理に手交された「中間提言」の内容をみると、その点が曖昧になっています。
日常的な仕事でもそうですが、最終的な責任者がいないと、どんなプロジェクトも中途半端になったり、空中分解してしまいます。というか、まさにこの責任の所在が曖昧だったからこそ長く実現できなかったのが日本版DBSだったわけで……!
さらに、不確定要素もたくさん。もうすぐ、自民党総裁選も、そして、衆議院総選挙もあります。選挙公約に日本版DBSを入れてもらわないと困りますし、6月頃に決まるであろう、経済財政運営と改革の基本方針(いわゆる、骨太の方針)にも盛り込んでもらわねばなりません。
メディア各位にはぜひ引き続き本件を注視していただきたいですし、何より、私たち有権者が、政府に対して声をあげ続ける必要があります。
「ここまできて、来年の通常国会に法案を提出しないなんて、絶対に、許さんぞ……!」と。
あともう一息、みんなで、頑張りましょう! 子どもたちのために。
日本版DBSの実現、待ったなし!!