折り鶴の再生と循環
気持ちのこもった贈り物。最後にもらったのは、いつですか? それは、どんなものでした?
折り鶴をもらったこと、ありますか? 僕は、小学四年生の頃、法定伝染病の猩紅熱に罹患した際に二週間ほど隔離病棟に入院したことがあります。その時のクライメイトたちからのお見舞いでもらったことがあります。あの折り鶴、今は手元にありません。どうしたんだろう。
広島市平和記念公園には、毎年1,000万羽もの折り鶴が届けられるそうです。平和の祈りを込めておられた折り鶴たち。
一辺15センチ程度のよくある折り紙は、1枚1グラムくらい。1,000万羽で、およそ10トン。この想いの込められた10トンの折り鶴をどう扱うか。これまで、考えたこともありませんでした。
先日、ある会合で出会った藤塚洋介さんに教えていただいたプロジェクトがあります。彼が、コニカミノルタジャパン株式会社にて企画し、広島の紙器・印刷の企画製造会社である株式会社トモエ、愛知県小牧市のパッケージ製造会社である株式会社クラウン・パッケージ、そして近畿日本ツーリストと共に、共同プロジェクトとして設立させたものが「折り鶴の再生・循環プロジェクト」です。
折り鶴を再生紙にとして新しいおりがみにして、広島市平和記念公園を訪れる子どもたちが、それを使って鶴を折る。自走できる仕組みとして動き始めているとのこと。
再生紙であるがゆえに、少しずつ紙には不純物が混じるのだそうです。下の写真は、再生された折り紙です。真っ白な紙よりも、赤や青など様々な色が混じっていることが、循環している証しとして、むしろ美しく感じられました。
被災地に贈られる折り鶴への賛否が大きな話題となったこともありました。また、様々な追悼式典や記念碑などに届けられる折り鶴もあります。この折り鶴の循環自体、広島に限らず世界に広げていくことのできる活動なのだと思うのです。
さらに、こうした想いをモノに乗せて循環する仕組みは、折り鶴に限らず、様々なモノでも考えられそうです。