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リスキリングの〆はぜひ、マクガイバーにお願いしたい

過去の栄光って捨てがたいのね

この日経新聞の記事にも書かれているように、政府も民間企業も事業のトランスフォーメーションを推進するために、あちらこちらでリスキリンング教育が話題になり、新たな社員研修の仕組みを導入する企業も増えています。DXの導入、D2Cビジネスの手法など、新しいビジネスの武器について日々研修を受ける人たち、たくさんいるんじゃないかな。
でも、きっとリスキリング研修を受けている人たちの多くは優秀なビジネスマンですから、新たなに習った新しい武器を使いこなすことができないわけじゃないと思うんです。
今、必要とされているのビジネスマンの能力は、いや能力というより姿勢は、今のシステムを一旦ガラガラポンする勇気なのではないでしょうか。
経産省は将来的なキャッシュレスの普及率を80%にという目標を掲げていますが、これがなかなか普及しないのと同じように、人間は過去に便利だとされたシステムに安住しがちですよね。たとえ、新たに発明された技術がより便利だと頭の中では分かっていたとしても。レジェンドになってしまった業績を作った人や組織ほど(つまり、彼らは超優秀なのにもかかわらず)、過去に引きづられてしまうという現象が起こりがちです。
ちなみに、僕はPR(パブリック・リレーションズ)の仕事をずっとやってきましたが、アメリカにおけるPR産業の発祥は、鉄道の敷設のために鉄道の便利さを世の中に知らしめることだったと言われています。便利だと誰もが分かっていても、新しい異形のモノは恐れられるという側面もあるのでしょう。だから、知識も大事ですが、姿勢が大事かと思うんです。


鉄道も便利だって分かっていながら普及しなかったし、
ドライブを普及させるために「ミシュランガイド」だって作られましたよね

大事なのは手口ニュートラルな発想

だからと言って、ビジネスのやり方をえいやっ!っと最新式のモノに変えればいいかといえばそうでも無いんじゃないかとも思います。ルネッサンス期に、ギリシア・ローマ時代に発明されたドーム型の屋根を立てる技術が再発見、再利用されたように、発明時期が古いテクノロジーが役に立たないということではないわけです。大事なことは、一旦既成概念を取っ払って、今まで自分の仕事を支えてきた技術と、新たに習得した技術を、ある意味平場に並べてみて、自分のビジネスの課題解決に最も有用な技術を、いろんなしがらみとかを忘れて選択するニュートラルな判断です。そんな判断を教えてくれる講師の方が、僕にとってはマクガイバーでした。マクガイバーって誰だよ、というリアクションが多いと思います。マクガイバーは1980年代に放映されたアメリカのヒットテレビドラマシリーズ「冒険野郎マクガイバー」の主人公。彼は秘密組織の一員なんですが、今までの成功体験など、既成概念を取っ払って、課題をニュートラルに解決していく達人です。リスキリング教育で習った技術をニュートラルに、自分が担当するビジネスにインストールするためにマクガイバーイズムは必見。もし、マクガイバーが実在したら、研修の締めはマクガイバーに精神論を叩き込んで欲しい!と思ってしまいます。

小麦粉だって役に立つ


zoomも会議じゃなくて同窓会や合コンに使われたりするのと一緒
マクガイバーの既成概念を取っ払う姿勢は見習いたい

さて、このマクガイバーですが、毎回毎回、ドラマの中でひどい目にあうんですよ。拉致されたりね。ビジネスマンの皆さんの課題は流通や製造の効率化とか、新しい顧客との関係作りとかいろいろあると思うんですが、マクガイバーの場合の課題解決は毎度毎度おとづれる危機的状況からの脱出です。その課題解決のやり方が、その手があったか!と思わず膝ポンするくらい秀逸なのです。スーパーニュートラル。一旦全てをガラガラポンして、あらゆる知識、武器の中から、今の課題解決に必要なものをバシッと選ぶ。そのセンスが最高です。
例えば、キッチンに閉じ込められた時、ドアには鍵が閉まっていて外に出ることができません。しかし、そこはキッチンですから、ガスレンジはあるし、引き出しを開ければ小麦粉があったりします。マクガイバーは、突然、小麦粉を掴んでそれを空中に放り出すんです。そして、部屋中に小麦粉が充満したタイミングで、ガスレンジに火をつけます。そうすると、「粉塵爆発」という現象が起きてガラス窓が割れて脱出に成功するんです。全ての仕事は目の前にある武器をどう編集して使い倒すかということだと思うんですが、究極の状態でベストの編集を見せるマクガイバー、さすがです。リアルなビジネスがこんなにうまくいくわけはないのですが、過去のやり方とかにとらわれず、そして新しいものを盲信もせず、ニュートラルに最善の技術(武器)を選ぶスタンスはぜひ見習いたい。
しかも、毎回、放送終了時間の中で課題を解決するわけで、判断を即決するのも大事。納期をしっかりまもるマクガイバーは、迅速な事業のトランスフォーメーションが求められる時代のビジネスマンの鑑です!


この人がマクガイバー
ちゃんと放送時間内に課題解決するのも偉い!
皆さん、納期は守りましょう

ちなみに映画「アポロ13」は、機材の故障によって地球への帰還ができなくなりそうな状況の中、同じくニュートラルな判断が功を奏して、乗組員がなんとか地球へ生還するドラマです。新しい技術と古い技術を区別しないで取り入れる姿勢も学べます。是非、見てみてください。


アポロ13の乗組員は靴下をフィルターにすることで地球に帰還できましたね
靴下を履くものという既成概念だけで捉えていたら彼らは宇宙に消えていたかもしれません


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