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前例がないことに挑むときの仕事の心がけ

前提

今回は、日本経済新聞とnoteの共同お題企画「#仕事の心がけ」をテーマ書きます。

まず私はみんなができて当たり前といわれることができない。

みんなができて当たり前といわれることができない


改めて自分の仕事を紹介すると、
宇宙スタートアップの代表取締役である。
「宇宙スタートアップの代表取締役」という職業は響きが非常に魅力的だが、困難の連続、予期せぬ問題などを含んでいる。

正直に言って、私より仕事ができる人はたくさんいる。
というか私はかなり仕事ができないほうだと思う。

先日ジムに行った。
ジムではスポーツウェアが必要だと思っていたが、なんと忘れてしまった!スポーツウェアを入れる袋は用意したのだが、中身がなかった。
その次のジムに行く日には、スポーツウェアを忘れないように気を付けて、しかし意気揚々と着替えを持っていった。
しかし袋を開けてみると、、
Tシャツだけ二枚持っていったという大失敗。スポーツウェアの上下だと思っていたのに、、、、こんなことが起こるとは思わなかった。
とにかく、できて当たり前のことができない日々である。

役所などの書類仕事(会社のものだけではなく住所移転手続きなどでも)でも、一度でうまくいったためしがない。
(※本当にこれらのことはできて当たり前なのか?みんなも苦労してるけど隠してるだけじゃないのか?とは思う。)

というわけで、優秀なアウトプットを出すためのTipsなどは私からは出てこず、むしろ人のものを読んで勉強する側である。

優秀なアウトプットを出すことはほかの人に任せて、私は自分が得意とする
前例がない仕事を進めていくときの心がけについて、書いてみようと思う。

注)ALEでは、優れた人材が多く在籍しており、私ができないことは、きちんとできる人がいる。
私ができない部分はちゃんとできる人がいるのでご安心ください。


宇宙スタートアップという予測困難性

私たちは人工的に流れ星を作る宇宙スタートアップというジャンルに定義される。
人工的に流れ星をつくる、ということはまだ誰も行っていないため事業を始める前に見えている困難というのはとても少なかった。

前例がないことに挑むとき、予測不可能な事態が連続しておこる。
遠くから見ると簡単そうに見えるなだらかな山道が、近づいてみると山あり谷ありで、登るのが大変なことに似ている。

ちなみにChatGPTに人工的に流れ星を作るときに予測される困難を教えてくださいと聞いたら帰ってきた返事は下記である。なぜか人工的に流れ星を作るのに火薬が必要ということになっているが、技術、費用、安全性、天候の影響など割とリスクを洗い出せているような気がする。火薬は使いません。
ほんとChatGPTは平気でうそをつくので信じ切っては危ないなあ。

ChatGPTに、人工的に流れ星を作るときに予測される困難を教えてくださいと聞いたら帰ってきた返事。

上記のものは見えているリスクである。実際会社を設立した当初から予測できていたポイントである。人工衛星を作るという技術、さらに宇宙空間からモノを放出するときには、どのような規制があるか、ロケットに搭載するときの安全審査、等々。

実際に起こった予測が難しかった不確実なことは、人間起因のものが大きい。

前例がないことに取り組む仕事の心構えとは


宇宙スタートアップの代表として、前例のないことにチャレンジする仕事に取り組む上での心構えとして、何が必要かを考えてみた。前例がないことに取り組むこととは、正解がない問題に挑むことと同義である。

前例がないことに取り組むスタートアップだけではなく昨今「VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)」の時代といわれており、特にこれから必要となってくる心構えだと思う。

経営の世界では「VUCA(ブーカ)」というキーワードが注目されて久しい。先々の展開を予想するのが難しく、すぐに「想定外」が発生する混沌とした状況だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD2739U0X21C22A2000000/

VUCAが前提とされる時代、組織文化は最重要課題となる。

そんな中で、自分が必要だと思う心構えを3つ挙げてみた。
それぞれ解説していこうと思う。

  1. 選んだ選択肢を正解にしていくこと。

  2. VISIONを明確にすること。

  3. 成長し続けること。

1.選んだ選択肢を正解にしていくこと。

正解はない。選んだ道を正解にしていくしかない。
これは、はやぶさプロジェクト代表の川口淳一郎先生に学んだ格言である。
前例のないことを行うとき、時に様々な選択肢で迷うことがある。どっちを選ぶのが正解という明確な答えがある場合はまれである。そういった場合、とにかくどちらか選んで、選んだ道で正しい方向に行くしかない。

2.VISIONを明確にすること

この話は、私自身いろいろなインタビューでも答えているが、正解がわからない場面での北極星となるのが、VISIONである。
とにかく、明確なVISIONのもと、なぜそれを選んだのか、その先にどんな道が見えているのか、コミュニケーションしていくことが大事だと思っている。これが、前例のないことに挑むためのチーム作りのために一番大事なことである。

ちなみに、ALEにおいては、VISIONの作成にBIOTOPEさんのお力をお借りしており、どのように妄想をVISIONにまとめていったかは、下記の本に紹介していただいている。ぜひお手に取っていただければ嬉しい。

3.成長し続けること

忘れてはならないのが、自分自身の成長である。
これができているかどうか、とても不安になるし自分がComfortZoneから出られていないのではないかは常に自問自答せねばならない。
ベルリン出身のシリアルアントレプレナーであり、現在wefoxというInsuratech(保険のテクノロジー)企業のJulian Teickeに会う機会があり、彼の話を聞いた。その中で彼は創業者にとって3つの大事なことを話していた。1.採用を焦らないこと。2.直感にしたがうこと。3.会社をスケーリングさせるために自分自身の成長が必要であること。

特に3番の成長の話は、彼がSlushで話した下記のYoutubeでも話されているのでご覧いただきたい。

彼は自分自身が成長しているかどうかを見極めるために、コーチを雇い、決められた期間ごとにチェックをしているという。

日々予測不能なことが起こる中でどうやってサバイブしていくか

さて、前の段は、日々予測不能なことが起こる中で会社をどうやって成長させていくかという組織の中での心構えであったが、日々予測不能なことが起こり、とてもストレスフルである。 ストレスフルな毎日をサバイブするメンタルの保ち方についても記載しておこう。
なんせ流れ星を流すための衛星を打ち上げたけど、流れ星が流れないなんて事態も過去には起こったのだ。CEOがメンタルの平静を保つことは会社の生死にかかわる。

  1. 基本は楽観論

  2. 何が学べるかを意識する

  3. 宇宙は広い

  4. ご飯と睡眠は大事

1.基本は楽観論

しんどいこと、想定外のことが起こる。一喜一憂して振り回されるのは心の消耗でしかないので、そういった場合、まずは一番最悪な状態に陥っているパターンを考える。それが最低ラインだと覚悟を決めると、たいていのことはアップサイドとなる。最低ラインを基準に考えると基本的には楽観視できるようになる。もちろん綿密な準備は怠ってはいけない。

2.何が学べるかを意識する

ストレスフルな状態というのは、同じことが何度も起こってほしいというような性質のものではない。そんな事態が起こらないために、今の状態から何が学べるかを意識する。それは自分の成長にもつながる。
時には、いろいろな立場の人に相談に乗ってもらう。それは会社のメンバーだったり、投資家さんだったり。
時には自分の子の様子からもいろいろ学ぶ。

3.宇宙は広い

宇宙を、天文学を勉強していてよかったと思うこと。宇宙の広大さを知っているといろいろなことが些細なことに思えることだ。様々な悩みがとても小さく思えてどうでもよくなってくる。
この写真は、ボイジャーが遠くから地球を撮った写真だ。宇宙は大きい。
けれど生命体はまだここにしかいない。生きてるだけで素晴らしい。

Pale blue dot  ボイジャーから撮影した地球は青白い点に過ぎない

4.ご飯と睡眠は大事

さて、私の一番の特技?というのがきっとどんな状況においても、しっかりご飯を食べてしっかり眠ることだと思う。
おそらく頭が散らかりやすいので、悩みが持続しないというのも、自分の強みにもなっている気がするが、目の前のおいしいごはんに集中する、寝るときはしっかり寝ることが基本である。

おわりに

さて、というわけで、このように仕事の心構え、さらに個人のメンタルの心構えを記載してみた。少しでも参考になっただろうか、、、、

書いていて気が付いたが、もともと自分が持っていた考え方は「宇宙は広い」のみで、それ以外はこのALEという会社を始めて身についてきた考え方だ。また数年後には、仕事の心構えは変わっているのかもしれない。
いや、変わっていないとだめだろう。
ひきつづき精進していきたい。

読んでいただきありがとうございました。

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