50歳で初めてハローワークに行った僕がWWEのコーチとして日本経済新聞社のインタビューを受けるまで:日経電子版連載「プロレス経営学」バックステージ 【ケンドー・カシン コーチ編】
日経電子版連載では語りきれなかった話を日経COMEMOで公開!
10/7(月)より日経電子版にて、プロレスをビジネスの観点から分析する『プロレス経営学』を掲載しております。構成上泣く泣く割愛してしまったエピソードをプロレスにちなみ「バックステージコメント」として日経COMEMOで紹介いたします!
今回は新日本プロレス・全日本プロレス・IGF等で活躍をし、現在はWWEコーチを務めるケンドー・カシン(石澤常光)さんの登場です!
連載本編はこちら⇣
本編では掲載しきれなかった、特にカシン節が炸裂していた内容をお伝えできればと思います!
2019年8月のコーチ就任発表の写真は素顔だったケンドー・カシンコーチ(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.
ーー2008年、早稲田大学大学院に在籍していた時に日米のプロレス団体の差異等について論文を書かれており、大変興味深く拝見をさせて頂きました。今回はそのような視点からもお話お伺いできれば幸いです。
2008年・・・。〇〇〇氏が当時WWEの副社長でした。論文を書く上で、色々聞こうとしたのですが、返事が来ませんでした。
ーーどうしてそのような論文を書こうと思ったのでしょうか?
プロレスをやっていたので、このテーマが良いと思い書きました。WWEは当時既に上場をしていて、「上場企業と上場してない企業の差はなんなのか」というのを考えていました。
ーーWWEコーチに任命された理由をご自身はどう考えていますか?
ゲストコーチとして過去に呼ばれており、そのときに違和感がなかったから?ではと思っています。またプロレスのキャリアの中で、長い付き合いのある方たちが多かったのもあるかもしれません。
ゲストコーチをしていた際に「フル契約にするか?」と聞かれて「はい」と口頭で答えただけです。
ーーコーチに就任してから如何でしょうか。
寒いです。まだコーチとして見習いなので自分のクラスを持っておらず、メインコーチの横に立っているだけのことも多く、クーラーが寒いです。
メインコーチがいない時は自分がメインで教えたり、フリークラスの日もあるので、その日は別のクラスの選手たちを教えたりもしています。
ーー就任されたパフォーマンスセンターの凄さについてコーチからはどのように見えますか?
所属している人数も多いため競争が激しいです。また階級別になっており上級とそれ以外では意識の差もだいぶ変わってきます。
上級クラスになるとプロの意識付けや、サイコロジーのレッスンもあるようです。受けたことがないので詳細はわかりませんが。
選手たちは、最初にパフォーマンスセンターに来たときと半年後・1年後では身に纏うオーラが変わってます。プロレス技術の上達はもちろんですが、言い表し難いですが、放つオーラが増してます。
WWEでスターになりたい人だけでなく、他のスポーツでスターだった選手をスカウトしてレスラーにするために、これまでの練習のメタデータのようなものから最短コースでスター選手にするために教え込むシステムとしてもパフォーマンスセンターがあると思います。
カシンコーチ曰く「米国の茅ヶ崎」ことフロリダにあるWWEのパフォーマンスセンター(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.
ーーエンターテイメントビジネス企業として日本との違いやファン獲得の秘訣はどこにあるでしょうか?
WWEの試合は、テレビ・配信を通じてその国の言葉で世界中で放映されています。
就任してから中邑くん(元新日本プロレスの中邑真輔選手)とカイリ選手(カイリ・セイン。元スターダムの宝城カイリ選手)とも一度も会えていません。それくらい選手たちは世界を飛び回っています。
ーー世界展開以外にも違いは感じられますか?
たくさんあると思いますが、例えば入場だけで満足できるところ。入場を観るだけで選手のキャラクターが全く違うことがわかります。音楽や演出を含めて入場だけでも満足できます。
また、WWEの選手は会場のお客さんだけでなく、カメラの奥にいるお客さんも意識していると思います。会場よりもむしろカメラの奥にいるお客さんの方が多いですから。はい。
--ケンドー・カシンコーチのバックステージこぼれ話は以上--
時にカシン節を交えつつも真剣な姿勢でコーチ指導を行っている様子や、プロレスビジネスを俯瞰して捉えられていることが短い時間ながらもインタビューを通じて伝わってきました。
そんなケンドー・カシンさんも論文のテーマに選んだ「プロレス経営学」の連載は日経電子版に登録すると全5回お読み頂けます!▼▼▼