【IPビジネス全盛期へ】Minto経営統合から3年。変化している事、ブレない事は何か?
アニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップ、株式会社MintoのCEOの水野です。
2022年1月にQuanとwwwaapが経営統合して、Mintoが誕生してから2年10ヶ月が経過、つまりもうすぐ3年!Minto以前の記憶が薄らいでるくらい、本当にあっという間の、濃密な3年間でした。
お陰様で、様々な苦難(ぜひ読んで)がありつつも、事業成長することができ、経営統合前と比較して売上で約3倍規模になりました。社員数も増え、直近10月にはWeWork内で増床し、更に規模を拡大していく所存です。
Minto経営統合からの約3年を振り返りつつ、昨今の「IPビジネス」トレンドや、自分の想いをまとめたので、ぜひお目通しください。
経営統合後、変化している事とブレない事
Mintoは8月から4期目に入りました。取締役は、経営統合時の水野、中川、高橋に加えて、CFOの定平、海外事業担当の堀が加わり5名に。社外取締役、監査役も様々な経験者の方々に参画して頂き、体制が整ってきました。
この3年で、経営陣として進めている方向は変わっていませんが、経営統合時 / MissionとVisionを策定時 / 1年前 / そして現在と、言語化された経営方針や想いは、少しづつ進化しているのかなと思います。そして、なるべく、その状況を記録し、発信し続けたいと思っています。
また、Mintoを取り巻くビジネス環境も大きく変わりました。その環境変化についても、分かりやすく伝え、少しでも多くの人がエンタメビジネスに関わるようになったらいいな、と思い、発信もしています。最近は、よく言われるようになりましたが、漫画・アニメを中心としたエンタメビジネスは、日本が世界に誇る、数少ない成長産業だと、ずーっと思っていますから。
さて、改めて、経営統合から3年間でのMintoの事業の考え方の進化について、noteや社内資料を用いて振り返ってみたいと思います。
Mintoは、経営統合当初は、クリエイターと向き合いながら行なっている事業(広告、コンテンツIP創出、海外展開まで)を「クリエイターエコノミー」と表現していました。
それから、約半年間後には、Mintoとしての目指す方向 = Missionを策定。"クリエイターと共に"という概念はしっかり入れつつも、技術や(社会の)価値観変化の機会を捉え、世の中にコンテンツや価値・意義を提供していくことと定義しました。
技術や価値観の変容から生まれる新たな機会を生かしていくMissionに沿って、新規事業を立ち上げ、経営統合後に、Webtoon、Web3、メタバース、IPタイアップ、ショートドラマなど様々な事業が立ち上がり、成長を牽引しました。経営統合後に開発スタジオのFuturizeのM&Aも実行しています。
外から見れば、IPやクリエイターをマッチングする広告代理店でもあり、Webtoonやドラマのスタジオでもあり、Web3開発企業でもあり、海外ライセンスエージェントでもある。自社を一言で表現するのが難しい程に領域を広げてきましたが、その中心にあるのは、"クリエイターと共に"ですし、Missionに基づいて広げているので、違和感は全くなかったんですよね。
とはいえ、自分達の定義の仕方によっては、小粒な事業の集合体になってしまうかもしれないという危機感を抱いたのが2期目から3期目にかけて。経営陣で時間をかけて議論し、Mintoのビジネスは、エンタメビジネスの「創る」「広げる」「売る」をアップデートする事であると、視座を上げて再定義しました。これによって、様々な小さな新規事業の位置付け・意義がはっきりしたのと、大手エンタメ会社との協業の位置付けもはっきりしました。
Mintoは、Missionを軸にしながら新たな事業を創る。当然ながら部署毎にやる事は異なってきます。だからこそ、Missionと同時に策定したコアバリューを大事にし、全社で共通の価値観を持てるように心がけています。
Mintoのコアバリューは4つです。
全方良し
自分がオーナーになる
まずやってみる
成果を創る
特に"全方良し"というコアバリューは、ファン、クリエイター、クライアント、様々なパートナーと向き合う時にどうあるべきかを示していて、社内で広く浸透しているかなと思っています。
4期目に意識していること
今年の8月から始まった4期目では、3期目に掲げたエンタメビジネスの「創る」「広げる」「売る」をアップデートするを継続しつつ、自分達の価値観と社会の価値観(評価)にズレが生じないようにすることを意識しました。
というのも、エンタメビジネスの「創る」「広げる」「売る」をアップデートするという考え方は、Mintoの事業を整理する為には、すごくフィットしたのですが、やはり外向け(社会、メディア、株式市場)には抽象的/概念的すぎて、補足説明をしなくてはいけないことが多かったんですよね。
そこで、今期からは、Mintoの事業・組織の説明に「IP」「IPビジネス」という単語を積極的に活用することを決めました。
上記の図は、先日、経団連から政府へ提案された資料ですが、この資料に限らず、漫画・アニメ・ゲーム等のエンタメ産業やその経済圏を解説するときに「IP」「IPビジネス」と表現することが多くなって来たと感じています。
エンタメビジネスに関わっている我々からすれば、IPという呼び方は以前から使っていたものの、少しビジネス臭がするので、クリエイターや制作会社は好んでは使わないという位置付けだったかなと思っています。
それが、一般資料/投資家資料/メディアでも使われて来ているな、と感じることが増えたこともあり、Mintoでも社内外への事業セグメントの説明を"IP"を軸にして下記のように整えることにしました。
IPビジネス支援(広告、ライセンス)
IP創出(Webtoon、ショートドラマ、キャラクター等)
IP海外展開(Web3、メタバース、海外ライセンス)
この事業セグメントを用いて、今期/短期/中期の計画を、しっかりと説明できる状態で可視化する事、その時間的推移も示す事を意識しています。
Missionに込めた想いを、事業として形にして、更に社会へもしっかりと伝えていくことって、本当に難しいんですが、やりきりたいなと思っています。
ちなみに、最近、友人でもあり投資家のXTech Venturesの手嶋さん(Mintoには投資してませんよ)と、ポッドキャストで対談させてもらった際に、僕は「手嶋さんからMintoやエンタメビジネスがどういう粒度で見えているのかな?」と考えながら話していました。話の入りは昨年から手がけ始めたショートドラマからですが、そこを起点に広くエンタメ全般の話をしています。
そこで、手嶋さんが「IP」「IPビジネス」という概念/単語で、Mintoやエンタメビジネスを理解/評価しようとしているのを肌で感じて、方向感として間違ってなさそうだと実感しました。ぜひ聞いてみてください笑
また、漫画・アニメなどのIPビジネスに加えて、Mintoで新規に立ち上げているショートドラマ(実写)や芸能がクロスする次のIPビジネスについて、以前記事を書いてますので、こちらもぜひお読み下さい。
志が同じ仲間をもっと増やしたい
IPビジネスは、日本から世界へ勝負できる数少ない産業です。そして、ユニークなのは、テクロジーによって旧来のビジネスや事業者をディスラプト(破壊)するのではなく、古き良きビジネス(と作品やコンテンツなどのIP)を補完し、再興できる事だと思っています。Mintoが"エンタメビジネスの「創る」「広げる」「売る」をアップデートする"と中期テーマに据えたのも、その点を意識しています。
Mintoは様々なエンタメのトレンドを追いかけながらも、Missionやコアバリューを軸に、長期視点で着実に事業資産を積み上げています。そして、これからは、トレンドを追う存在から、自らトレンドを作っていく存在にならなくてはいけないと思っています。
Mintoには、既に素晴らしいメンバーが揃っていますが、同じ志で一緒に働いてくれるメンバーは、まだまだ足りません。常に募集しています。
もちろん、メンバーだけでなく志の近い会社との経営統合なども、更に進めていきたいと思っています。Mintoの母体になっているQuanの水野とwwwaapの中川は経営統合までの数年間、一番のビジネス議論仲間(+飲み仲間)でしたから、まずは仲良くしてください笑
そもそも、自分で創っていた曲のレベルの低さに嘆きながら、せめて裏方からでも….と、コンピューター音楽誌の編集者から始まった、水野の社会人人生でしたが、気がつけば、様々な作品やコンテンツに携わり、様々なジャンルのクリエイターと一緒に、国内&海外(3法人+全世界流通)で仕事が出来ています。これはすごく楽しく幸せな事です。
楽しさを噛み締めつつ、今に安住せず、やり続け、Mintoを世界的な企業に成長させ、IPビジネスの産業価値を証明する。結果として、クリエイターに、社会に、貢献していく所存です。引き続きよろしくお願いします。
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