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「人とつながる」ということは「自分とつながる」ことである

12/1に日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム(SIF2019)に登壇いたしました。

会場はこんな感じです。

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タイトルは「私たちのおひとりさま計画」となっていますが、大きなテーマは「ひとりで生きることとはどういうことか?」だと考えていました。

まず、認識してほしい「日本のソロ社会化の現実」についてお話しました。著書などで繰り返しお話していることですが、まだまだ認知されていません。

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20年後の日本は、「人口の5割が独身となり、世帯の4割が一人暮らしで、結婚しても3割が離婚し、家族で暮らす人たちは2割となり、毎年150万人以上の人たちが死んでいく多死社会」となります。

その中で生きる私たちが考えないといけないこととは?

絶対に沈まない船はないってことです。かつて人々に安心を提供してくれた数々のコミュニティがありました。地域(地縁)コミュニティ、職場(職縁)コミュニティ、家族(血縁)コミュニティがその代表例です。

しかし、そうしたコミュニティは崩壊しつつあります。すでに、都会では地域コミュニティは存在しなくなっているし、かつて擬似家族として機能していた職場も、単に働く場だけになっています。そして、そもそも、家族というものが非婚によって作られなくなっています。作られたとしても、3割は壊れます。

そうした現実の中で、私たちはどう生きていくのか?

そのあたりについて詳しくお話しました。

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ひとつの視点として、コミュニティという概念そのものをパラダイム転換すること。コミュニティとは所属するものではなく、接続するものとしてとらえる。

所属するコミュニティから、接続するコミュニティへ(本noteでも何度か紹介しています)。

接続するコミュニティ

まさに、こういうイベントに足を運び、話を聞き、自分でも話をする、それもまたひとつの「接続するコミュニティ」です。

「所属するコミュニティ」のように長期的に継続するものである必要はありません。刹那でも一期一会でもいいんです。無理に友達とか作る必要なんてないんです。


そして、最後にもっとも伝えたかった「人とつながるということは自分とつながる」というお話。

これは、拙著「結婚滅亡」にも書きましたが、孤独と孤立の大きな違いにも関係します。

周りにたくさんの人がいるのに、寂しく感じてしまう人いますね?ネットでは多くの人たちとのつながりがあるのに、「私は孤独だ」と感じてしまう人もいますね?

どうしてだと思いますか?

それは自分とつながっていないからです。

人とつながるということは友達を作ることではありません。誰かと接することで生まれるはずの新しいあなた自身を自分の中に生み出すことなんです。誰かとつながればつながった分だけ、あなたの中には新しいあなたがどんどん生まれてきます。自分の中の多様性が生まれます。八百万(やおよろず)の自分で自分が満たされます。

「孤独を悪」だと決めつけて、ことさら恐ろしいものだと言いたがる学者などがいますが、そういう人ほど孤独なんです。心が寂しいんです。孤独だ、寂しいと感じてしまうのは、まさに「あなたの中のあなたが足りない」からです。

あなたの中にあなたが充満していれば、たとえ物理的に一人でも孤独感なんて感じません。

自分はたった一人だ、唯一無二の存在だ、なんてことは考えないでください。あなたはたった一人の何者か、なんて定義づけられるほど単純なものじゃないし、そもそも核となるアイデンティティなど存在しません。そんなものに縛られるから窮屈になるんです。

しかし、それはあなた一人だけでは絶対にできません。新しいあなたを生み出すためには、誰かとの接点が必要なのです。そのために「接続するコミュニティ」の点を多く用意するべきなんです。

そんなお話をしました。

それを一枚のグラレコにまとめたのがこちらです。

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また、みなさんの感想には、うれしいコメントがたくさんありました。

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ツイッターにもこんな感想を書いてくれた人もいました。

今回は、街ing本郷の長谷川さんとキッチハイクの山本さんとご一緒させて頂きました。ありがとうございました。ご来場いただいた皆様、終了後お話させていただいた皆様、ありがとうございました。ファシリテーターの岡さん、ありがとうございました。

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見つけるのは居場所じゃありません。たくさんの点とのつながりから、新しいあなた自身を生み出すことです。

足りないのは友達じゃありません。あなたの中のあなたが足りないのです。

寂しいのは周りに人がいないからではありません。あなたの心にあなたしかいないから寂しいんです。

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。