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緊急提言:政治も「サブスクモデル」にしてみよう

お疲れ様です。uni'queです。

都知事選、コロナ禍やオリンピック対応、そして「怖いよ…」っていうほどのノンフィクション本が出たりと色々とissueがあったので今回はさすがに注目度高いよね!と思っていたのですが、

終わってみれば投票率55.00%、小池さんぶっちぎり、と直前までのSNSのざわつきが嘘のような結果でした。


ひどかった、露出合戦!

個人的に、今回、候補者の選挙広報についても色々と思うことがありました。

選挙に出てない人の写真を勝手に使って並べてみたり、人気のある政治家にあやかったり、果てはマスクをブラジャーにしたり…

政見放送でも放送禁止用語や幼稚な政策を連呼するなど、あれ?YouTuberかな?と思うような様相を呈していました。


政治に興味をもってもらう、裾野を広げるという意味では広報的な施策としてはわからなくはありません。ですが企業が露出KPIを重視しすぎて、バズりたがってむしろ本質や中身から目が逸れてしまうっていう本末転倒ぶりと似ています。

「裾野を広げる」というのはレベルをさげる、ということではありません。よくいうのですが、マーケティングなどで「顧客視点」といいながら顧客を消費的に「ハック」しようとするのはリスペクトを欠いていて、むしろ相手を馬鹿にしていると思うわけです。


とはいえ、今回一番ハックに成功したのは、直前で記者会見打ちまくって圧倒的にImpをとった小池百合子さんでした。


えっ、「約束」って守らなくていいの?

さて、常々思うのですが、日本というのは不思議なことにすごい入口主義です。大学とかでも「入試」にはめちゃくちゃ力を入れるけど、入ったら対して勉強しないし、それでも卒業できちゃう。

政治も一緒で、選挙の時にはもうめちゃくちゃ努力をするわけですけど、通ってしまうと議会でも居眠りしちゃう。すごい不思議なことは、任期おわって次期への公約をする時に、その約束がどれだけ実現したか、っていうのをほとんど「振り返り」しないんですよね。これ、プロジェクトマネジメントで言ったら一番よくないやつです。


小池さんでいうと、「待機児童ゼロ」 「介護離職ゼロ」「残業ゼロ」「都道電柱ゼロ」「満員電車ゼロ」「多摩格差ゼロ」「ペット殺処分ゼロ」などなど、色んなゼロをかかげていらっしゃったのですが、コロナ禍でもすら満員電車だったわけで、まあなかなかに実現されていないのですが、それも「ゼロ」クリアされてしまったのか、具体的な数値目標も「ゼロ」で「グレーター東京」を目指されることになりました。


じゃあ、ぶち上げたもんがち?

勿論「約束」は、どれくらい守ろうと努力しても、守れないことってあります。でも、その時、やっぱり「ごめんね、ここ直すね、次頑張るね」っていうの大事だとおもうんですよね。反省があるから前に進める。

そういうのなしに次々「空(から)約束」を繰り出していいなら、もうすごいことぶちあげちゃったらいいわけじゃないですか。その方が「すげー!」ってなるわけなので。でもそれ、ハナから守る気や実現できないことを言っていいなら、それって「詐欺」とか「詐称」ですよね…


入口だけ目立ったりバズったり「出来もしない約束」をぶち上げた人が優位になるなら、誠実に政治する人が減ってきてしまいます。

でも、だから、僕がいいたいのは「だから政治はだめだ」って言うことではないんです。そうではなくて、もっと誠実さや「内実」が評価される仕組みが必要なんじゃないかと思うんです。


Wow!よりハマりでバリューを測ろう

以前、こんな記事を書きました。

僕はサービスとか事業を長いことやっているわけですが、事業の価値にはInitialな「Wow!」っていうバリューだけでなく、もっと継続的にじわじわと価値を感じていく「ハマり」っていうバリューがあります。

最近「サブスク」というワードをよく聞きますし、自社でもサブスクサービスをやっていますが、これまさに「継続」課金で、ながーくお付き合いしていくものなのですね。


ところで、bosyuの石倉さんがこんなツイートをされていました。

おっしゃるとおりで、まさに政治って強制徴収のサブスクなわけですよ。


で、サブスクの場合、そのKPI(成果を評価する指標)は買い切りのビジネスとはまったくちがうんですね。

買い切りモデルの場合、「購入数」や「獲得数」が大事です。要はいかに興味をもらって買ってもらうか、っていう「点」の関係なんです。

一方、サブスクの場合に最も重要なのは「解約率」や「MRR」。使っていて「思ってたのとちがうな」とか「なんか最近これなくてもよくなってきたな」となると辞められてしまうので、継続的に満足度を維持していく、いわば「線」の関係なんですね。


政治の仕組みを「サブスク化」する

本来、「住民の生活」に寄り添いながら「継続」的にバリューを測るべき政治が、前述のように「露出合戦」や「公約ぶち上げ」など、Wow!勝負になっている。

これを是正するには、「解約率」を測るサブスクモデルにシフトすると良いのではないかと思うのです。

具体的には、今回の選挙の結果って(冒頭の日経記事より引用)、

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こうなっていたわけですが、


まず、小池さんで走ってみる。しかし月イチくらいで「小池知事に継続課金するか」の意思確認をする、もしくは、任期中に「おもてたんとちがう…」とか「あら、こらだめだわ…」ってなったら「解約」の意思表示をする。

で、「継続拒絶」や「解約」分を得票から引いていく。これが2位の宇都宮健児さんを下回った時点でチャーンアウト、つまり知事をスイッチするわけです。


これによる効果は大きく三点あります。

1つ目に「公約ぶち上げ合戦」じゃなくなる、ということ。やれもしない計画をぶちあげるとその実現が難しくなり、事後の解約が増えますから、ちゃんと適正な公約を出すようになる。

2点目に、これが一番大事ですが、「政策実行」に政治家が最も注力するようになる、ということ。「解約」されてはたまらないので、解約されないように実行を必死で頑張る、ということですね。こちらが本分ですのでどうぞ宜しくお願いいたします。

そして3点目。これは有権者の政治関心が向上する効果です。よく言うのですが、いま生活者の消費動態は変化してきていて、「選ばない時代」になってきています。昔は「買い物がストレス発散」といわれ、吟味に吟味を重ねて一点を選ぶのが楽しみだったのですが、情報過多かつ供給過多でむしろ「買い物がストレス」になっている時代です。

こんな時代に、「選挙」という「点」の仕方で「選べ」と言われても、楽曲すら買わないサブスク世代には無理があります。それよりも使い始めたあとで「解約」できる、「解約」によって投票できる仕組みのほうがフィットするのではないでしょうか。


日本の政治はいよいよ深刻な局面になってきました。

政治への意識、そして意識を高めることも重要ですが、仕組みを変えることも検討してよい時期が来ているのではないでしょうか。

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