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アウトプットを最大化するための「10倍の準備」

私が社会人になった頃から父が伝えてくれている教えで、今でも大切にしていることがあります。それは

"一つのことを成し遂げようと思ったら、その10倍の準備が必要である。"

というメッセージです。この父からのシンプルなメッセージは、長年にわたり、私の生き方や仕事におけるの1つの指針となっています。

今回は、この父の教えが私の生き方や仕事に対する姿勢をどのように形成したか、また、準備の力を取り入れることが、目まぐるしく変化し、スピードが求められる現代社会においてどのように役立つかを紹介したいと思います。

スピードの速い現代における「準備」の価値

私たちは、急速に変化する環境に生きています。特にこの3年間はコロナ禍の影響で働き方、生き方においてもオンライン活用・リモートワークの普及による大きな変化が起きました。このように変化のスピードが激しい環境においては、準備に時間を掛ける事は場合によってはリスクと捉えることもできます。当然、プロジェクトの内容やマーケットの状況によっては、考えるための時間を掛け過ぎることは、アウトプットまでの時間が掛かることを意味し、ビジネス上の機会損失につながる可能性があります。
しかし、状況に応じてどのような「準備」をするかを考えて動くことが重要だと考えています。

基本的な姿勢としては、質の高いアウトプットを出すには十分な準備をすることが、成功と失敗を分けることになると考えています。1の結果を得るために10の準備をすることは決して簡単なことではありません。しかし、自分のチャレンジのために十分に準備することで、考えが煮詰まるので質が上がります。また、意思決定のための選択肢も多く用意出来るので、精度の高いアウトプットを出せる確率も高まります。そして、しっかりと考えることで自分のアウトプットに対し自信を持つことが出来るのです。

私の「準備」

仕事をする上で様々な「準備」をする機会が日々あるのですが、その中から1つ具体的な準備の例をご紹介したいと思います。

私は登壇者を迎えたトークセッションでファシリテーションをさせていただく機会が多いのですが、トークセッションの準備にはしっかりと時間を取るようにしています。

トークセッションの場合には、登壇者が本を執筆されている時にはその著作は必ず読むようにしています。また、インタビュー記事があればしっかりと目を通すようにします。その上で、これまでにインタビューで良く聞かれている話は極力聞かないようにします。イベントに参加してくださっている人にとっても既視感のある話は聞いていても面白さを感じない可能性がありますし、何より登壇者も「いつも聞かれる質問」だと、スラスラと答えることは出来ると思いますが、熱量が上がりづらいと考えています。トークセッションは登壇者の熱量を上げていけると良い時間を生み出すことが出来ます。そのために登壇者の「これまで」をしっかりと知る「準備」に時間をかけます。

また、イベントの空気感は登壇者だけでなく参加者の反応によって作られていきます。なので、参加者がそのイベントに参加して何を得たいと考えているかをじっくり考えるようにしています。登壇者の記事が直近で出ている場合は、記事が取り上げているテーマなどを把握し、その登壇者がどのようなテーマで注目されているかは捉えるようにします。その上で、既に聞かれている質問ではない切り口を考えたり、より噛み砕いて分かりやすく話をしてもらうような質問を考えるようにしています。

特にコロナ禍に入った直後はオンライン配信の機会が増え、多い時では1日に3-4回のトークセッションの配信がありました。そのような状況になると、1つ1つのイベントの準備の時間を十分に取ることが難しくなります。それでも出来る限り上述の準備をするようにしていましたが、掛けられる時間はどうしても短くなってしまいました。しっかりと準備が出来ない状況では、参加者そして登壇者に対して申し訳ない気持ちも強くなりますし、自分の中で十分に満足出来るファシリテーションが出来ないこともあり、イベントのファシリテーションをする頻度を調整するようにしました。

「準備」に関しては、人それぞれの方法があると思います。日本経済新聞に、海外からビジネス客を迎える時の準備についての記事があったのでご参考までにご紹介させていただきます。

効果的な「準備」をする方法

ではどのように「準備」をすると良いのでしょうか。準備の方法を以下のようにまとめてみました。

1.何のための準備なのか明確で具体的な目標を設定する

そもそも達成したい目標が何であるかを明確にしないまま動き始めてしまうと、どういう準備をすればよいのかも定まりません。まずは、ゴールが何か、誰のために、どのような結果を想定して動くべきのかなど、今一度目指している方向性、ゴールを設定しましょう。

2. タスクを分割する

目標が明確になった後は、その目標を達成するためのアクションをタスクごとに分解しておきます。そうすることにより、準備のためのアクションが明確になり動きやすくなります。

3. タスクの優先順位をつける

準備期間を最も効率的に使うために、タスクの優先順位を明確にし、結果に対し影響が大きいタスクを特定し、そのタスクから取り掛かるようにします。

4. 簡単な計画表を作成する

各タスクに掛かるリソース、期限をまとめた簡単なプランを作成し、整理しておくことで、アクションプランが可視化されるので抜け漏れを防ぐことが出来ます。

5. 継続的なインプットの機会を持つ

様々なプロジェクトや目標に対し、正しく準備をするためには日頃からの学び、情報のインプットが大切だと考えています。何かを準備する際に、短い期間しかないことは多くあります。その際に、ゼロから調べたりしていると間に合わなくなってしまいます。日頃から情報のインプットで引き出しを増やしておくことで効率的に準備をすることが出来るようになると考えています。

まとめ

"一つのことを成し遂げようと思ったら、その10倍の準備が必要である。"という教えは、私が大切にしている指針です。明確な目標を設定し、タスクを可視化し、管理可能なステップに分割することでアウトプットの質を最大化することが出来ます。そして継続的に学習・インプットすることで「準備」のスピード感と質を上げることが出来ます。この指針はビジネスだけでなく日々の様々な活動に活かしています。

このように、大切にしている指針があることで自信を持って判断し、アウトプットを最大化するために動くことが出来ます。皆さんも、ご自身の中にある大切な指針があるのではないでしょうか。是非この機会にご自身が大切にしていることを振り返っていただければと思います。

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