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婚活マッチングサービスの売上があがっても、結婚数は増えないカラクリ

日経ヴェリタス2020年12月13日号にあった記事で、コロナ禍によって、世界的に経済的な打撃を受けている中にあって、コロナなんのそのと成長を続けている企業が数多く紹介されていた。

その中に、日本にも馴染みのあるマッチングアプリ「ペアーズ」「ティンダー」といったサービスも取り上げられている。これらは、いずれもアメリカのマッチ・グループが提供しているものである。

婚活マッチングサービスの市場は日本においては急成長している。サイバーエージェント子会社のマッチングエージェントによれば、日本国内の婚活・恋活マッチングアプリの市場規模推移は、2017年258億円から2019年510億円へと2倍に成長している。さらに、今後の市場予測では、2025年には1060億円に達する見込みと発表されている。

しかし、マッチングサービスの売り上げが、2017年から2019年にかけて2倍になったとしても、肝心の初婚数は、2017年44万5672組から、2019年43万8912組と、増えるどころか逆に減少。果たして、これは婚活に寄与したといえるのでしょうか?

特に、婚活女性が「結婚できない理由」であげる要素に「出会いがない」というのがある。裏返せば「出会いさえあれば結婚できる」とも読めるが、こうしたマッチングサービスは「出会いの提供」をしているのだ。しかし、結婚数は増えない。

一体、なぜ、こうした現象が起きるのだろうか?それには、またしてもメディアが報じない「残酷な事実」があるからです。

それについて書いた記事がこちらです。

タイトルは「普通の男」云々とありますが、むしろ記事自体のテーマはそこではなく、マッチングサービスがどれだけ売上をあげていっても、結婚数は増えないし、未婚化・非婚化の解消には一切寄与しないというカラクリを書いています。

男女ともに読んでいただきたい記事です。

こんな感想もいただきました。

どのくらい地獄のようなことが書いてあるかは、ぜひご覧ください。書かれてあるのは地獄ではなく、現実の話です。



この記事はヤフーにも掲載され、本日の22時現在で377件もコメントが寄せられています。

こんな意見も寄せられました。

実際には婚活している女性でも"希望に沿う人がいなければ独身でも構わない"ってスタンスの人も多いのだから、"結婚したいなら身の程を知って分相応の男で手を打て"って指摘自体的外れだと思うけど。一般論として身の程を知ることは大切ですが、それはよく知らない相手から推し量られる類のものではない。

要するに、何も自分のことがわかっていないような結婚相談所の仲人ごときに「私の何がわかるというのだ」と言いたいのでしょう。

でもね、恋愛や結婚なんてものは他者からの客観目線で大体決まるのだからむしろ自分の事をよく知らない人の意見は大事。あなたの知らないあなたをその人の目は見ているのだから。大体「自分の事は自分が一番知ってる」なんて思いあがっている人間は、結婚どころか、そもそも人間関係に向いていない。そして自分の事も全くわかってない。


負け惜しみなのかはわかりませんが、よく婚活女性の中でこういうことを言う人がいます。「条件に合わないような男と結婚して、無理や我慢したりするくらいなら、一人でいた方がマシだ」と。

それもいいでしょう。でも、結婚に限らず、そもそも人との付き合いとは、期間が長くなればなるほど「無理をしたり、我慢をしたり」するものなんです。勿論、四六時中それでは困りますが、どんなに仲が良く、価値観が合う人間同士でも時々そうなります。結婚とは「私に無理や我慢をさせない相手を探す」ことではなく「自分も無理や我慢もするし、相手にも無理や我慢もさせていると自覚し、それでも一緒にいたいよね」という相手と日々の生活を共にすることではないでしょうか。

結婚だけじゃないけどね。人付き合いはみんな一緒。


最後に、記事を裏付けするような「恋愛強者男性の告白」も貼っておきます。

記事にもある恋愛強者の自覚ある男性で恋愛マッチングアプリ使ったことあります。この記事に書いてあるとおり総取りのような感覚はありました。ただ、マッチングアプリに登録している女性は”上位3割”がおらず、使っているうちに飽きてきて辞めました。結婚ができずに困っているのは20代の頃に彼氏が”たまにいた”レベルで恋愛結婚へのプライドが捨てきれない層で、10代、20代前半で恋愛できなかった女子は素直にお見合いにいくので比較的困っていないような気がします。

よく「これからは婚活マッチングサービスによって結婚が増える」などと宣う専門家がいたりして閉口するのですが、申し訳ないがそういうことを言う時点で彼もまた恋愛弱者であることがわかる。そういうアラカン世代の専門家はご自分が恋愛弱者であることを知らずに、自身が社会的な結婚のお膳立てシステムで救われた自覚がないのでしょう。恋愛強者男性なら、マッチングアプリほど都合のいい便利な道具はないと思うはずです。そして、それは結婚の道具では決してない。

マッチングサービスが悪なのではありません。そもそもそれらのビジネスモデルは、結婚を増やすことを志向してはいません。あくまで場の提供までです。そこを勘違いしては困ります。あれは、夢見る弱者から幸せに金を消費させてあげるという仕組みです。宝くじと同じようなものです。


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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。