企業が変化の波に乗るための最重要ポイント:チームの多様性とグローバル視点
あなたにとっての良い会社の条件ってなんですか?
この問いに対しての答えは一言で言うと「人それぞれ」となるでしょう。"良い"と感じるポイントは、会社のフェーズやその人自身のフェーズによっても条件は変わっていくでしょう。
今回、日経電子版のお題企画で #良い会社の条件 というテーマで投稿募集をしていたので、今回は自分なりに考えをまとめてみたいと思います。
一般的な良い会社の条件とは?
一般的に、"良い会社の条件"として挙げられるのは以下のようなものがあります。
高い給与や福利厚生:市場競争力のある賃金や、社会保険、退職金、有給休暇、育児休暇などの福利厚生が整っていることが挙げられます。
安定した職場環境:安定した職場環境や長期的な雇用が保証されていることが望まれます。また、職場の人間関係が良好で、風通しのよいコミュニケーションが行われていることも重要です。
キャリアアップの機会:スキルアップのための研修や、キャリアアップのための道があることが重要です。将来的なキャリアパスが明確に示され、自己実現や成長ができる環境が望まれます。
ワークライフバランスの実現:長時間労働や過重労働がなく、プライベートの時間を確保できる環境が整っていることが重要です。フレックスタイムやリモートワークなど、柔軟な働き方ができる環境が望まれます。
社会的責任の履行:企業が社会的責任を果たしていることが望まれます。CSR活動や環境問題への取り組みがある企業は、従業員のモチベーションアップにもつながることがあります。
これらの条件が整っている企業は、社員のモチベーション向上や生産性の向上につながることが多いため、従業員からの評価も高く、優秀な人材の採用や定着につながります。
なお、この"一般的な良い会社の定義"の5つの項目は今話題となっているChatGPTを活用し調査してみました。ChatGPTは一般論をリサーチする際には有効な回答が得られる印象がありますね。
"良い会社の条件"の変遷
上述の5つの"良い会社の条件"は最近の一般的(だと考えられる)条件ですが、会社に求める条件は時代によって変わってきています。
例えば上述の5つの項目の中で特に4の"ワークライフバランスの実現"と5の"社会的責任の履行"は近年より条件として求められるようになっている印象があります。
リモートワークが定着していく中で、働き方を見直す機会が増え、社員が働き方を柔軟に選択する流れは加速したように感じます。
また、社会的な責任の履行に関しても、最近ではSDGsへの取り組みをポーズではなく、しっかりと事業につなげて考えるよう企業も増え、企業の姿勢がユーザー獲得、販売増加のみならず社員の採用、その企業に所属することへの誇りにつながる重要な要件となっています。
その他にも私が社会人になった20年強前と比較すると、テクノロジーの進化は目覚ましく、業態にもよりますが多くの企業はテクノロジーの進化に対して対応しているかどうかは良い会社の条件になっていると考えられます。
このように良い会社の条件はビジネスを取り巻く環境はもちろんのこと、社会環境や世界情勢の移り変わりによっても変化していきます。
"私にとっての"良い会社の条件"
これまでに一般的(だと考えられる)良い会社の条件について考えてきましたが、自分自身にとっての良い会社とはどういう条件があるのかを考えてみたいと思います。
1. 多様性を歓迎する : ダイバーシティに対する世の中の認識もこの10-20年で大きく変化したことから、良い会社に求める条件として、多様性を受け入れているかというポイントは重要になっているように思います。この考えはPeatixのコミュニティガイドラインにもコミュニティ軸で記載されているのですが、私個人の考え方としても、企業に求めるものとしても、多様性を受け入れることで ものごとをさまざまな視点から考えることができます。そして、意見の違いや違和感を大切にし、それを伝えあえる企業(コミュニティ)は変化にも強く、メンバー同士のつながりも深くなります。そして、お互いの価値観を理解し共感することで様々な状況の変化に対応できる柔軟なチームになっていくと考えています。
2.グローバル展開 : 弊社Peatixも日本で創業した企業でしたが、創業して間も無く本社を米国に移し、アメリカ、シンガポール、マレーシアなど様々な国々でPeatixのビジネスを立ち上げていきました。もちろん良いことばかりではなく多くの失敗もしておりますが、グローバルに展開することにより世界各地から素晴らしいメンバーがPeatixにJoinしてくれました。1の多様性にもつながっていきますが、グローバルに展開することにより、多様な素晴らしい仲間が見つかる可能性が高くなるのです。
そして、もちろんビジネス的な観点で考えても日本のマーケットサイズだけで考えるよりもグローバルのマーケットをベースにビジネスを考えた方が成長の伸び代はずっと大きくなります。これかの時代の企業にはグローバルを意識した動きをしているかどうかは大きな条件の1つになると考えています。
3.結果を出す : そしてこれは自戒も込めての考えになりますが、どれほど素晴らしいチームを作っても、ビジネスとしてしっかりと結果を出さなければ当然チームは解散せざるを得なくなります。正しく動いていれば結果はついてくるという考えもありますが、特にスタートアップは生存という観点で時間的な余裕はないので、スピード感を持って結果を出すことにコミットしているかは重要なポイントになると考えています。そして結果をスピード感を持って出していくためには、各プロジェクトのオーナーシップが明確になっていることや、間違っていることを間違っていると言える社内の空気感になっているかなど多くの要素が絡んできます。そうした様々な要素にしっかりと向き合いながらも、企業体として動く以上はしっかりと結果を出すこと。この部分をベースに進む企業であるかどうかは大事な条件だと考えています。
まとめ
良い会社に求める条件は、企業の形態・状況、その人のフェーズや時代環境によっても異なっていきます。大切なことは、ビジネス環境の変化や世の中の価値観の変化をしっかりと捉えること、そしてその捉えた変化に応じて、その会社自体も変化していけるかどうか。そのことこそが最も大事な条件ではないでしょうか。
「このやり方でうまくいっていた」と考え、時代が変わっても以前のやり方に固執しているようでは、良いメンバーも集まってきません。
変化の激しい時代だからこそ、変化を捉え、自分たち自身もその変化に対応していけることが大切なのです。