20代のうちに意識するだけでパフォーマンスが劇的に向上する、仕事をする上で大事な心得16
皆さん、こんにちは。今回はこちらのお題企画、「#仕事の心がけ」について書かせていただきます。
2年前から始めたこのnoteですが、学生の皆さんや当社の若手社員によく「読んでます!」と言われることが増えました。普段投稿しているテーマ的には、企業の人事や管理職の方が多いのかもしれないと勝手に想像していましたが、意外と若い方に読まれていると知り、今回は20代向けに、私が仕事をする上で大切にしてきたことをいくつかご紹介しようと思います。
私自身が大事にしていることは、自分の経験から学んだことよりも、これまでの先輩や同僚、上司、他社の経営者から直接かけていただいた言葉や、背中を見て勝手に学び取ったことがほとんどです。
今の20代の方は、情報収集能力にも長けており、デジタルリテラシーも高い世代です。これまでの社会人の先輩たちが、もしかしたら長い下積みの期間を経て人脈やネットワークを駆使しながらコツコツと習得してきたことを、あらゆる手段を使って瞬時に情報を集め、自分にとって必要なものだけ取捨選択して取り入れ(“コピー”して)、その中で自分なりに“編集”しながらオリジナリティを出していけるような世代だと思います。
この投稿がそんな皆さんにとって、何か少しでもヒントになることがあれば嬉しいです。
■仕事の心得<特に20代に意識してほしいこと>
1、リスクをとって大きなチャレンジをする
若いうちにリスクをとって大きなチャレンジをすることは、仮に失敗したとしてもそこから学び、軌道修正することで次のチャレンジにつなげることができるため、非常に重要なことです。失敗することから逃げずチャレンジの数を積み重ねることは、確実に将来の自分自身への投資につながります。仮に「大きな挫折経験がないまま順風満帆に人生を送ってきた人」と「失敗経験がたくさんあるが、まだ大きな成功に結び付いていない人」がいたとするならば、後者の方が社会に出てから大変なことを経験しながらも折れずに才能を開花していける可能性は高いと思います。
2、とにかく意思決定の場数を踏む
意思決定に必要なのは、強い意志と勇気だと思います。誰もが「決める」ことは怖いもので、特に正解がないものに対して覚悟を持って決めるということは、想像以上に難しいことだと思います。ですが、若いうちに「決める」経験をたくさんしてきた人は、変数が多く不確実性の高い出来事や変化に直面した時にでも素早く対応ができ、周囲が決めきれずに情報を集めているうちに先手を打ち、大きなチャンスを手にする確率も高まるはずです。もし、今の環境が自分で何かを決める経験が全くないのであれば、自らその環境を変えていく必要もあるのではないかと思います。大事な点は、いろいろ悩んだ結果に最後は「覚悟を持って決める経験をできるだけ多く積む」ことです。当然、周囲にその決断の意図や背景、理由を説明・説得し、やり抜くこともセットで必要です。
3、大きな目標を掲げる
「小さな目標を掲げて確実に達成」するよりも、「大きな目標を掲げて未達成」の方が、結果は未達成であっても、それに向けて動いたことで何かしら大きな成果が生まれます。それは来月につながる成果かもしれないし、1年後につながる成果かもしれません。達成をし続けるという“勝ち癖”をつけることは大事ですが、だからといって大きなチャレンジをしなくなってしまうと、気づかぬうちに壮大な目標を掲げて愚直に努力し続けている人との差は広がっていくと思います。
4、価値を生み出すことが、仕事の本質的な意味
「上司や先輩に指示されたことだけをやる」「目の前のタスクを処理していく」というのは、実は“仕事”ではありません。何かしら価値を生み出して初めて“仕事”だと、私自身も教わりました。たとえば「人がやっていた仕事を引継ぎ、10倍の売上にした」というものもそうですし、「同じ仕事を効率化させる仕組みを作って十分の一の時間やコストで対処できるようにした」というものも該当します。または大げさなものでなくてもよくて、「社員が気持ちよく働ける環境を整えた」とか、「取引先の顧客に別のツールでコミュニケーションをとることを提案した」とか、自らが考え、工夫を凝らし、アイディアを絞って発想したことを行動に移し、チームや組織にとってプラスに働くことを実行すること、新たな価値を生み出すことが、本来の仕事です。そう意識するだけで、最低限やらなければならないことだけを対応して、仕事をした気になっている状態から脱却することができるはずです。
5、自分で仕事の範囲を限定しない
「自分の仕事はここからここまで」と、無意識に線引きをしてしまうことはよくあります。勝手に限界を定めず、むしろ他者の仕事を奪うくらい“越境”して、積極的に仕事を取りに行く姿勢が大事だと思います。また、今自分が向き合っている仕事が本当に必要なのか、どんな意味があるのかなどと悩むことがありますが、仮に本当に不必要なのであれば捨ててしまえばいいし、必要だと思ったら一見その仕事に魅力を感じなくても、自分でその仕事の意義を意味付けしていくことが重要ではないかと思います。いずれにしても、自分の仕事を広げていくことも、意味を見出すことも、全て自分次第です。
6、実力以上の結果を出すためには、強みを磨く
何か突出した強みを持っている人は、チームや組織の中でも希少価値を発揮しパフォーマンスを高めることができますが、強みを複数持っていればいるほど、もともと持っている能力が掛け合わさって実力以上の結果を引き寄せることが可能となり、さらに市場価値は高まります。時代や環境の変化とともに、求められる強みやスキルはどんどん変化していきますが、常にアップデートし続けられる人が、どの組織からも求められる人です。
7、複数の視点を持ち、必要に応じて繋ぎ合わせる
全く何もないところから斬新なアイディアは生まれませんが、何かと何かをくっつけたり、何かから何かを取っ払ったりすることで、これまでにないような発想が生まれます。このように、自分が既に持っている知識や経験からのみアイディアを引き出していくのではなく、別の人の知識や経験を取り入れ、それをつなげて思考するというような、二つ以上のものを結びつける力を身に着けることが大事ではないかと思っています。常に自分の中にない視点を取り入れようとする努力が大切です。
8、常識に囚われず、自由に発想する
何かに没頭していたり、目の前の仕事をこなすことに一生懸命になってしまうと、知らないうちに視野が狭くなり、限られた範囲でしか発想できなくなりがちです。そういう時こそ、あえて別の人の視点を自分の頭の中に入れ、別の角度から物事を見ようとすることが大事ではないかと思います。「“普通”はこうだから」「以前からこうしているから」「周囲の人がこうやっていたから」という常識や前例主義に囚われずに、全く違う人だったらどう考えるかを常に意識すると良いと思います。
9、自分の考えや立場に固執せず、変化を常態化する
自分の損得勘定に敏感な人ほど、自己中心的でチーム視点に欠ける行動をとりがちです。「自分さえよければ良い」「人を陥れたとしても自分の成功を手に入れたい」という人は、結果的に大きな成功を収めることはありません。過去の成功体験や自分の立場、評価、考え方、価値観などに固執せず、組織視点で何が最善かを考えて行動することが大事で、そういう人にこそ大きなチャンスが巡ってきます。また、「今のままがいい」という“現状維持”は後退の始まりです。小さな変化を常態化し、変化を喜んで受け入れる姿勢を持つと、時代や環境への変化対応力も自然と上がっていきます。
10、良い時も悪い時も真摯に向き合う
個人のモチベーションやコンディション一つとっても、良い時もあれば悪い時もあるのが自然ですが、それと同じように、仕事をしていく上では良い流れと悪い流れはどちらも確実に訪れるものです。スポーツと同じように、実力が同じくらいのチームが戦ったとしても、その時の試合の流れやチームの雰囲気で勝敗は変わってきてしまうもの。
良い時だからといって調子に乗らず、悪い時だからといって後ろ向きにならず、時には流れに身を任せて「今は耐える時期だ」と思って、耐えることを覚悟で仕事に向き合うことが大事ではないかと思います。
11、自分の言動に一貫性を持たせる
たとえば、社員の行動に対してある時は褒めてある時は叱責する、または同じことをしても一人には厳しくあたるがもう一人にはそうしないなどと、言動に一貫性がないと一緒に働く仲間の中で不信感が生まれます。組織の方針策定や社員に対する言動に一貫性を持ち、その場その場で感情的に立ち振る舞わないようにすることは、チームをまとめる立場の人ほど大事にすべきことだと思います。
12、常に誠実さと低姿勢を忘れない
世の中には成功や名誉、報酬、重要な役職や肩書きなどを手にした瞬間に急に態度が大きくなり、人を見下したり批判し出す人が多いです。常に低姿勢で謙虚な気持ち、相手を思いやる気持ち、誠実さを持ち、どんな人に対しても一貫した態度をとることは、個人やチームで成果を出していくためにも、会社を成長させ続けていくためにも重要なことだと思います。上から目線の人は、どこかで必要以上に敵を作り、重要な場面で足元をすくわれてしまいかねません。
13、耳の痛い言葉を受け入れる勇気を持つ
年齢や経験を重ねるほど、本気でアドバイスをくれる人は貴重になっていきます。叱られること自体がどんどん減っていきますが、大きな成果を出して調子に乗ってしまいがちな時ほど私自身はあえて苦言を呈してくれる人に会いに行くようにしています。自分にとって不都合な声や耳の痛い言葉にこそ真摯に耳を傾け、課題点や伸びシロをしっかりと自覚することが、長期間にわたって成長を鈍化させないポイントです。
14、潔く責任を取る
いざという時に責任逃れをしたり、他の人に対してミスや失敗を責めるような人は組織のリーダーにならない方が良いと思います。仕事をする上で、できない理由を挙げればきりがない場面が多々ありますが、できない理由よりもどうすればできるようになるかを考え、結果を出すために最善を尽くすことが求められます。リーダーであれば部下のやる気を引き出し、裁量を与え、自由に仕事をしてもらって、その分自分は潔く責任を取るという姿勢を持つことが大事ではないかと思います。そういうリーダーにこそ、人はついていきます。
15、論理的に訴えるより心に訴えかける
人は論理的に説明されるよりも、心に訴えかけられて、感動や喜びややりがいや共感を得る方が、よほど仕事をする上で原動力やモチベーションになるものです。社員の多くが熱量や熱意を持って仕事に取り組む状態を構築できれば、その組織は自主的に創意工夫をしてより良い組織を作っていくこともできます。理屈だけで人を動かそうとしないことが重要で、“情熱”と“冷静さ”を併せ持つことを意識すると良いと思います。
16、できるだけ長い時間軸で物事を考える
目の前の仕事に追われていると、ついつい近視眼的になり、中長期で物事を考えなくなりがちです。特に予測不能で変化のスピードの速い昨今においては、瞬時に意思決定を求められることも増え、熟考すること自体が減っていきます。そのような流れの中で、あえてできるだけ長い時間軸で考える機会を意図的に取ることが大事で、優秀な人ほど10年~30年先を常に見ている印象です。
■経営の心得
最後に、つい最近のこちらの記事ですが、十時副社長の言葉をご紹介します。
特に印象的なのは、「経営の要諦は勇気と忍耐にあり」という言葉。
リスクを見極めた上で意思決定する勇気を持ち、逆風や矛盾があっても忍耐力を持って耐え抜くことが、経営に携わる上で重要であるという言葉は、非常に重みがあります。
「配属ガチャ」「上司ガチャ」などという言葉もある通り、働く部署や業務内容、勤務地、働き方、上司などは希望を出すことはできても、いわゆるくじ引きのように当たりはずれは出てしまいます。そのようなリスクを極力最小化しようと、自律的なキャリア形成が可能な企業を選ぶ人が増えており、「石の上にも三年」理論(終身雇用の大手企業は石の上にも三十年?)は崩壊しつつあります。
そんな中、「我慢をすることが美徳である」とは言いませんが、仕事をする上で「意思決定する勇気」と「逆風や矛盾に耐え抜く忍耐」は欠かせないものであると考えています。
今よりもほんの少しの勇気と忍耐が、自分が本当にやりたいことや、この先どのように人生を送りたいかを深く考え、導いてくれるきっかけにもなるかもしれません。うまくいかないことがあっても逃げずに正面突破し続けていれば、その分何かを得る確率は高まるはずです。