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つくりたい社会へ少しだけでも。買い物は投票なのだ #エコ消費

『また来ちゃったよ。こんな大荷物で・・・。』
わたしは宅急便の方から荷物を受け取って、がっかりした。

少しずつ肌寒くなる季節だったということもあり、私はオンラインショッピングサイトで、国内下着メーカーの腹巻きを1点購入した。

商品のサイズとしては、フェイスタオルぐらいの大きさなので片手で握れる程度。そもそも100%布なので配達中に商品が揺れたとしても割れたりしない。

しかし、私が注文したその小さな商品は、大人が両手で抱えないと持てないぐらいの大きなダンボールに入っていた。そして、中をあけてみると商品が配達中にずれないように大量の紙にかこまれていた。

説明書も入っているが、そもそもいらないと思う、だって腹巻だし。(何か必ず確認しないことがあってもネットで読める)

この商品を受け取りながら、わたしは「またゴミを増やしてしまった」という小さな罪悪感を抱いた。

気が向いたらマイボトルなどを持ち歩き、ゴミを出さないようにできたらいいなと思っている私からすると、小さな腹巻きを運ぶために、過剰に必要とされたダンボールや紙は、無駄なものとしか見えなかった。

そして、荷をほどきながらも、それを捨てるための自分の行動や、運んでくれるゴミ収集の方、更には再利用するためのエネルギーなどを考えると、もう少しエコに売ってくれないものなのかと、その企業を切なく思い浮かべていた。

買えない世代の私たちにとって、消費は投票なのだ

私たちミレニアル世代は、前の世代と比べて消費欲がない。「買わない世代」と表現れること多い。以前の世代と比べても所得も少ないし、終身雇用が崩れ行く社会で収入が、右肩上がりになっていくとも考えられないから、堅実派が多く、貯蓄の傾向も高いと言われている。※若者の消費傾向(消費者庁調べ)

「買わない若者たち」だからといって、ミレニアル世代が、安いものばかりを購入しているのかと言うとそうではない。ミレニアル世代は少ない予算しかないからこそ、その予算をより賢く使いたいという意識を持っている。

自分が購入しようとする商品は、どんな思いで生産されて、商品が届くのかなどをインスタやWEBで詳しく調べ、口コミもチェクしてから、ようやく購入する。(選挙に行かない世代なのに、この行為は投票者を決める流れと一緒だ)

物が溢れている時代、クリックひとつで何でも変える時代に生まれているからこそ、自分たちの欲しいものは、かっこいいおしゃれであることはもちろんだが、それを購入した先に、あわよくば、今より少し良い未来があってほしいと思う。少ない予算だからこそ、一つひとつの消費を大切にしている。そう、ミレニアル世代にとって、消費は共感する世界への投票なのだ。

大好きな投票先は、アウトドアブランドの『パタゴニア』

私が共感する世界への消費と思って真っ先に思い浮かべる企業は、パタゴニアだ。今となってはありきたりすぎるが、登山が趣味だった私は、23歳のときに「パタゴニア」のウェアがほしい!それしか買わないと決めた。

なぜなら、デザインがおしゃれなのはもちろんだが、購入した服はずっと修理し続けてくれるし、購入費用の1%は、地球保全のための寄付金に当てられるということで、大好きな山にも恩返しができるからだ。当時の私にとってはすごい高価な買い物だったけど、一年に数回、背伸びをして購入していた。

例えば一番ほしかったのは冬に着れる防寒ウェア。お値段はなんと税抜8万。当時住んでいた家の家賃とあまり変わらなかった。

それでも、私は、少し(いやいや、かなり)高いけど、この費用でお世話になっている山を少しでもきれいにできるし、何よりこの服を生涯、着続けられるなら後悔しない。

そう思って、お店で何度も何度も試着して、汗をかきながらレジに持っていき、エイャーと人生初のボーナスで購入した。

(写真:23歳のときに購入し10年着続けている防寒ウェア)

そんなパタゴニアでは、持ち帰り袋廃止もスタートする予定とのこと。

このような取り組みを他の企業で先駆けてやっているところが、更に消費者(ファン)としては、消費を通じてパタゴニアの作る世界を応援しているわけなので、自分ごとのように嬉しくなる。


共感を得る企業は、再販(シェア)市場でもよく売れる

「地球のために」そんな思いをつづったが、そんなきれいな気持ちばかりで商品を選んだんでいるわけではない。小さな下心もあったりする。

ミレニアル世代は物を「所有」するのではなく「シェア」する世代ともいわれている。新品を所有し、ずっと持ち続けるのではなく、新品も中古も必要な時に必要なだけ借りればいいと思っている。

そんなシェアを前提とした「再販市場」では、共感を集めるエコブランドは、よく売れる。例えば、メルカリなどの再販サイトでは、何度でも修理して使えるパタゴニアのブランドはあっという間に売れる。そしてあまり値崩れしない。

メルカリと三菱総合研究所が行った調査でも、所得が少ないミレニアル世代は、再販(シェア)前提で商品を購入するため、安くてすぐ捨てる必要があるものではなく、少し高くてもいいものを買う傾向にあると言われている。※以下「シェアリング時代の消費モデル」調査記事

共感する世界へ。買い物は投票だ

星の数ほどの選択肢をもつ消費者が、自分の自身の少ない予算の中で、購入したいと思うもの。それは、便利、かっこいい、おしゃれというのは当たり前で、さらにその先に、少しだけよりよい社会をイメージできる商品だ。

自分の半分ほどの年齢であるグレタさんが行動する報道を見るたびに、あんなにストレートに行動は出来ないけど、小さな力でも自分になにかできることがあればいいなと思う。

小さなことだけど日々の消費で、作りたい世界を作ってくれている企業を応援したいと思う。

そんなことを思いながら、私はこれからネット通販の際に「過剰な包装は不要です」という一言を書き加えようと決意した。

本当に小さなことかもしれないけど、その力はゼロではないはずだから。


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※今回は以下#エコ消費のお題について考えてみました。リレーということで次はどなたかにバトンをパスしたいと思います。


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