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睡眠不足大国・ニッポン 年15兆円の経済損出は回復できるか

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

みなさん、最近よく眠れていますか?わたしのモットーは「良い仕事は良い睡眠から」であり、どんなに忙しくても最低7時間の睡眠を確保するよう心がけています。以前、こんな記事も書きました。

いわゆるショートスリーパーと呼ばれる、睡眠時間が難しくても問題ない方もいるようです。しかし、実際のところは昼間に集中力が大幅に低下して脳が半分寝ているような状態になったりして、無意識化で体が帳尻を合わせようとしているとも聞きます。日本は世界的に見ても平均睡眠時間が短く、6時間に満たない人が男女ともに4割ほど存在しているというデータもあります。

経済協力開発機構(OECD)の2021年版調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、調査対象の33カ国で最下位でした。

大人は特に睡眠時間が短いようです。厚生労働省の調査では成人男性の37.5%、女性の40.6%が、睡眠時間が6時間に満たないといいます。専門家は6時間でも足りないと指摘しています。米国の国立睡眠財団は、18〜64歳の成人に「7〜9時間」の睡眠時間を推奨しています。

日経電子版

これの経済効果をはじきだしてみると、実に年間15兆円もの損失になるとのレポートもあります。GDPに換算すると「2.92%」。最新の実質経済成長率は1%ちょっとですから、睡眠不足を解消するだけでも相当な伸びが期待されます。

もちろん、他の先進国でも睡眠不足による経済損失は話題となっており、世界最大のデジタル見本市「CES」でも「スリープテック」のゾーンが出現しています。米調査会社のグローバル・マーケット・インサイトは、スマートウオッチなどを含むスリープテック機器の世界市場は2027年に約406億ドル(約4兆4000億円)と2020年の3倍に拡大する見通しを示しています。

スマートウォッチなどのデバイスを日々の睡眠管理に利用する人も増えています。わたしはスマートウォッチが好みではないので指輪型デバイスによって毎日の睡眠を計測しています。以下は昨日のデータですが、このような形で睡眠時間のみならず、睡眠の深さや寝返りなどをモニターして報告してくれます。

赤裸々な睡眠状況

「7時間半寝るって言ってたじゃないか」というツッコミを受けるような気もしますが、今月は特にやんごとなき事情で寝たいのに寝れないというキツイ状況でありました。要はグローバル中間管理職の責務というやつで、大きな世界の中で日本は極東のマイノリティなのですよ。。。あー、ねむい。

さて、睡眠の質に影響を与える要素は様々ですが、有名なのはカフェインでしょう。最近では食品が体内に炎症を起こす程度により、睡眠の質が変化するという報告もあります。

食生活と健康の関係から最近注目されているのが食事炎症指数(Dietary Inflammatory Index:DII)。食事による体内の炎症の程度を表す指標で、糖尿病やがん、心臓病などに関連することが報告されている。さらにDIIは睡眠の質にも関連することが米国の3年間の追跡研究で明らかになった。
(筆者略)
睡眠との関連性を見ると、炎症性の食事をしている人は、就寝時刻と起床時刻が遅かった。またDIIスコアが1増えて、より炎症性になるにつれて、入眠後覚醒が増加し、睡眠効率が低下することも示された。これらの傾向は横断的な結果でも縦断的な結果でも同じだった。

食事と睡眠が関連するメカニズムは明らかでないが、炎症を起こしやすい食事にすると体内時計の概日リズムが悪化するという報告や、野菜や豆類が豊富な地中海式食事をしていない人ほど「社会的な時差ぼけ(ソーシャル・ジェットラグ)」が多いという報告もある。

日経電子版

すべての生活習慣を一気に変えるのは難しいですが、ちょっと気をつけるだけでも変わるかもしれません。明日から少しずつでも取り組んでみてはいかがでしょうか?

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タイトル画像提供:TOSHI.K / PIXTA(ピクスタ)

※猫の語源のひとつと言われる言葉に「寝子」がありますね。ねこのように寝たい。


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