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配信の多言語化で見えた!海外で人気のアニメとは?

海外で人気のアニメタイトル!と紹介されると筆者はモヤモヤします。どういう基準なのかと。今回はアニメ配信大手クランチロールの公開情報を集計してみました。

人気の「見える化」とは?

「人気」という主観的な価値をどうすれば「見える化」できるのでしょうか?例えば、筆者は今年、アニメファンイベントを取材し、現地のコスプレイヤーの状況を伝えました。コスプレイヤーが選ぶ作品から、現地の人気作品を知ろうというアプローチです。

また、現地でのブルーレイやDVD版が制作された流通事情から、作品の人気度に迫るというアプローチもあります。

「世界最大級のデータベース兼コミュニティサイト」と報じられている「マイアニメリスト」をご存知でしょうか?ユーザーが視聴したアニメ作品を管理できるのが主な用途ですが、ユーザーであるファンが情報を補い合う巨大なデータベースでもあります。2022年秋にはメタバース事業を強化する旨が報じられるなど、活発に活動しています。

2021年3月に公開された「マイアニメリスト」のプレゼンでは、国別の作品ランキングが紹介されています。各国でランキング入りする作品が異なっており、多様性を感じさせます。一方で、筆者が住むドイツでは、1位『銀河英雄伝説』、2位『聲の形』、3位『君の名は』とあり、筆者の感覚とはズレがあると思いました。

このズレの原因を考えてみると、ユーザーのプロフィールにありそうです。つまり、データベースを更新したり、視聴履歴を管理したりするユーザーはどちらかというと少数派で、アニメ視聴者全体の中ではマスを捉えきれてないのではないかというものです。

配信サイトでコメント数を集計

そこでアニメ配信大手のクランチロールです。世界の200以上の国と地域で、アニメやマンガを提供しています。直近の報道資料によると、ソニーGのクランチロールは、アニメの話数で4万、総再生時間で1万8000時間と世界最大のライブラリを提供しています。シーズン毎の配信タイトルは40~50作品に及び、多言語化では、10ヵ国語に対応しています。

そして、このクランチロールの配信サービスですが、ユーザー設定の使用言語を変更すると、国別のコメントが表示されます。コメント数の多さから作品の盛り上がり度を探り、「人気」を測る一助にしてみようというのが今回の試みです。

というわけで、2022年秋シーズンに配信されたタイトルから、『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』を選んでみました。(個人的な理由で恐縮ですが、同作の羽原久美子監督は今年7月にドイツで開催されたイベントに参加しました。筆者もお手伝いした経緯があり、反響が気になっているのです。)

なお、本作はクランチロールでは、無料ユーザーには3話まで公開されており、続きを視聴するには有料サービスに登録する必要があります。

では、集計結果を見てみましょう!

最もコメントが多い言語は英語でした。米国のユーザーは多いでしょうが、ここには、自国語に対応していない国のユーザーも含まれていそうです。スペイン語とポルトガル語が多いのは、本国だけでなく中南米のユーザー(場合によっては北米のヒスパニック系も?)のコメントが反映されているようです。

ドイツ語とフランス語を比較してみると、英語コメントの10分の1程度ですが、ドイツ語のほうがフランス語よりもコメントが多いです(最終話のみ逆転)。欧州でアニメやマンガといえば、フランスが注目される事が多いですが、この作品に関してはドイツのほうが注目度が高いという推測が可能になりそうです。

コメント数の推移が分かりやすいように、グラフにしてみました。

非常に興味深いのは、各言語とも推移が一致している点です。コメント数は2話で減り、4話にかけて上昇しています。その後、中だるみでしょうか6話で大きく落ち込んだのち、最終話に向かってジワジワと増加しています。

<まとめ>いろんなアプローチがあってよい。

今回取り上げたコメント数の集計は1例に過ぎません。例えば、第1話のコメント数を作品別、言語別に集計するといったことも可能です。さらに各話コメントの推移を作品間でマルチに比較すれば、シーズン毎の「人気」レースが浮かび上がってくるかもしれません。

しかし、これもまた「人気」の実像に迫るアプローチのひとつに過ぎません。ただし、様々なアプローチを併用することで、より「肌感覚」に近づくことができるのでは?と筆者は思いました。皆さんはどう思いますか?

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タイトル画像:筆者の作業場


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