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〇〇疲れのカウンターとしての「自然界隈」ブーム

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

「タイパ」(タイムパフォーマンス)という言葉が新語大賞になったのが、2022年。動画の早送り視聴や切り抜き動画ブームなどに象徴されるこの現象。サブスク動画やSNSなどコンテンツが劇的に増えたのに、可処分時間は一定のままです(もしくは、睡眠不足)。わたしは元来ロングスリーパー体質のため、以前から一定の睡眠を確保することを優先させていました。結果として最近では流行りのドラマが全然見られなかったりしていますが、結局のところ戦略とはやらないことを決めることなので健全なのかなと思います。

タイパについては以前も記事を書きました。

ブームの後には副作用がきます。SNS疲れ、テレワーク疲れ等々、これまでも様々なブームの後の「〇〇疲れ」がありました。今回もご多分に漏れず、タイパ疲れが観測され始めているようです。

「タイパ疲れ」の現象が出始めている、と各種調査で報告されている。"時間巻き巻き"の暮らしに、我々の身はすでに削られつつある。

古代ローマの思想家、セネカによれば時間を知ったときから、人類は常に忙しくなるよう宿命づけられている。「われわれにはわずかな時間しかないのではなく、多くの時間を浪費するのである」(『生の短さについて』大西英文訳、岩波文庫)

人は十分な時間を持って生まれているが、形ばかりの社交や虚栄のために時を奪われる。人の性(さが)がそういうものだとすると、忙殺の種などセネカの昔の比ではない今、どこかでねずみの回し車から降りる必要がある。

若い世代はうまい方法をみつけたようだ。「『自然界隈(かいわい)』がトレンドとして浮上してきた」(長田氏)。植物園や等々力渓谷(東京・世田谷)など、緑のある「界隈」でカフェなどを楽しみ、早送りの日常から、一時退避するのだそうだ。

日経電子版

タイパを求める理由の大部分がネットサービスにあるようで、そこから逃れる行動はどうやら「デジタルデトックス」的な方法になるようです。

「自然界隈」とは自然のあるスポットに出向き自然を楽しむことを意味し、SNSを中心に使われるようになったトレンドワード。毎月実施している館内ヒアリングでも昨年冬ごろより「自然界隈してきた」と動詞的に話す若者が多く見られましたが、初夏らしいお出かけ日和が増え、自然を楽しむ若者が更に増えている様子がうかがえます。

彼らの指す「自然」は本格的な大自然から、都内でも楽しめる植物園やバラ園などまで多岐にわたります。最近は渋谷の「渋谷区ふれあい植物センター」や、葛飾区にある「都立水元公園」、等々力渓谷などが人気の自然界隈スポットとして挙げられており、SNSでは現地でカフェメニューやピクニックを楽しむ様子が見られます。

FASHIONSNAP

神社などのパワースポットめぐりもいいかもしれませんね。とはいえこの猛暑の中で外に出るのが億劫だという方には、自宅で気軽にデトックスできる方法もあります。わたしのおすすめは、お茶です。中国茶でも日本茶でもなんでもいいと思いますが、季節の花をさっと飾り、好みのお茶を丁寧に入れてホッと一息つく。時間にすれば15分程度のことですが、スマホも切ってイマココの瞬間に集中するのは、気分転換にはもってこいです。

わたしは在宅ワークのはじまりには、一服のお茶(抹茶)を点てます。簡易的な点前ですが、お湯の沸くシューという音に耳を澄ませ、移りゆく季節に意識を向ける。そして、ジャパニーズ・レッドブルであるカフェインが含まれている抹茶は、仕事に向かうにはもってこいです(とはいえ、カフェイン含有量はコーヒーより少ないくらいですが。がっつりキメたい方は玉露でしょう)。

自宅のお茶スペースにて

自分なりのリフレッシュ方法をみつけて、ほどよく生きていきたいものですね。

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タイトル画像提供:nonpii / PIXTA(ピクスタ)

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