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五月病と戦うために考える「やる気スイッチ」の入れ方

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

全国が続々と梅雨入りしてきている今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。今年は平年よりも1週間ほど早い梅雨入りとなる見込みで、関東もそろそろという感じでしょう。

コロコロと変わる天気や気温に加えて、4月に配置転換や就職・転職などで周辺環境が大きく変わる人も多く、それらがGWの連休明けにどっと疲れとして現れることもあります。いわゆる、五月病です。

もりしたクリニック(東京・品川)の森下克也院長は「医学的には適応障害と呼ばれる状態。新年度になって新しい職場や部署で頑張っていたが、次第にストレスに対処できなくなり、心身の不調をきたすようになる」と説明する。

日経電子版

私もこの時期は比較的苦手な部類で、湿度の増加に反比例してやる気が減少するという状況に見舞われます。だいぶ前の投稿ですが、歴代(過去5年)トップ3に入るくらいコンスタントに読んでいただいている記事がこちらです。

と思ったら、これは11月に書いていたようですね。やる気、どこいった!?

やる気、つまりモチベーションコントロールは経営や人材管理の観点でも長らく研究がされています。最近あまりにもやる気がでないのでやる気について調べていたところ(論理が破綻していますね…)、面白い論文を見つけました。

『生え抜きミドル層のやる気を高めるには』(Works Review Vol.3(2008) ,158-169. リクルートワークス研究所)https://www.works-i.com/research/paper/works-review/item/080601_WR03_14.pdf

以下に要旨をまとめます。
・勤続年数が長くなると労働意欲は下がる。
・よってミドル層では、労働意欲の低下は避けられない。
・管理職への昇進が労働意欲を高める大事なインセンティブになっている
・「視野を広げるため」「今の仕事が好きだから」「自分のスキル・能力を活かしたいから」という働く理由を持った労働者は、労働意欲が高い。
・特に「今の仕事が好きだから」という働く理由を持つ場合には、勤続年数に伴う労働意欲減退効果が緩和される。

近年パーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定をする企業が多くなってきていますが、視野を広げて自分の仕事を意義あるものとして捉える(=好きになる)ことは、労働意欲向上に役立つということなのでしょう。

前述の私の記事では、本来やらなくてはいけないこと「ではない」ことから始めることで、ウォーミングアップをするというライフハック的なものを紹介しました。より踏み込んで定常的にやらなくてはならないことを習慣化させるためにはどうすればいいのか?というヒントが以下にありました。

米ハーバード大学公衆衛生大学院で博士号を取得し、健康習慣に関する著書を持つ公衆衛生学者の林英恵さん(Down to Earth代表取締役)によると、習慣化には①決意②行動③行動の繰り返し④習慣の形成――という4つのステージがある。努力と思わず、ルーティンになるまでの期間は人や行動のタイプによってばらつきがあるが平均で2カ月、研究によっては8カ月。いずれにしてもそれなりの時間や労力がかかる。「習慣を変えたいと思っても、その半分しか根付くまで実行できないというエビデンス(科学的根拠)がある」そうだ。
(筆者略)
「日々の安定した行動にくっつける」という手法も継続のコツ。例えば夕食後、皿洗いをしたら走る。朝起きて歯を磨いたら走るなどとルールを決める。「午後7時から始めようとすると、残業でできないこともある。時間軸で予定は決めないこと」

日経電子版

安定した行動にくっつけてルーティン化する、というのは重要な指摘です。「時間軸で決めない」というのは大事だと思います。なぜなら、日々の予定を完璧に自身でコントロールできる人はかなり少ないからです。ちょっとした予定のズレで「あー、今日もできなかった」となることを避ける意味でも、毎日「必ずする」こととセットにするというのは、良い方法でしょう。


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タイトル画像提供:Graphs / PIXTA(ピクスタ)


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