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「IT人材不足」って、そりゃそうだよねって話。

みなさんこんにちは、澤です。

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まずはこの記事。

IT人材不足は随分前から叫ばれていますけれど、なんとなく冷めた目で見ちゃうんですよね。
ボクは1993年に経済学部からITエンジニアになりました。
最初は生命保険会社の情報子会社。
COBOLっていう、もはや古文のようなプログラミング言語でプログラムを書いてました。
(この前発生した全銀ネットのトラブルで、なんか脚光浴びちゃってましたね)

その当時からずっと肌で感じていたのは、「ITエンジニアの地位は実に低い!」ってことでした。
IT子会社にしているってことは、親会社を超える給料を得る可能性はありません。
そして、親会社から送り込まれる出向者は、IT知識のかけらもなくても同年代のエンジニアの倍は給料をもらっていたのではないかな。
そんな産業構造が、日本中で確立してたわけです。
日本のITエンジニアというのは、「完璧に動くものを作って当たり前、障害起こしたらめちゃめちゃドヤされる」という状況で、かなりの低賃金で仕事をするのが当たり前でした。
そして、そういう業界構造になっていることは、ほとんどの人は知らなかったんではないかな。

潮目がちょこっと変わったのは、なんと言っても1995年から始まったインターネット時代。
この頃から、数々の米国IT企業が日本を市場として認識するようになり、「外資系位IT企業」なるものがどんどんでき始めました。
ボクもかなり初期段階でその波に乗らせてもらって、1997年からマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に雇ってもらってました。
仕事を通じて世界中に友人ができたのですが、日本以外の国におけるエンジニアの立場や待遇は随分と違うものだなと実感しました。
(トップ画像は、世界中の「マイクロソフトテクノロジーセンター」のセンター長たち。同じ役割の人が40人以上いて、それぞれの国で起きていることをたくさん教えてもらえました。)

特に印象的だったのは「システムインテグレーター=SIer」がなかなか理解されなかったこと。
システムインテグレーター的な会社は海外にもあるようなのですが、「顧客からほぼ全てのITに関わるプロジェクトを受け取って構築・運用までやる」という業態の会社がIT業界の大半を占める国は、知っている限りでは日本だけのようです。
そして、パッケージソフトをそのまま使うというのではなく、何もかも手作りしちゃうというシステム開発手法が、ずっと主流でした。
これの何が問題かというと「作った人しか中身がわからない」という状態になるのです。
システム開発を請け負った会社のエンジニアが退職したり、会社そのものが倒産したりして途方に暮れている事業会社を何社も目の当たりにしました。今どうしてるんだろ。

企業の基幹業務を作るのですから、めちゃくちゃ高待遇でもいいはずなのに、とにかく「安く完璧なものを作れ」というのが事業会社側の姿勢。
そして、SIerは価格競争にさらされながら開発運用業務を行うという、どう考えでも地獄でしょそれ的な事態が勃発しまくっていたわけです。
その結果として、日本はすっかり「IT後進国」に成り下がってしまいました。

1995年あたりを境に、日本の経済成長はぴたりと止まってしまいました。
これは、ビジネスへのITの取り入れ方に問題があったことが、相当な比重を占めていると思っています。
社内にエンジニアがいないためにIT的な知見が蓄積されず、パッケージソフトをそのまま使うというカルチャーがないために、外部の情報を使って運用することもできない。
希少価値の高い優秀なエンジニアは、SaaS系のスタートアップや外資系に活躍の場を探しに行ってしまう。
いやこれもう詰んでるでしょ。

でも、そんな状態であっても「自分にできることを探してちょっとでも前に進むお手伝いをする」というのがボクの役割だと思ってます。
日本の現状を嘆いて絶望するのは簡単ですが、かなり無責任でもあります。
「欠けてる部分を指摘するのはバカでもできる」と自著「メタ思考」に書いたんですから、自分が率先して実行しないとですね。

IT業界のことについて理解するのなら、この本は本当にオススメ。

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