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ノンアルは酒の代替? 新たな世界を広げる可能性も

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

長引くコロナ禍の影響は日本社会の文化にも影響を及ぼしています。たとえば「飲みニケーション」です。日本生命保険の調査では、飲みニケーションを「不要」と答えた人は6割に達し、調査開始以来初めて「必要」だとする人を上回りました。居酒屋チェーン店も閉鎖や業態転換を強いられており、「金の蔵」などを運営するSANKO MARKETING FOODSでは半減しています。

また、お酒を日常的に飲まない人も増えています。このあたりは以下の記事にまとめたことがありますが、飲めるけど飲まないという「選択的下戸」の人も増えているそうです。

このように激変している市場の変化に対応すべく、酒類事業を運営する企業も対応を急いでいます。

「お酒を飲まない人でも、お酒を飲むような形で食事を楽しみたいと思っている人は多くいます。すごくポテンシャルのある市場で、年2桁の成長が続いてもおかしくない。色々なお酒を手掛けてきたことが大きな力になります。『ノンアルのお酒文化』を作っていきたい、と考えています。まるでお酒のようにノンアルを楽しもう、ということです。これは清涼飲料では成立しません。飲料は基本的に乾きを止めるもの。ノンアルは新しいお酒の文化です」

ノンアル文化を語るときに留意すべき点として、ノンアルを求めている人には2つのタイプがあるということです。

1)本当はお酒がいいけどノンアルにしている人(消極的ノンアル)
2)酒を飲むことは選択肢になくノンアルにしている人(能動的ノンアル)

お酒メーカーがノンアルを考えるときに、どうも(1)のことばかり考えているのではないかと思うことがあります。わたしは圧倒的に(2)なのですが、ペアリングとして食事と合わせる価値のあるノンアル、もしくは新たな味わいを提供してくれるマリアージュとしてのノンアル飲料を求めています。甘くなく、ドライで、料理と合うフレーバーがあるものが理想です。

最近ではワイン用のぶどうから作られたジュースやスパークリングも増えてきました。どうしても甘みが残ってジュースっぽく感じてしまうものも多いですが、それも含めてペアリングを提案しているお店にいくと「これは当たりだ!」と興奮ぎみになります。

そうでなければお茶が有力な選択肢です。中国茶の味わいの豊富さは一度ハマると底なし沼と言われていますし、国内の茶農家でも新たな商機を探っているようです。

静岡県内の茶農家が紅茶やジャスミン茶など多様な茶で新たな商機を探っている。同県は高品質な茶の生産地として知られるが、ペットボトル飲料が伸びるなどの市場変化に取り残されており、新たな生き残り策が必要なためだ。緑茶と異なり茶の栽培のほか加工や販売まで自ら手掛けてブランド化し、採算の良い収入源に育てる。
カネ十農園(牧之原市)は3月に静岡県産のジャスミン茶を発売する。売り出すのは2キログラム限定。牧之原市内のガーベラ園芸農家が栽培するジャスミンを使う。緑茶と同じ茶葉を使うが、ゆでてカフェインを調整し香りを引き立たせた。価格は2160円(50グラム)と高価格ではあるが、県内の高級飲食店で採用が決まった。

さまざまなフレーバーを持つ無糖茶は、料理のペアリングにも使いやすいでしょう。生粋のゲコノミストとしては、より選択肢が増えることを期待しています。

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タイトル画像提供:マイケロー二 / PIXTA(ピクスタ)

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