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円安抑止の処方箋その②~レパトリ減税案~

前回のnoteに引き続き、今回も円安抑止の処方箋シリーズを議論したいと思います。本noteでは構造的且つ長期的なお話を議論したいので日銀の利上げ有無や為替介入と言った即興的な論点はさておき、もっとありふれていない論点を議論したいと思います。この点、前回は対内直接投資戦略について国・業種別にどのように考えたら良いのかを取り扱いました。色々なご意見を賜り、個人的にもとても勉強になりました:

https://comemo.nikkei.com/n/ne045cff216dd

今回はにわかに注目され始めているレパトリ減税案を取り扱ってみたいと思います。これは日本企業が保有する外貨を国内へ送金する際の法人税を減免するという政策であり、最近耳目を引き始めています。ちょうど今朝、テレビ東京「モーニングサテライト」でも解説させて頂きました

この話に関しては、実は2022年9月に私も以下のコラムで提案しています。その後、色々なところから解説を求められています。元々は下記本文中にあるように05年ブッシュ政権の政策を参考にしていますが、日本特有の論点もございます。:

https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2QH0DD/

テレビでは伝えきれなかった部分(特に図表関連)なども含め、解説したいと思います。

耳目を引き始めたレパトリ減税案

まだ、はっきりとは分かりませんが、一部報道によれば、政府・与党が6月にまとめる経済・財政政策の基本方針「骨太の方針」に盛り込まれる可能性があるとも言われていますし、自民党の平将明議員のXでもこれを支持するような発信が行われていました。無視できない論点になってきそうです:

https://twitter.com/TAIRAMASAAKI/status/1786368126437011804

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