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リクルート夫婦がこどもに「それなりの努力でそれなりの成果ではダメなのか?」と聞かれて色々考えた話

こんにちは。リデザインワークの林です。

我が家には、中学受験を目指す小学5年の長男がいます。
全国では少子化なのに、首都圏では受験者数が増えていて、以前にも増して熾烈な競争が拡大している状況です。

そんな環境の中で、いよいよ受験まで1年と少しに迫ってきている中で、徐々に塾の宿題や、自習の量が増えてきました。

本人が、なかなか自主的に勉強に向かわないので、最近では親が、「さぁそろそろ勉強やらないと。」「算数パパが見るから一緒にやろう。」と親のフォローの割合が増えていました。

なかなか主体性や本気度が高まらないこどもに、少しフラストレーションを抱えながら、「あなたはどうしたいの?」と真剣に話し合ってみました。

受験したいと言い始めたのはこどもからだったので、やるならしっかり向き合ってやってほしいという気持ちで聞きましたが、返ってきた回答がなかなか悩ましいものでした。

「それなりの努力でそれなりの結果ではダメなのか?」というものでした。受験はしたい。だけど、今友達と遊ぶことも、習い事のテニスも楽しい。それらをすべて捨てて、受験にかけて、トップ校に入ることもいいけど、遊びもテニスもしながら、トップ校より少し下の学校に入るのでもいいと思う。

という本音が聞けました。僕もリクルート出身ですし、奥さんは今もリクルートにいます。そのため、リクルートカルチャーが無自覚も含めて家庭にも浸透しています。

あなたはどうしたいの?とリクルートらしい議論をしたことがきっかけですが、リクルートカルチャーが強い夫婦ということもあり、「やりきったのか?」をとても大切にしています。
やるなら徹底的にやる。中途半端だったらやらないという感覚です。

僕なんかは、どの中学校に入るかも重要だけど、それ以上に自分が高い目標を掲げ、その目標のためにやり切る。徹底的に努力する。という経験そのものが一番重要だとすら考えていたからこそ、学校をどこにするかというある種の成果よりも、「やりきる」というプロセスを大事にしていたので、「それなりの努力ではだめなのか」はすごく引っかかっていました。

最初は、そんなスタンスだったら受験なんかする意味がないからやめようと提案しようかと思いましたが、受験をしたいと言い始めたのも本人ですし、話し合いの中でも、本人は中学受験はしたい。だけど、何もかもかけてまでしたいわけではない。ということだったので、親としては、受験をどのような位置づけとするかを考えようと思った次第です。

考え始めたら、一歩引いて、いろいろな視点で考えられるようになり、これはこれで良かったなと思っています。

自分のこともあらためて思い返してみましたが、自分も大学受験まで1年にせまった高校2年生の時、「友達と遊ぶことも、恋愛も、部活も毎日こんなに楽しいのに、この青春の時間を削ってまで勉強して、良い大学に入って、良い会社に入るということに価値を感じない」と力強く言って勉強しなかった自分を思い出しました。まして小学生なのでそりゃそうかとw
妙に納得してしまいました。

以前、中学受験をどう捉えるか悩み、noteに書いていたことも思い出しました。やっぱり受験をするぞとなり、日々向き合っていると、社会で求められる力と偏差値そのものは大分GAPがあると理解をしていながらも、テストの順位や偏差値という明確な指標に引っ張られて視野が狭くなっていたかもなぁと冷静になることもできました。

理想は、本人が主体的に、目標を決めて、そこに向かってやりきる経験をしてほしいというのは変わらないですが、親が引っ張って、引っ張ってやりきらせたとしてもそれは理想とは遠いということを再度自覚しました。

本人が、自立して自律的に受験に向き合うことを第一義にしようと夫婦と本人で話し合い、受験をしたいのであれば、この水準を下回らないことという水準だけを決めて、後は本人に任せることを決めました。

水準は本人の行きたいと思っている学校の範囲で決めました。
今の水準よりも下の水準で置きました。

そのため、これからは成績が下がろうとも、勉強しなさいとか一緒にやろうとかは一切言わない。見守る。と決めました。

来週も試験があるのに、楽しく遊んでいるのを見ると気になる部分はありますが、ぐっとこらえています。
親と子は個体としても違いますし、スイッチが入る時期も違うでしょうし、何にスイッチが入るかも違うでしょうし。そもそも、やりきったのか?という価値観もひとそれぞれですし、それをいいと思う子供もいれば、そうじゃない子供もいていいですよね。

本当の意味で、本人の自主性を信じ、何よりも彼を信じて手を放していこうと思います。中学受験は彼の人生の選択の一つでしかないですし、その選択をどう捉え、そこから何を学んだのか。そういう学びと振り返りは一緒に話し合っていけたらなと思います。

「それなりの努力でそれなりの結果ではダメなのか?」という純粋な問いからいろいろな視点で少し冷静に、俯瞰的に考えられた良い機会だったなと思います。

これからも親としての学びや悩みもあると思いますし、失敗もあると思いますが、一歩一歩向き合って進んでいきたいと思います。

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経営戦略、人事戦略、働き方について、自身の経験を通じて得た気づきや学びを書いていきます。フォローしてもらえると喜びます! リクルートにて営業→経営企画室長→広報ブランド推進室長→働き方変革推進室長→リデザインワークを創業+ベーシック取締役COO+情報イノベーション大学客員教授