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東京マラソン、完走したくば、歩きなさい! (ゴール逆算思考:ランニング編)

今週末は東京マラソン、鹿児島マラソンなど開催。コロナあけの市民マラソンは全体に苦境。問題点を日経新聞でシリーズで整理している:

値上げも一因で、第1回は1万円だった東京マラソンの参加費は今年1万6500円、ドル円と同じくらいに上がっている。シューズも1足3万円以上が普通で、劣化も早いので、大事な大会には新品を投入するのが普通。首都圏在住者でも5万円かかる大会になった。

ただ、東京都心をワンウェイで移動できる東京マラソンには、それだけの価値もあるだろう。ここ完走するのを憧れの目標にしている初心者ランナーも多いことだろう。

完走することが目標のランナーは、「走ろう」としないほうがいい。

なぜなら、長距離スポーツでパフォーマンスを最大化するのは、一定ペースを維持する「イーブンペース」だから。キプチョゲがNIKEのイベントでやったような2時間切りでやったやつだ。

では、東京マラソンを完走するためのイーブンペースとは? 制限時間は7時間。時速6.1km=1km9分48秒の速歩きを続ければ、7時間で42.7km進み、目標達成だ。不動産広告の徒歩10分が1kmだから、ランニングシューズはいて手ぶらで歩けば、余裕で歩けるだろう。

歩き疲れたら、少し走ればいい。ある程度以上の速さになれば、歩くよりも少し走ったほうが楽だから。休憩のために走るのだ。そうすればタイムも稼げて、エイドとかトイレとかに時間を使える。

これが「目標から逆算する」ということ。ビジネスパーソンであればあたりまえの行動である。「マラソン」という名前だから走らなければならない、というのは思い込みに過ぎない。

この理屈を無視して最初から実力以上のペースで走ってしまうと、途中で潰れて、時速6kmですら歩けなくなる。この状況は統計的にも実証されており、完走ギリギリのランナーの多くは後半からペースが急落するのが多数派だ。残り数kmくらいで必死でペースアップしてゴールに間に合わせる、もしくは、間に合わずに失格になっている。

不動産屋の設定よりちょっとだけ早く歩き続ければよいわけだから、日々のトレーニングも、日常生活の範囲内で完結する。都心の雑踏を勢いよく走るのは時に迷惑だが、これならば、「東京によくいるやたら早歩きな人」だ。先月note「運動習慣は「接触物の高性能化」から」で書いたのも、そういう話:

「ペース戦略を科学する」

これら情報は、月刊ランナーズ2月号の特集「ペース戦略を科学する」のライティングを担当してよくわかった。

月刊ランナーズ2024年2月号

キプチョゲの2時間切りであれ、7時間耐久東京高速お散歩会であれ、基本は同じだ。

ただ実際にイーブンペースの徹底はほぼ不可能なので、前半は抑えて、後半に余力があることがわかった時点でペースを上げるのが現実的だ。結果、後半が速くなる「ネガティブ・スプリット」となる

このメリットの1つは、後半から抜きまくることができて、気持ちがいいこと。

東京マラソンでは参加3万人の一番後方あたりからのんびりと歩き始め(スタートライン通過までの時間はかかる笑)、少しづつ走りを混ぜていけば、後半から疲労困憊で歩き始めたゾンビたちを続々抜き続ける経験ができるだろう。かな??

まあ、実力を過信し、オーバーペースで突っ込んで終盤に地獄のゾンビ行進に参加してみるのも、趣味スポーツの楽しみ方でもある笑。仕事ではそんなミスは許されないし笑

この特集は好評で、アマゾンではたしか1週間くらいで完売していた。今でている4月号では、ビジネスパーソンにランニング実践者が多い理由について、3ページにわたり考察した文章を書いてます ↓ ↓ ↓

月刊ランナーズ2024年4月号

お読みくださいー。

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