複業は「無理なくできること」だけに特化せよ #複業の教科書
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前回、第10回はコチラからどうぞ。
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複業のコツ2:「無理なくできること」だけに特化する
僕はいつも、「複業においては、苦手なことは一切やらなくていい」と伝えています。
自分発で自分らしい人生を実現するために始めるのが複業であって、苦痛や我慢を伴うものであってはいけません。
好きなことや得意なことだけに特化できるのが複業の最大のメリットなのだから。
もし、「好きなことや得意なことを絞るのが難しい」と思うのならば、「無理なくできること」という視点で考えてみると、より取っつきやすいかもしれません。
就職活動も複業も、やろうと思えば選択肢は無限です。
その中から選び取るには、「制限条件を設定する」と答えを見つけやすくなります。
例えば僕が複業をはじめたときの制約は3つ。
一つ目はお金の制約です。
僕は早くに結婚し、社会人になったときには家族を養う立場だったので、自由に使えるお金に制限がありました。
その額、月1万円。家計から割り振られた1日あたり500円以下のお小遣いの中で、自己実現のためのコストもまかなう必要がありました。
ということで、この原資をほとんど削らなくて済む「超ローコストな複業」だけにすると決めました。すなわち、仕入れや在庫の管理費用やランニングコストがかさむ複業を選択肢から外したのです。
次に、時間の制約です。
前述の通り、家族持ちであった僕には、新人からハードに鍛えられることで有名なリクルートでみっちり働いた後にも、自宅では家事・育児が待っています。
唯一、僕に許されたフリータイムは、自宅の最寄りの多摩センター駅から職場最寄りの東京駅までの通勤時間のみ。
「片道1時間半、計3時間の通勤時間の中で完結できること」というのも条件に加わりました。
3つ目に決めた条件は「いつでも自分の意思一つでやめられること」。
これが最も重要だったかもしれません。
僕の場合、本業が忙しくなって、複業の継続が難しくなることも十分に予想されました。そのケースに備えて、「いつでもすぐに一時中断や終了を決定できる」という条件は外せませんでした。
したがって、誰かに雇われたり、厳密に納期を守らなければ成立しない仕事を受けたりという形式では持続可能率が下がると判断。
すべて自分の判断でコントロールできる活動は何か?と考えました。
条件を先に考えるからこそ、早く始めて長く続けられる
これら3つの条件すべてをクリアしたのが、「ブログ」だったのです。
ブログであれば、初期費用もほとんどかからず、ランニングコストもほぼゼロ。毎日更新するとしても、通勤往復の3時間以内で作業は完了できます。中断も自由。
「お金をかけない」「時間をかけない」「いつでもやめられる」という3つの制約条件をクリアした、という決定プロセスを踏んだことで、「これなら続けられる! 続けるぞ!」と僕の覚悟も決まりました。
思いつきでパッと手を出したのではなく、始めるための条件を一度整理してからの選択だったので、いざ始めた後は脇目もふらずに没頭できたのはとてもよかったと思います。
「何を始めたらいいか分からない」という時には、まず「これは無理」という制約条件からレンジを狭めていくというのも手です。
制約条件を2つか3つ掛け合わせると、自然とできることは絞られてきます。制約があるからこそクリエイティビティが生まれる。これも真なりと、僕は思います。
もう一つ、ブログを始めるにあたって最終的に僕が自分にゴーサインを出せた理由は、それが僕の〝得意〟を活かせる活動だと思えたからです。
そう確信できる体験があったのです。
複業のコツ3:自分のハンディキャップから、できることを考え抜く
リクルートエージェントに内定が決まって、入社するまでの間、僕は「どうしたら入社1年目から、役立てる人材になれるか?」ということをずっと考え続けていました。
他の同期が残業できる中、僕はただ一人、時間に制約があるというハンディキャップを背負っての社会人スタート。
今ではそのハンディキャップは仕事に必要な能力を鍛えてくれる「筋肉養成ギプス」だったと全肯定できるわけですが、当時の僕は切実で必死だったのです。
人よりも2倍、3倍、成果を出せる人間であることを早くアピールできるようになりたいと、本気で考えていました。
その結果、ひねり出し、配属初日から始めた行動が二つ。
一つは、「日刊創一朗」の配信です。
「日刊創一朗」とは、僕が学生時代から日課にしていた日経新聞の熟読と、今はなき「グーグルリーダー」という情報収集ツールを使って気になるニュース記事を集めて保存する習慣を活かした「業界ニュースダイジェスト」です。
僕の配属先が、できたばかりのインターネット業界向けの営業部だと分かった時点で、「所属する部の先輩たちがどんな情報を欲しているのか?」と考えてみました。
インターネット業界の人材市場が活発になり始めたばかりの頃で、部内でも業界を熟知している人はまだ少なそうだと感じとった僕は、「自分の勉強のために収集した情報を、部のメーリングリストで配信したら、きっと喜ばれるんじゃないだろうか」と思いついたのです。
さっそく、挨拶したばかりの上司に相談して第1号を配信しました。
といっても、決して大それたものではなく、「インターネット業界」について参考になる記事を集めて、そのタイトルと本文の一部抜粋、URLをコピペして、ずらり並べるだけのシンプルなもの。
今でいう〝キュレーションメディア〟を自前で作っていたようなものでした。
これが配信初日からなかなかの好評で、忙しい先輩たちから「効率よく情報収集できるから助かるよ」と重宝してもらえました。
そのうち評判を聞いた隣の部署から「うちにも送ってよ」と要望され、配信先はだんだんと部門全体へ、そしてついに総勢1000人以上(当時)の全社向けに配信されるようになったのです。
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