【テーマ企画まとめ】令和に求められるお店とは
日本国内の小売りや外食の店舗が減少に転ずるなか、これからの時代に求められる「お店」とはどんなものか。日経COMEMOテーマ企画の呼びかけに対し、「#お店の未来」でたくさんの投稿をいただきました。皆さんからいただいたご意見を紹介させていただきます。
■単にモノを売るのではなく体験・知見を提供する場
お店は単にモノを売る場ではなく、そこを訪れた人に体験や知見を提供する場所であるべき、とのご意見が多く集まりました。
翠川さんは、今後のお店の役割は、「想像を越える展開があるか」「五感を伴う経験ができるか」「好きな人に会える場所か」の3つがポイントになるといいます。「想像を越える展開」の例として、地方のセレクトショップ、大型書店、道の駅、を挙げていたのはなるほど、と思いました。
遠藤さんは携帯ショップを引き合いに、どの機種を買うべきかの相談に親身になって答えたり、新しい機器に不慣れな方へアプリをインストールして使い方を伝えるなど、人がやる価値が高いことを店舗で実現すべきだといいます。
大分大学の碇さんは、地方のお店こそ顧客に特別な「体験」を届けることを重視すべきであり、そのお店がある地方都市のファンになってくれる「関係人口」を増やすことが成功のカギになるといいます。
井指さんは、観光客をターゲットにした店舗では、お土産品などの物販から体験ショップへの転換トレンドが起きているとして、観光客向けクッキングスクールや、和の心を伝える日本型体験ショップなどの取り組みを紹介してくれました。
最所あさみさんは、ライブであればペンライト、スポーツ観戦であればユニフォームといった「オケージョン消費」の分野からシェアリングエコノミーがどんどん広まると予想。観光地の着物レンタルのような仕組みが、さまざまなオケージョンに紐づいて増えていく、としています。
サンパウロ在住の平野さんが重視するのが、お店での会話。紹介してくれたのが、Dengoというチョコレート屋さん。ここを立ち上げたのがブラジルの化粧品最大手の創業者で、化粧品の対面販売のノウハウがふんだんに盛り込まれているとのこと。
■令和に注目される、こんなお店
武田さんは、このところ何かと注目を集める作業服専門チェーン、ワークマンに注目。正確な需要予測と自動発注などデータ経営に取り組んでいると紹介し、ファッション業界以外の産業が享受しつつあるデジタル化とコト消費という車の両輪を獲得することになる、と予想しています。
haeretics@略称ヘレさんが挙げたのが、中国のスーパー、フーマー。いけすの中を泳ぐ魚もQRコードで産地確認できたり、ほぼ完全キャッシュレスだったり、バッグにまとめられた商品が店内の天井コンベアを通って配送される様子が売り場からしっかり見えるところが魅力だそうです。
演劇家の藤原さんは、「演劇の人」目線で、お店を擬人化してくれました。例えば「完璧じゃない、隙のあるお店(お客さんが完成させていく)」「エッジの効いたお店(自分しか理解できないだろうから行ってやらねば…)」。会話形式になっています、ぜひお読み下さい!
小林さんが注目するのは「不便な店」。半端なく不便な、ご近所のこだわりのパン屋さんがお気に入りだそうですが、Eコマース全盛の今、不便なこと自体が逆説的に価値をもたらすのではないか、といいます。
■ お店の在り方を再考すべき
川端さんは、お店をいかに「再発明」するかが重要だといいます。上り坂と下り坂の違いはあるものの、坂の途中という状況で、1950年~60年代のお店のあり方にヒントがあると指摘します。
■その他のご意見
池永さんは、令和の時代に外食店が果たす役割に注目。「一軒の料理店がトリガーとなって、魅力的な都市に変えた事例は日本にも世界にもいっぱいある」とし、食でまちは変えられるといいます。
牧田さんは、外食産業でマーケティング担当者が手腕を発揮しているという記事に注目。日本企業にもマーケティング専門家がどんどん招聘されるようになったことは喜ばしいといいます。
たくさんのご意見、本当にありがとうございました!
いただきましたご意見の一部は、7/23掲載の日経新聞朝刊に掲載させていただきました。
テーマ企画、近く第2弾を予定しております。今後も投稿よろしくお願いします!