
フリーランスの「幸せ感」を考えてみたら、3つの段階があった。

人には3つの幸せがあるという。
「シアワセ」と言っても意味は深く、いろんな見方があるからこの3つだけが幸せなのだと言うつもりはない。しかし人はやはり「幸せになるために」日々生きているのだとしたら、何某かの「幸せ論」は必要だ。
なぜならば「幸せ」とは、”なりたいもの”であり、そして感じるものだからだ。なにをどう幸せだと感じるかは人によって違うでしょう。それは違ってもいいし、違うべきだとも思う。
私はフリーランスビジネスの専門家なので「幸せとは何か」という議論をするつもりはありません。この記事では、人が感じるであろう「幸せ」という感情を”ビジネスを提供する側がどう考え、どう価値を見出していくか”というところを落とし所に書いていこうと思う。
人の持つ感情としての「幸せ感」。
フリーランスとしての「幸せ感」。
幸せ感は連鎖するのだと思う。みんな幸せになりたいと思ってる。だからこそここで一度、人の感じる「幸せ」という感情について書き記していこうと思うのです。
※フリーランスの環境も変化している。フリーランサーは情報に敏感であるべきだ。
1つ目の「シアワセ」。
まず1つ目の幸せは「してもらう幸せ」だ。
1. してもらう幸せ
人が生まれて、小さい頃は自分では何もできないから、親にいろいろと世話をしてもらって成長していく。別の言い方をすると大人に「依存」しながら成長していくのだ。それが大人の責任でもある。幼い子はそのことに「幸せ感」は感じないのが普通だが、それでもその関係の中には間違いなく「幸せ」は存在する。
その幼な子に物心がついてきて いろんな感情が出てきてからも、やはり親にいろんな世話をしてもらって、それを幸せだと感じて育っていくわけです。もしそれをその時には幸せだと感じなくても、その時はそれが「当たり前だ」と思ったとしても、大人になってその「幸せ」を感じる時が来るものだと思う。
子供だけじゃなくて、例えば 新入社員とかもそうだ。最初は何もわからない。仕事だけではなくトイレの場所さえわからないかもしれない。そこから先輩に色々と教えてもらったり、親切にされたりしながら働く上で必要なことを覚えていくわけです。
やはり「何かをしてもらう」「何かをしてもらえる」という幸せは、その時点では依存をしているわけなんだけど、直接感じやすい「幸せ感」なのだと思う。その時に親とか先輩とかが自分の世話をしてくれることに「幸せ感」を感じるものなのだと思うし、受け入れられているという安心感なのかもしれない。
安心感と幸せ感は関連性があるものだ。私は個人的に「なにが幸せか」と問われるとしばし考えてしまうが、「なにが安心か」と問われればスラスラと話すことができる。
そしてその内容を改めて読んでみると、自分が答えたそれは「幸せ感」ではないかと思うことがある。幸せとは安心であり、安心とは幸せなのではないかと、私個人は思ったりする。
2つ目の「シアワセ」。
2つ目の幸せは、「自分でできる幸せ」だ。
2. 自分でできる幸せ
親にしてもらわなくても自分でできる。そこに自分の成長を感じることができて、幸せを感じるのだ。確かに できなかったことや依存していたことが「自分でできるようになる」って、嬉しいことだし幸せを感じやすいのかもしれない。
昨日までできなかったことが 今日できるようになる。比べるのは他人ではなくて、昨日の自分だ!なんていうセリフもあったけど、そこで感じる幸せ感は「成長」ですね。「成長している自分を実感する」という満足感。それがこの段階における「幸せ感の正体」だと思う。成長を感じることは、やはり人にとって「幸せ」だと感じるものだし、人は満足することで安心する。そして安心することで幸せを感じやすくなる。
「自分でできるようになる」というのは別の言い方をすれば「自立」だと言える。自立という言葉にも様々な解釈があるので定義付けるつもりはないが、少なくとも「依存」から「自立」への階段を登ったとき人はある種の満足感を得る。その満足感は、安心感→幸せ感という感情の変化を生むのだと私は思う。
満足感 → 安心感 → 幸せ感
3つ目の「シアワセ」。
そして3つ目の幸せ。それは「してあげる幸せ」だ。
3. してあげる幸せ
これは「誰かの力になっている」とか「誰かを助けてあげる」という意味でもあるけど、実は「それができるようになった自分」というものに 幸せを感じることなのかもしれない。
人は誰しも完璧ではないし、自分の人生キャリアの中で得た知識や経験さえも その人の身になるなんてことは大いにある。自分が知っていることを、それを知らない人に教えてあげるというのも「してあげる幸せ」になるのだと思う。
例えば、子犬を育てた経験がある人が初めて子犬を育てようとしている人に教えることは山ほどあるし、逆に子犬の育て方を教わった人は自家農園を何年もやっていて、その自家農園のコツを子犬育てを教えてくれた人に教えることだってできる。
この「してあげる幸せ」というのは、例えば何かに困っている人に「その解決策を知っている人」が教えてあげるという”あったかいコミットメント”による満足感なのかもしれない。
そこに料金を介してビジネスとすることもできるのだけど、いただく料金のこと以上に「幸せ感」を感じるかどうかが重要だ。なぜならば、自分が誰かのためになっているという感覚は「幸せ感」の根源だからだ。
なんでも知っていてどんなこともわかっているわけではない自分が誰かのためになっているのなら、それはひとつの満足感になり、ひいては幸せをか案じる瞬間なのではないかと、私は思う。
ビジネスにおける「幸せ感」の考え方。
このように人間には3つの幸せがある。でもこれは言い換えれば「3つの幸せの段階」なのだと思う。
「してもらう幸せ」から「自分でできる幸せ」。そしてその次に「してあげる幸せ」。これはもしかしたら「人の成長プロセス」と同じなのではないかとも思う。「7つの習慣」で言うところの「依存」→そして「自立」。そして「相互依存」という段階のようなものだ。
そう言う意味ではやっぱり、人の成長は「ある一定のプロセス」に沿って巡っていくものなのかもしれないと改めてそう思う。
フリーランスの「幸せ感」とは。(幸せの3段階による)
さて、この「3つ幸せ」を、フリーランスのビジネスシーンに置き換えて考えてみましょうか。
この「3つの幸せ」をフリーランスの仕事に置き換えて考えてみると、実は「自分でできる幸せ」という段階でストップしてしまう人が結構な数いるような気がする。
自分にしかできない仕事を持っていて、それを教えようとしないという昔ながらの職人気質というのもあるだろうし、自分しかできない仕事に”自分が生きていく術”を見出している専門職の人に多いのかもしれない。
業務としてはその方が自分の希少価値が出るし、場合によってはそのスキルが高く売れる可能性もあるわけだから、それを否定するつもりはない。自分で得た自分のスキルをどう使おうがいいと思うというのが私の私見だ。
ただ「幸せ感」という切り口で考えてみると、少しもったいない印象を受けるのは私だけだろうか。
してあげる幸せを感じることは、フリーランスビジネスに必要なのかもしれない。
「自分はそれができる(技術レベルで)」「それは自分にしかできない」というのは「自立したフリーランスの姿」で、とても優れたスキルだと思う。私にもそういう部分が少なからずあり、自分でできるようになった頃は自立できた気がして嬉しかったものだ。
多くの人が知らなかったり難しいと感じていることを「当たり前に自分でできる」というのは強みにすらなる。人が業者に依頼するところを自分でできれば支出も減らせて、特に資金の少ないフリーランスにとっては大きいスキルだ。
「自分でできる幸せ」には、ある種の「達成感」「満足感」が幸せに直結している。そのスキルが希少であればあるほど、自立感が大きくなる。いいこと尽くめだ。
しかしそれは裏を返せば「困っている誰かを助ける」スキルでもあることを意味する。つまり、「してあげる幸せ」へと変換することもできるというわけだ。
してあげることで感じる幸せは、フリーランスビジネスそのものだ。
誰かに何かをしてあげる。それを嬉しいと感じるかどうかは、もしかしたら人によって違うのかもしれない。私は100%嬉しいと感じるタイプだが、そうではない人を否定するつもりはない。何をどう感じるかは人の自由だと思うし、誰しもそれを否定する権利なないと思っているからだ。
だからここでは私の所感という意味で書かせてもらう。私は「人に何かをしてあげて」嬉しく思うし、自分の存在意義を感じるタイプだ。自分が自分の人生の中で得たスキルが「人のためになっている」。そう思うだけで嬉しく、そして「自分を感じることができる」。
つまり「してあげる幸せ」とは人間の本質的な感覚なのではないかと私は思うわけだ。ビジネスとか友達だとかそういう境遇的なものではなくて、本質的なもの。それが「してあげる幸せ」なのではないかと思う。
そして特にフリーランスにとって、その本質的なマインドがビジネスを大きく左右するのではないかと思う。なぜならばフリーランスビジネスは基本的に「誰かの困りごとを解決する仕事」だと思うからだ。
誰かの困りごとを解決することがフリーランスビジネスの根幹だ。
今世の中の人はいろんなことに困っています。お金に困っている人もいれば仕事に困っている人もいる。家庭内に困りごとがある人も会社の中に困りごとがある人もいるでしょう。
そんな人々の困りごとを解決するのが「あたたかいマインド」であり、それを実行したときに感じる「幸せ感」なのだと思う。だからこそフリーランスは「してあげる幸せ」をベースにした仕事を考えた方がうまくいくのだ。
もちろん自分ができないことをしてあげても相手は余計に困るでしょう。自分には何ができるのか。自分の人生はどんな経験をしてきてどんなことを提供できるのか。仕事ベースで考えてもいいしプライベートベースで考えてもいいのです。
例えば、今まで子犬を何度も飼ってきた人は、子犬の育て方や躾の仕方を誰かに教えてもいいし、失敗例も共有してもいい。
Photoshopに詳しい人がいたら、今からPhotoshopを始めようとしている人にコンテンツを提供したり、場合によってはコーチングしてもいいわけです。
人には無限の可能性がある。そして人には「人の困りごとを解決する」という幸せ感がある。
そんな幸せ感を味わいたいと思うフリーランスこそが、結局はいい仕事をして世の中に求められるようになるのだと、私は思っている。