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「Z世代だから」は危険!Z世代の部下をマネジメントする3つのポイント

今年、新社会人となったのは多くが2001年生まれ。

1990年代後半から2010年代までに生まれたZ世代は、これまでほとんどが学生でしたが、今後は多くが社会人となっていきます。

そんな今、経営者の皆さんから寄せられるようになってきたのがマネジメントへのお悩みです。

Z世代は幼いころより、働き方改革やダイバーシティへの考え方に触れてきたことから、ミレニアル世代や団塊世代とは違った価値観を持っている世代。

自分たちや自分たちがこれまでマネジメントしてきた世代と同じやり方では通用しなかったり、〇〇ハラスメントとして訴えられてしまうのでは? と危惧しているそうです。

「相手のことを思ってやったことが、Z世代には裏目に出ているようだ」
「やり方を変える必要があるのは分かるが、どうしたら良いのか分からない」

そんな声が寄せられています。

そこでこの記事では、多くのZ世代のメンバーを抱える経営者視点から、Z世代をマネジメントするためのコツをご紹介します!


Z世代の特徴を知れば、マネジメント方法は見えてくる

まずは、Z世代の働き方にまつわる価値観を少しだけシェアさせてください。

・幼い頃からインターネットを活用している、SNSネイティブ
自分らしく働くことを大切にしている
・(2024年時点では)多くのZ世代がファーストキャリアもしくはセカンドキャリア

彼らが幼い頃からインターネットのある世界で過ごし、スマートフォンやパソコンを所有して、SNSも活用してきた世代であること。これはひと回り上の世代と比べて大きく異なる、環境的な違いです。

Z世代がSNSネイティブであることは、世間でもよく挙がるようなZ世代の価値観を形作っています。

その1つが「自分らしく働く」ことを大切にしていること。以前僕と私と株式会社では、Z世代の働き方に関する調査を行いました。

その際、Z世代では仕事選びの際に重視していることとして、仕事内容やワークライフバランスに匹敵するほど、「服装や髪型など自由な身だしなみで働く」「場所にとらわれず働ける」「副業・兼業ができる」「フレックスタイム制」といった、“自分らしく働けるか”を重視していることがわかりました。

SNSで多様な生き方やさまざまな人の働き方を目にするZ世代だからこそ、アイデンティティを重視しているのです。

また、Z世代の多くはまだ社会に出始めたばかり。

今年新社会人になった人もいれば、これからキャリアをどう築いていくか悩みながら働いている人もいるはずです。時代が進めば変わる特徴だとは思いますが、向こう数年は彼らがまだ未熟な存在であると意識する必要があります。

画一的な対応ではなく、その人自身を理解して寄り添う。MBTIも◎

では、具体的にZ世代に対してどのようなマネジメントを行うと良いのか。

まずは「Z世代をどうマネジメントするか?」という問いに隠れた罠を認識する必要があります。

世の中では「Z世代」という単語が当たり前に使われるようになりましたが、あくまでもZ世代は90年代後半〜00年代生まれを指す総称。その実態は何百万の個人であり、もちろん人それぞれ違った価値観を持っています。

上で述べたような特徴も、他の世代に比べて当てはまる人が多いというだけで、なかにはもちろん例外もいます。特にZ世代は自分らしさを大切にする世代「Z世代だから」と一括りにされることにも苦手意識を持っている人が少なくありません。

ネットの情報から「Z世代にはこう対応すればいい」と考えるのではなく、その人自身にきちんと向き合い、理解しましょう。

相手を理解するには、日々のコミュニケーションを密にすることももちろん重要ですが、ツールを活用するのもおすすめです。ぼくわたでも導入しているMBTIを活用したり、企業の魅力因子4P※1のうちどれを重視しているのか聞いてみたりするのも良いかもしれません。

※1 商品・サービスの魅力を訴求する際に用いられるマーケティングの4P(Products、Price、Place、Promotion)ではなく、企業の魅力因子として挙げられる要素。Philosophy(理念・目的)、Profession(仕事・事業)、People(人材・風土)、Privilege(特権・待遇)

MBTIはその人がどんな性質を持っているのか傾向として理解できますし、どんなことにモチベーションが上がるのか読み解く手助けになります。

リモートワークでコミュニケーションが取りにくい企業に勤めている方や、自己開示が苦手な人をマネジメントする方には特におすすめです。

▼僕と私とのMBTI導入事例はこちら

指摘は理由とセットで。フラットなコミュニケーションを

フィードバックや日々のコミュニケーションで意識すべきなのは、理由とセットで指摘したり、意思決定の際には一方的に押し付けたりしないこと。新社会人だからと言って誤魔化したコミュニケーションを取らないことが大切です。

これはZ世代に限ったことではありませんが、特にZ世代は「理不尽」「謎の慣習」を苦手とします。SNSネイティブであり、さまざまな情報を集めやすいため「他の会社ではこうなのに、自分の会社ではなぜこんなルールがあるのだろう?」となりやすいのです。

また、Z世代がSNSで集めてくる情報は正しいことばかりではありません。知らないうちに間違った情報をインプットしている可能性もあるため、何かを教える際には背景にある情報もセットで教えることが重要になります。

実際、調査によるとZ世代が上司に求めることのトップ3は「気軽に相談しやすい」「丁寧に教えてくれる」「部下に優しい、面倒見が良い」ことだそうです。SNSやインターネットで情報を集められるZ世代とはいえ、誰かに教わることを嫌がっているわけではありません。

高圧的な指摘や業務的な連絡ではなく、相手と同じ目線に立ってフラットなコミュニケーションで接することを意識してみてください。

これからのキャリアを見通した、スキル磨きをサポート

いただく悩みや疑問の中には、「どういったときに叱れば良いのか分からない」「ハラスメントにならないか心配」という声もあります。

たしかに、最近は上司から部下への接し方が問題視されやすい時代ではありますが、何があっても叱らないのが相手のためになるとは僕は思えません。

特にZ世代は、多くの人がファーストキャリア。これからの人生で自分のやりたいことを実現できるようになるために必要な基礎力を身につけさせるのは、上司としての1つの責任です。

そのため、ぼくわたでは仕事をするうえで必要となる基礎力を行動指針(バリュー)に落とし込み、それらを軸にマネジメントを行っています。

たとえば、タスクの期限やスケジューリングには「明日」「この後」などは使わず、必ず時間を指定する「数字が標準語」や、相手の考えを先読みして、求められることを考える「先読みアクション」など、メンバーに意識してもらいたいことを12の具体的なアクションに落とし込みました。

▼詳しいバリューについてはこちら

すべての基準をバリューにすることで、メンバーは納得感を持って目標の設定・振り返りができますし、各部署のマネージャーは適切な評価をすることができています。

自分自身で部下に叱る基準を設定できない、論理的に間違いを指摘するのが苦手という方は、所属する組織のバリューをもとにマネジメントを行うのも1つの手なのではないでしょうか。

▼Z世代のマネジメントについて興味をお持ちの方は、こちらの記事もおすすめです。

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このnoteでは、Z世代経営者の僕がZ世代の最新事情や日常で感じたことを発信しています。経営者やZ世代の皆さんの役に立てる情報をお話したいと考えていますので、ぜひスキやコメントお願いいたします!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!

※このnoteは個人の見解です。

今瀧健登について

今瀧健登 / Imataki Kent(Twitter:@k_hanarida
僕と私と株式会社 代表取締役 
日経COMEMO キーオピニオンリーダー
一般社団法人Z世代 代表

1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。
Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。

日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。


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今瀧健登 / Z世代の企画屋
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