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思い切って捨てちゃえば?

こんにちは、Funleashの志水です。桜は満開、春まっさかりですね。
この時期は、卒業、入学、入社、異動、転勤・・多くの人が今までの場所から新しい場所に身を置く心もとなさと喜びがそれぞれ入り混じった季節でもありますよね。以前のNoteに書いたように、私自身は新しい環境になじめなかった幼少期の思い出があり、この時期は何となく落ち着かなくなってしまいます。
さて、前回までは人事についての硬めの内容でした。たくさんの方が読んでくださりとても嬉しいです。本当にありがとうございました。今回はトーンを変えて軽やかにいきたいと思います。

手放すことは心地よく生きること

毎年この時期になると必ずやること。それは「断捨離」です。大変恥ずかしながら、根からズボラな私は油断すると生活が「とっ散らかって」しまいます。その状態になると気持ちがダウンするため、事前回避をするために断捨離をします。始めてから10年になりますがとても効果があるのでシェアします。
具体的には、毎年この時期に本や書類、洋服などを眺めながら一年間一度も袖を通さなかった、または使用しなかったものをまとめて処分します。
どんなに高価でもどんなにお気に入りでも「今の自分に必要なものか」と考えながら箱につめていきます。自分でも驚くほど豪快な捨てっぷりです。
ほとんどのモノはNPOの団体に送ったり、メルカリなどを通して売ったり、知人に譲ったりします。最終的に残ったモノは感謝をした後に別れを告げて捨てます。また、普段からモノが増えないように全体量も管理しています。靴を一足買えば一足は捨てる、ジャケットを一枚買ったらワードローブから、出番が少なくなった一枚を見つけてさよならします。

日々生活をおくっているうちにいつの間にかモノが増えますよね。モノが増えるとそれらを管理するための時間とエネルギーもとられてしまいます。モノを「手放す」ことで、それを管理する労力や時間が不要になります。
身の回りにスペースをつくって身軽になれば、新しいチャンスが舞い込んでくるぞと期待します。(決して風水やスピリチュアルではありません)
「捨てる」「手放す」ことは、自分がここちよく生きるために私自身が発見した価値観なのです。特に「シンプル・自分らしく・意味がある」は私が大切にしているキーワードです。

私生活のみならず仕事においてもこの価値観を大事にしています。
以前、勤務していた会社は多様性を大事にすることを何より大事にしていました。"you be you (あなたらしく)"というシンプルな言葉が文化として組織の隅々まで浸透していました。飽きっぽい私が20年近く働けたのは、常にチャレンジングな仕事が用意され、素晴らしい仲間に囲まれていたことはもちろんですが、何より会社の文化に心から共感できたからです。私自身が「自分らしくいられる場所」だったからだとあらためて思います。
ひとり一人が大事にしている価値観を尊重してくれる会社に出会えたことに日々感謝していました。だからこそ、この会社で成果を出したい、組織の目標に貢献したいというエンゲージメント(内発的動機。次回このテーマで書きます)高く、ワクワクしながら毎日楽しく働くことができました。

「シンプル・自分らしく・意味がある」を目指す

では私が大切にしていた「シンプル・自分らしく・意味がある」を仕事でどのように体現していたのでしょうか。(皆さんもすでにやっていらっしゃるかもしれませんがその場合はうなづいてください)

①時間に追われず、時間を味方につける
帰宅してゆっくり心身を整えたいので私は残業をしません。有休も使いきります。(必要なときは持ち帰ってやりますが)その代わり限られた時間で最大の成果をあげられるようにいろんな工夫をしていました。
就業時間の大部分を占める会議は45分で終わるように常に心がけていました。通常の会議時間はデフォルト60分なのでそれを変えてできる限り45分にしました。60分だと移動で遅れたり、前の会議のモードのまま参加して次の会議に集中できず成果はあがりません。残った15分は振り返りをしたり、次の会議の準備、そして時には数分間深呼吸しながら瞑想します。頭と心がスッキリした状態で臨めば集中が続きます。現在はオンラインが多いので移動はありませんがそれでもブレイクをとって脳を休めるようにしています。
この方法はずいぶん前からやっていましたが、友人の越川慎二さんの本の中でも紹介されていました。約600社16万人のデータから明らかにされた原則を知り、やっぱりそうなんだと安心しました。
この本には「短い時間で成果を出す秘訣」について誰でもできるようわかりやすくまとめられています。
「最小の時間で最高の成果」をあげるために活用してみてはいかがでしょうか。

②メールは手短に目的だけを伝える
メールは簡潔に要点だけを書きます。携帯のワンスクロールで見れる分量にとどめます。(同僚や部下にもお願いしていました)500文字以上になると人間の脳は読むのを拒むため理解度が一気に落ちるそうです。皆さんも長い文章だと頭に入らないことはありませんか?(といいつつ長いnoteでごめんなさい)また長いメールは、実は「読み手」の時間も奪っているのです。メールを下書きした後に「もっと簡潔に伝えられないか?」「時間泥棒になってないか」という視点で見直し、過剰な説明や表現を削除します。
季節の挨拶や形式的な書き出しで始まるメールはどうしても文字数が多くなるため、私はSNSのメッセージ機能を活用していました。現在、仕事の9割はビジネスチャットで済ませています。時間が大幅に削減されます。メールやメッセージは有限の可処分時間を奪ってしまいます。自分と相手の時間を尊重し、効果的に伝えることを目指して時間をどれくらいかけているのか可視化してダイエットするとスッキリしますし相手にも喜ばれます。

③必要のない書類やファイルは定期的に捨てる
年に一度はキャビネットや共有ドライブを整理します。管理部門のキャビネを見てください。放っておくとこれも増えます。過去のファイルが溢れていて検索しようとしたときに時間がかかってしまうことがありませんか?これは本当に無駄な時間です。必要な時に必要な情報にただちにアクセスできるようにファイルはアーカイブしたり、本当に必要なファイル以外は捨てます。(ちなみにメールは読んだら削除します)たまにファイルの名前を変えて保存する人がいますよね。クラウド保存ならば最終更新日時がわかるのでこの習慣はやめてもいい。他の人に迷惑です。後からほしい時にはサーバーのバックアップがあるので入手できるのですから。(バックアップしているかどうかは要確認です)また、紙のファイルやバインダーはスペースをとります。法律で保存期間が定められている情報はスキャンしてサーバーに保存、それ以外はどんどん捨てます。空いたスペースには楽しく気分が上がるものを置いていました。リモートワークが当たり前になった今は、特に雑談のネタになるようなものを置くとそこからオンライン会議が盛り上がることがあります。自分のモチベーションがあがるものを周りに置くといいですね。

④付加価値の低い業務がないか棚卸を行う
こちらも年中行事でした。半期に一度くらいで自分とチームの業務を見直していました。(トヨタカイゼン式のエッセンスを取り入れて)


・この業務は付加価値を高めているか?
・それはお客様のためになっているか?

上記の視点からあらゆる業務を洗い出して「廃止」するものとオーナーを決めます。10人くらいのチームなら、2時間もあればすっきり断捨離できます。オーナーは責任をもって廃止を見届けます。

以前、率いていた人事チームが毎月作成している定型レポート(報告書)を調べると50種類くらい。驚愕すると同時にその時間を社員との対話の時間に使ってほしかったので価値があるレポートだけを残そうと決めました。
経営や事業部に対して「来月からレポートの作成・配信を廃止します。事業に関わる重要なレポートだけは継続しますのでどれなのか教えてください」と連絡したら回答した人はあまりいませんでした。大半のレポートはNice to haveなのだとこの時に認識しました。
事業サイドで意思決定に必要なレポートはどれか?情報が重複していないだろうか?類似したレポートを複数のメンバーが作成してないか?このあたりを調べると必ず出てきます。あとはBIなどのテクノロジーを利用して必要なレポートを各自が自動で入手できるよう仕組みを作りました。経営チームや自部門でやってみて一番評価が高かったワークの一つです。

⑤大量のプレゼン資料は価値を生まない
社内ミーティングと同じように時間を奪っているのがプレゼン資料の作成。プレゼン作成は仕事をしているような気分になりませんか?「プレゼント」が語源のプレゼンテーションの目的は「相手に動いてもらう」こと。
相手に「伝える」ではなく「伝わる」内容にするにはどうしたらいいでしょう?社内用ならば、目的(why)、成果(What)、そしてやり方(how)だけに絞れば3枚程度ですみます。それが無理な場合には多くても10枚以内にする。
これでプレゼン作成の時間が大幅に削減されます。浮いた時間は、顧客の体験やサービスの向上につながるアイデアを考えたり、もっと意味のある仕事をする時間として活用できます。最近ではプレゼン禁止の会社も出てきていますよね。組織が大きければ大きいほど、相当な時間(=お金)が無駄になっているはず。それを考えると当然の流れだと思います。プレゼンの達人である越川さんの記事を再びご紹介します。

ここまで書いたことは効率・生産性を高めることもそうですが、それだけが目的ではありません。「シンプル・自分らしく・意味がある」人生を送りたいという私の価値観から来ています。浪費している時間を捨て、自分にとって「意味のある大切なこと」にエネルギーと時間を使いたいという意図があるのです。

捨てるから始める人事制度

組織を変化させたい、より成果を上げたい、社員が主体的に働いていほしい。さまざまな理由から経営や人事は新しい仕組みを導入しようとします。
ちょっと待ってください。導入前に、いまの制度に無駄がないか確認しましたか?昔からあるけどもはや残骸になったしまった使われていない制度は本当にありませんか?

人事戦略を策定・導入する場合、現在の戦略と整合していない制度はないのか?私の場合は、常にそれを検証することから始めました。
下の表に私がチームと一緒に導入した代表的な施策をまとめてみました。

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改めてみると、まだどこの会社もやっていないような時期に革新的な制度を取り入れているなと思います。導入の前に廃止から始めていることがポイントです。
中でも転勤制度の廃止は社員からかなりポジティブな反応、財務的にも効果を得られました。目的や効果についてはこちらをどうぞ。

私たちが廃止した制度は、「過去に何らかの理由で導入したが現在は価値がない」あるいは「日本型雇用システムでは当然の制度だったが、グローバル企業の理念や人材戦略にもはや合わない」と感じたので思い切って手放しました。
もちろん簡単ではありませんでした。レジスタンス(抵抗)がなかったわけでもありません。それでも強い意図をもって実行しました(詳細はまた別のnoteに書きます)さらに導入した制度は定期的に(2-3年毎に)モニタリングを行い、リーダー及び社員やからのフィードバックを反映して修正しました。最も重視したのはROI(投資収益率)でした。効果がないと判断したときには、サンクコスト(回収ができない投資費用)に関わらず廃止することもありました。

最近は未来の事業を見越して人事制度の改革に着手し、人材への積極的な投資を行う企業が増加しているようです。下記の記事でも、AIの台頭により消える仕事がある一方で新しい職種を設置したことが読み取れます。
これまでの当たり前や慣習を捨てることで、新しい雇用体系や職種が生まれたのでしょう。このように組織と人材のニーズを満たす画期的な制度がどんどん生まれ、社会に変化が広がることを期待しています。


「手放す」ことは「新しいことを始める」よりも数倍勇気が必要です。
何かを辞める・捨てることは「変化」を伴うからです。人間は元来変化が苦手なので不安を感じて現状を維持しようとします。私も最初はそうでした。
でも何かを変えたい意思があるならば、「新しい理想の状態」を描いてそれをモチベーション(動機)に変換するといいと思います。
ある調査によると、不安や懸念の80%は起こらない、20%のうち16%は準備さえしていれば問題ないそうです。準備さえしてればリスクは減ります。
短い人生、4%のワーストシナリオを心配するよりも、挑戦して自分らしく生きたい。私はそう考える人間です。さて皆さんはどうですか?

信念


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(株)Funleash代表取締役、アカデミア学長。人事ソートリーダー。Linkedin認定インフルエンサー。「2020インフルエンサーオブザイヤーTOP10」複数の外資系企業で人事責任者として変革を実行。人と組織の可能性を引き出す変革の外部支援。講演、執筆など幅広く活動中。