従業員の複業をどう受け止め、応援するのか
日経COMEMOのKOLをしております、大林です。60,000名以上が実名顔写真付きで登録する複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する株式会社Another worksの代表をしております。
今回のテーマは、「従業員の複業」。先日、私が出演させていただいたテレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」でも「自社メンバーの複業をどう思うか」というトピックにてお話しました。複業解禁が進んだ今、非常に注目されているテーマだと思います。
結論から申し上げると、私は従業員の複業は解禁、そして経営者として応援すべきだと考えています。
一方、会社の経営者や管理職の皆さんにとって、従業員が複業をすることを応援したいと思いつつ、不安を覚え、手放しに喜べないという相談をよくいただきます。日経でも紹介されている経団連のアンケート調査では、かつて社員の副業に反対する理由には、「本業がおろそかになる」「離職を促す」が挙げられたといいます。
そこで今回は、従業員の複業をどう受け止めるのか、60,000名が登録する複業プラットフォーマーであり、ベンチャー企業の経営者の実体験を基にお話していきますので、参考になれば嬉しいです。
複業(副業)解禁の今
前提として、現在、複業(副業)解禁は非常に進んでいます。経団連の調査によれば、2022年時点において回答企業の70.5%が、自社の社員が社外で副業・兼業することを「認めている」または「認める予定」と答えたそうです。また、特徴的なのは従業員数が多い企業ほど、認めている割合が高くなることです。実際、常用労働者数5000人以上では、「認めている」または「認める予定」の合計は80%を超えたといいます。
2022年の複業(副業)解禁企業はこちらでまとめています。
複業は解禁すべきか否か
私は経営者として複業は解禁すべきだと考えています。複業を従業員に解禁するメリットの1つは離職防止につながることです。従業員が一念発起して興味関心のある分野にいきなり転職するというサプライズが、複業を解禁していれば、まず複業で挑戦するという選択肢に変わります。
また、複業をすることで自社の魅力に気づくために、離職率防止に繋がるケースも多くあります。日経では、社員を社外の研修やインターンで学ばせる「越境学習」をテーマに取り上げており、記事内でリクルートマネジメントソリューションズの井上氏は「自社を客観視できる経験をすることで自社の魅力を再認識する」ことができるとコメントしています。
従業員にとってやりたいこと、挑戦したいことが1社で全て叶うケースは、非常に珍しいことだと考えています。例えば、今の仕事は好きで楽しいものの幼い頃から好きなスポーツにも関わってみたい、東京に上京してから結婚し生活しているもののどこかで地元との接点を持ち続けたいなど、これらは多くの人が何気なく抱いている感情でしょう。
しかし、この願いの実現のために複業という選択肢があれば、必ずしも本業を辞める必要はありません。本業の1社だけでは叶わないことも、本業を続けながら複業で実現できることができるのです。複業も含めて自己実現をし、幸福度の高いウェルビーイングな状態を保つことで、より本業のパフォーマンスが上がっていく、非常に良い循環が生まれていきます。
従業員から複業の相談があったとき
従業員から「複業をしたい」と相談されたとき、まずは挑戦を応援をすること、その次に複業の目的を聞いてみることをおすすめしています。
複業は何より本業のスキルアップ・キャリアアップに繋がっていきます。複業で学んだことを本業で活かすという考え方はもちろん、本業で足りない部分から逆算して複業を選ぶこともポイントです。例えば弊社では、1年後2年後の弊社に必要なシステムやフローの導入に向けて、他社で複業をしながらノウハウを学んだり、我々が掲げる大義である「複業が当たり前になる世の中を」実現する上で実際に複業をしてみて現状の課題を体感したりするメンバーがいます。
そのため、従業員から相談があったときは、目的を基に共に目標設定してみるもの1つよいでしょう。複業の目的が「本業で足りていないスキルがあると感じていてスキルアップしたい」ことだった場合、どんなスキルを身につけたいのか、将来的に必要になる未来のスキルを共に洗い出し、ベストな複業先(例えば業界や企業規模など)を一緒に考えてみることも可能です。目的をチャンクダウンし、本業でのスキルアップの達成を共に目指すことができます。
もちろん、複業は個人活動のため、プライベートへ踏み込みすぎないことは大前提として大切ですので、ご注意ください。
ここまで、従業員の複業への向き合い方を、私なりにお話してきました。今後も会社経営する上での気付きや働き方の変化について発信していきますので、是非チェックお願いします!
大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
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