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誰もが「パラレルキャリア」が必要な時代に私たちは何をすべきなのか 〜後編

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

パラレルキャリアが必要な時代に注目しておくべきものがあります。それが「クリエーターエコノミー」です。日経電子版でも数多く話題になっています。

個人がクリエーターとして力を示す動きは世界的な潮流といえる。動画や文章、イラストの作成、グッズやスキルの販売など、特技や好きなことで対価を得るクリエーターエコノミーの国内市場は34年に10兆円を超し、21年の7倍以上になる見込みだ。

米調査会社ガートナーの予測では、26年には4人に1人が仕事や学習、交流などのため少なくとも1日1時間をメタバースで過ごすようになる。3次元空間を動き回り、気づかずにいた自分の才能を見つける機会が増えるかもしれない。とすれば「高齢化する80億人」も成長の制約とは限らない。

アバターになって経済行為をする以外の道もある。メタバース環境を整える仕事だ。

オンラインゲームの米ロブロックスは1日6000万人近くが利用する。アバターとして遊ぶだけでなく、ゲームやアイテムをつくって稼げる。その額は22年7~9月期で1億5150万ドル(約210億円)と前年同期比17%増えた。

日経電子版

前編に引き続き、4月8日発売となる『稼ぎ方2.0』の序文を抜粋して公開します!予約はすでに受付中ですので、興味を持った方はぜひご一読ください。

〜以下、本書より抜粋〜

誰もが「パラレルキャリア」を築ける〝クリエイターエコノミー〟の到来

 これまでの「別キャリアを作ろう」というキャリア論は、実際には理想論にすぎませんでした。しかし、実は欧米では、この理想が現実になってきている「現象」が起こっています。欧米では今、会社員が、勤めている会社とは別で、個人でもキャリアを作るというブームが起こっているのです。それを可能にしたのが、「クリエイターエコノミー」です。

 皆さんも近年のNFT熱の高まりで、一度は聞いたことがあるかもしれません。クリエイターエコノミーとは、テクノロジーの発達によって、クリエイターが物を作ったり、売ったりする環境が整ってきた現象を指します。
「そんなのクリエイターだけのものでしょ?」と思われるかもしれませんが、いま欧米で起こっているのは、実はそういった限定的な現象ではありません。欧米では、プロのクリエイターに限らず、一般の会社員が売れるものを作れるようになっています。そして、作ったものを十分な収入源として売ることで、パラレルキャリアを実現する人が増えているのです。
 つまり、クリエイターエコノミーは、多くの人がこれまでパラレルキャリアに踏み出せなかった「2つの原因」を見事に解決している潮流なのです。
 では、実際にどのように「作るハードル」と「売るハードル」を解消しているのでしょうか。ここで少しだけ、「クリエイターエコノミー」を象徴するテクノロジーについて触れておきましょう(詳しくは第1章でお話しします)。

 例えば、「作るハードル」を解消するツールの1つが「Midjourney(ミッドジャーニー)」です。ミッドジャーニーは、AIが説明文やキーワードとインターネット上にある絵を結び付け、画像を生成してくれるサービスです。
簡単にいうと、自分で絵を描かなくても、「こういう絵を描きたい」というイメージをちょっとした言葉で伝えると、それに合った絵が自動で生成される技術です。「絵を描く」という技術を持っていない人でも、簡単に「絵」というコンテンツが作れてしまうのです。
 ほかには、文章から動画を自動生成する「CogVideo(コグビデオ)」というツールがあり、簡単な文章を入力すれば、その文章に基づいて動画を作ることができます。こちらも同じように「動画を作る技術」など持っていなくても、「動画」というコンテンツが作れてしまいます。
クリエイターエコノミーでは、こういった「作る技術などなくても高品質のものが作れる」テクノロジーが次々に出てきているのです。

「とはいえ、仮に作れても、収入源になるような値段で売れないでしょ?」と思う方もいるかもしれません。そんな「売るハードル」を解消しているツールに、「Fanhouse(ファンハウス)」というプラットフォームがあります。これは個人がコンテンツを有料で提供することを助けるサービスです。買い手に対して、月額課金を取ることもでき、個人が稼ぐことができています。
 また、趣味としてやっていたことが、大きな収入源として売れる例もあります。それが、会員制のオンラインスクール(講座)を個人が作れる「Maven(メイブン)」というプラットフォームです。このサービスによって1対1のオンラインレッスンを開催したり、レッスン動画や教材などを配信したりできるようになっており、海外では普通の会社員でも、趣味で培った知見を人に教えることで、収入源にしている人が増えています。
 
 これらはたくさんある例の一部にすぎませんが、クリエイターエコノミーではこのようなテクノロジーが次々に出てきており、多くの人が「パラレルキャリアを持つのが当たり前」の世界になってきているのです。

〝クリエイターエコノミー〟時代に活躍する「稼ぎ方2.0」とは?

「とはいっても、それは海外の潮流であって、日本には来ないでしょ?」と思う方もいるかもしれません。しかし、過去を遡れば「欧米のテクノロジー」と「テクノロジーに端を発した新しい働き方」は確実に日本にも影響を及ぼしてきました。
 さらに、日本では今後、大企業を中心に副業解禁の流れが加速すると予測されていますから、一気にクリエイターエコノミーが活性化すると考えられます。

詳しい説明は本文に譲りますが、一言で説明するなら「クリエイターエコノミー」は「楽しんで働いたもの勝ちの世界」だということです。なぜなら、個人の提供する物やサービスが売れるかどうかは、「共感」が重要になってくるからです。
だからこそ、「自分が好きで好きでしかたないこと」を第二のキャリアに据えるべきです。
そうして、「自己実現」を中心に、「やりたいことを仕事にする」。それにより皆さんの心に生まれる「熱狂」こそが、買い手の「共感」を呼びます。
「遊ぶように働く人」こそが成功する時代。それが「クリエイターエコノミー」であり、そんな新時代に適した働き方が「稼ぎ方2.0」なのです。

本書はこの対比図を基に構成しています。 
まず序章では、「そもそもなぜ今、パラレルキャリアが必要なのか」、日本社会や企業が置かれた環境の変化に言及しながら明らかにしていきます。
続く第1章では、「クリエイターエコノミー」の全容について理解を深めるとともに、「誰もがパラレルキャリアを築ける時代であること」を、事例を挙げながらお伝えします。
 そして、第2章では、クリエイターエコノミー時代に求められる「働き方2.0」とは何か。なぜ「目的」「考え方」「価値基準」「行動」「人間関係」の5つの観点において、考えをアップデートすることが必要なのか、その理由をお伝えしてきます。
 そして、第3章~第7章では5つの観点のそれぞれから、クリエイターエコノミー時代に活躍するために「具体的に皆さんがやるべきこと」をご提案していきます。
 読み進めていただけたら、私が提唱する働き方が理想論ではないことがわかっていただけるでしょう。
 
 変わらないことがリスクの時代。ぜひ本書を通じて最先端の働き方に触れ、「稼ぎ方2.0」に一歩足を踏み出してみましょう。
 あなたの働き方が変わり、望ましい人生を実現していただくことを心から願っています。



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