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あなたの給料は高いか安いか?ーこれから会社はどうなる?あなたはどうする?(中)

年功序列が終わりかけている
年功序列が崩壊するということは、どういうことか?

ある会社に入社して10年間勤めたその人を
会社が10年社員として価値がある
と評価されなくなるということ

その人の実力を、その段階その段階で、棚卸しをして、それに見合った賃金が決められる時代になろうとしている

年功序列の崩壊とは、年功賃金の崩壊でもある
年功賃金の崩壊とは、なに?

たとえば50歳の部長が24歳の入社3年目の若者と同じ賃金となるということを許容しろということ。会社でのその人のパフォーマンスを比較して、「圧倒的に生産性が低い人が圧倒的に賃金が高い」という状態を、日本社会、日本経済が、もう許容できなくなりつつあるということ

日経COMEMO(池永)「給与もらいすぎと思う人は手をあげて」

長く勤めた会社を辞めたら、よくわかる
再就職すると、自分の賃金の低下に驚く
会社に長くいると気づかないが
外に出たらわかる

一般社会の基準からすれば
それがあなたの評価
そんなものだよ

ということに気づかされる
だから、なにをすべきかは明らかなのだが
それをしない人が多い

本音のところ

自分は自分の仕事ぶり以上の給料
をもらっている

という自覚がうっすらある

若いうちは一所懸命に働いているけど
給料は少ないと思っている

中年以上になると
たしかに自分は働いている以上の
給料をもらっているが
その増分は、若いときからの努力の年金みたいなもので、当然だと思っている

それは、共同幻想で凝り固まった
組織のなかでのロジックにすぎないことに
気がついていない

しかし外から来た資本からしたら
そのロジックの意味が分からない

若い頃の給料が安い分を
年金のように積み立てて
中年になって払われているならば
理解できるけど

若いときは、安い給料で頑張ってきたのだから
ベテランになったから
その時点の高い給料をもらって当然
と思うのはおかしい

また若い世代では
終身雇用
年功序列
という概念は薄くなった

さらに最近めっきり聴かなくなったのは
退職金という言葉
転職する人が多くなったから
退職金の位置づけが変わった

退職金こそ、年金的な性格であって
その人が入社以来
会社がその人の退職金の引きあてをしていく
退職するためのお金を分配から一部積みたて
退職金の基金ファンドから
出してきた

ずっと変わらなかった会社の
風景が変わりだしている
転職が増えてきた
定年までずっと同じに会社にいようと
考えない人が増えてきた

それは、会社からしたらどうか
歩留まりして、お金が潤沢となっていく
退職金として、引きあてをしてきたが
社員が適当な時に辞めていくようになったから

会社にお金が残る


転職エージェントなど転職を促すシステムが
突然、日陰から日向になり
社会に広がるようになり

企業は助かりだしている

うだつが上がらない部長や課長が
転職エージェントにエントリーして
外に流れると
退職金を満額、払わなくて済む

あ、どうぞ、やめてください

しかし、世の中、ありがちだけど
みんな、意識過剰である

簡単に他の人と入れ替えが可能です
という気運を察知すると

やっぱり会社にしがみつく

自分の価値を周りに
無理やり認めさせようとする

部長が組織を重要視するのは
たいがいはその部長自身のサラリーの基盤を
揺るぎないものにしようとするため

権力闘争っていうのは
取締役以上の世界の話
それより下は賃金闘争

高い賃金を得るために
わたしは部長にならないといけない
課長にならなければいけないという世界

権力なんて、もともとない

サラリーマン社会は
競争社会だと言われるけど

本質は、賃金闘争

日本の労働生産性の低さが
最近いろんな場面で議論されているが

そもそも大企業の正社員の給料が高い
特に大企業の40代以上の給料が高い
そこを適正化すると
若い層に給料がもっと回り
いわゆる雇用問題が相当改善する

非正規雇用の話を
本人の身勝手の就業観の結果として
正規の雇用ではなく
いろんな会社を好き勝手に渡り歩いているから
と言う人がいるが

実態はそうではない
契約社員みたいな形で
非正規の扱いになっている
それがすごく大きい

それって、アンフェア
同じ業種で同じ仕事をしていて
分配に格差があるのはアンフェア

じゃあ、正規社員と待遇を一緒にするというと
組織や会社に対する忠誠心に影響がある
と正規社員は反対するが

正規社員に忠誠心があるのならば
転職エージェントが伸びるわけがない

転職エージェントの登録が増えているのは

会社そのものを
信用していなくなったから

だから賃金闘争

ちょっとでも給与がいい
職場に行きたいと思って
転職エージェントに登録する

お金の要因が大きい

役員ぐらいになると
お金もそれなりに確保されているから
権力とかになるが
課長以下はお金

日本と世界を比較すると
大企業の正規社員の40歳以上の給料が高い

その高すぎる理由を支えている
社会的に許容されている背景がある

給料が
本人そのものの労働力・成果対価だったら
ドライにやればいい

「あなたは45歳だけど
まともな仕事ができていないから
20万円にします」としたらいい

ところが家庭を持って
ローンを抱えている人に
あんまりひどいことをすると

まわりで問題が起きたり
いろんな社会的な現象が起こってしまう

と思ってしまう

たとえば45歳になって
新入社員と同じような給料になったら
奥さんは怒る

ほんとうは怒る合理性はないが

自分が下積みをやっているときに
家族に我慢を強いてきたから
年齢相応のお給料を持って帰らないと
家庭が不和になるだろう
と考えてしまう

いかにも日本的

だから家庭を不安定しないために
ろくすっぽ仕事をしていないのに
年季が入った人の給料を
ある程度保ってあげないといけないだろう
という発想は

いかにも日本人的

そこにメスが入ると
どういうことが起こるかは、次回に


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