デジタル庁のDXは民間企業より進んでいる?!
こんにちは。グローバルでDXの調査・支援をしている柿崎です。
今回はデジタル庁について、特に民間企業と比較して進んでいると思われる点について書きたいと思います。
私がnote(日経COMEMO)を書きはじめて1年が経ちます。
はじめて書いたnoteは以下になります。
このnoteで書いたことは以下の2点です。
・DXのリーダーが集まるイベントで、日本の登壇者は男性のみ、海外の登壇者の半分は女性
・男性か女性かは問題の本質ではなく、組織にとって一番ふさわしい人がDXのリーダーになるべき
デジタル大臣が女性に
昨年12月5日、日本のDXのリーダーが集まるイベント(CDO Summit)が開催されました。このイベントの登壇者は、冒頭のnoteで書いた2018年のイベントと変わらず100%男性でした。
日本企業のDXのリーダーは男性役職者が務めることがなかば常識といえます。
一方で、2021年10月、女性で当時44歳の牧島かれん衆議院議員がデジタル大臣に就任しました。女性という理由に限らず牧島大臣がふさわしい点については別の機会に書ければと思いますが、民間企業では相変わらず男性役職者がDXのリーダーを務めているのに、行政のDXのリーダーが変わった点だけでもまずは評価して良いのではないでしょうか。
横串を通した取り組み
DXは組織全体で取り組む変革です。民間企業では、事業部側の抵抗により上手く推進できない、という話をよく聞きます。
一方で、デジタル庁では横串を通した取り組みが生まれています。
デジタル庁は1月7日に「教育データ利活用ロードマップ」を公表しました。以下が当日の日経新聞の記事です。こちらでは、デジタル庁しか記載されていません。
デジタル庁が公表した「教育データ利活用ロードマップ」を見てみましょう。
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/digital/20220107_news_education_01.pdf
上の表紙をご覧ください。デジタル庁だけでなく、総務省、文部科学省、経済産業省が連名で記載されています。タコつぼ組織の典型とよく言われる省庁において、デジタル庁が横串を通して取り組んでいるだけでもすごいことではないでしょうか。
デジタル庁が民間企業にとっても難しい横串を通して取り組んでいることを、もう少しメディアが取り上げてほしいですし、国民ももう少し評価して良いのではないでしょうか。
デジタル企業からの人材採用
前回のnoteでDXが必要な企業はアナログ企業であることについて書きました。
海外では、アナログ企業がデジタル企業の人材を採用してDXを推進することがよくあります。デジタル企業に生まれ変わるために、デジタル企業の人材を採用して推進することが近道であることは容易に想像できるかと思います。
デジタル庁の幹部を確認したいと思います。
私が注目したのは、Chief Product Officerの水島壮太氏、Chief Technology Officerの藤本真樹氏です。
水島氏はラクスル株式会社の取締役CPO、藤本氏はグリー株式会社の取締役 上級執行役員 最高技術責任者を務められている方です。
デジタル庁がデジタル企業の人材を採用していることは、本気でDXを推進しようとしている姿勢が表われているのではないでしょうか。
デジタル庁は、民間企業に比べてメディアの批判にさらされ易いので遅れている印象を持たれるかもしれませんが、民間企業が学ぶべきことがあるように思います。
今後のデジタル庁の取り組みに期待するとともに応援していきましょう。
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