DXもCXもすべてはPXから始まる(前編:人は誰でも変われる、きっかけさえあれば)
こんにちは。Funleash志水です。前回の記事もスキとコメントをたくさんいただきありがとうございます。経営や人事には耳の痛い話は敬遠されるかなtと心配でしたが、これを機に社内のコミュニケーションを見直しますと前向きな反応もあり嬉しく思います。
ファンリーシュ(Fun&Uneashの造語で楽しく可能性を解き放つ)という会社を仲間と立ち上げて約3年ほど。外資系の事業会社しか経験がなかったのに、現在は複数の日本企業の外部支援をしています。業態やサイズもさまざまで(NPO、ベンチャー、大企業まで)、人事制度や施策の導入にとどまらず、主に変革をテーマとしてコンサルではなく、内部に入り込んでお手伝いをしています。
今日、変革はある種の合言葉になっています。この言葉を聞かない日がないほどです。より良い社会のために、ビジネスにおいて持続的な成功を実現するために「変わらなければいけない」しばしばそんな文脈で使われますよね。場面によって「変革」の意味合いや方法は異なるにせよ、すべての変革は「一人の変容」から始まることは日本もグローバルも同じ。世界共通の重要なテーマとなっています。
長年、組織・リーダーシップという領域を軸にキャリアを重ねてきた私は「人は変われる」という強く信じています。その変化のプロセスを見るのが楽しくてこの仕事を続けているのだと思います。今年はその信念にしたがい、新しい取り組みに挑戦しました。
その名もずばりPX=パーソナル・トランスフォーメーション。
プログラムの目的は、組織の成長を牽引してきたミドル・シニア人材の方が、自分の強みや個性を最大限に活かして、より豊かな人生を送るために組織内外で主体的なキャリアを描く。個人の成長とキャリア実現を支援をするもの。本格的な展開の前に、複数の企業から参加者を募って3カ月間にわたってパイロットプログラムを実施しました。(詳細については近いうちにリリースしますのでお楽しみに)
なぜ、ミドル・シニア層に注目したのか?主に二つの理由があります。
確かに未来を紡ぐ若手は日本再生の原動力であることは間違いありません。
しかしながら、先進国の中でも高齢化のスピードが極めて高い我が国の現役世代は40-50代のミドル・シニア層です。人生100年時代といわれる現在、80歳まで現役で働くスタイルが普通になる未来はそう遠くないはず。一つの会社で長年働き続け定年を迎えるという、これまでの世代とは異なる働き方を誰もが模索しなくてはならない。外部環境の大きな変化、その波に正面からさらされている現在のミドル・シニア層はあらゆる年代で一番「変革」が求められているといえるでしょう。
自分の好きなことをしながらセカンドキャリアを発見してイキイキと働き続ける。社会や組織に価値を提供し続けているという実感を持てる。彼らの変革は、経験したことがないほど長い人生を生き抜くことになる若手にとって有益なヒントとなるでしょう。また、若手だけでなく全世代の働き手が自分らしいキャリアを歩むことは個人にとってメリットがあるだけでなく、所属する組織の成長、社会の発展に大きく寄与するに違いない。
そこで考えついたのが、ミドル・シニア層の変革を支援するPX(パーソナル・トランスフォーメーション)というプログラムです。
講師として参画されている株式会社フィラメント代表の角勝さんがnoteにプログラムを紹介してくださっています。ご自身も公務員から新規事業創出コンサルティング会社を起業し、「トランスフォーメーション」した角さん。コメントが秀悦なので引用します。
実際にパイロットを実行して、私たちの仮説は間違いなかったと確信しました。日本企業のミドル社員は知識・経験が豊富で高い能力を保持しているにもかかわらず、何らかの理由により(個人の問題よりも人事制度やマネジメントの問題が主な要因かと)十分に開花する機会に恵まれこなかったのではないか。きっかけさえあれば、若手同様、まだまだ能力を伸ばすことができるのではないか、自分の強みや個性を認識できたら、やりたいことに挑戦し、より主体的な行動がとれるようになるのではないか。
短いパイロットを終えたばかりですが、参加者の変化を目の当たりにして、もう少し磨けば、もしかすると日本を再生する「特効薬」になるのではないかとさえ思い始めています。少なくとも組織に活力を取り戻すことができます。
パイロットに参加されたのは名だたる日本企業のミドル~シニア社員の皆さん。想像以上の伸びしろを感じました。講義やコーチングを通じて皆さんを知れば知るほど感激しました。参加者に共通していたことは以下の通り。
・自身の弱点や抱えている課題を自己開示できる勇気
・新しい学びに対する強い好奇心や探求心
・他者との対話を通して成長したいという前向きな姿勢
一方で、「自分」と「会社(所属している組織)の距離が非常に近く、会社の一員としての意識が強すぎるのは予想以上に手ごわかった。会社と自分が一体化しているといっても過言ではありません。どのような問いかけを投げ返ても、常に「会社目線」になる。会社のミッションという重くて分厚い鎧を身につけて長年戦ってきたこともあるでしょう。
ただ、その鎧がじゃまをして視野が狭まり、奇想天外な発想ができず、自ら可能性に蓋を閉めてしまう。そんな側面も観察されました。
新卒で入社し長期に渡って会社から求められる役割を演じ、現在も組織の中枢で責任のある仕事を担っている。仕事や家族を優先して本当に自分のやりたいことや関心があることを後回しにしてきたのかもしれませんね。
こうして多くのミドル・シニア層はいつのまにか情熱や輝きを失っていったのかもしれません。(再び取り戻せますが)
分厚い鎧を外して彼らが自分自身を解放することができたら、本当に自分のやりたいこと、人生の目的が再発見できたら、リスクをとって自らの夢をかなえるためにリスタートがきれたら・・。
そんなカッコいいミドル・シニア層を増やすために私たちの経験やスキルを総動員させて支援しよう。Funleashメンバーはあらためて誓いました。
後半は、人が変革をとげるために何がカギとなるのか。パイロットプログラム内容を紹介しつつ、一緒に考察できたらと思います。後編はこちらから↓