やっぱりセブン-イレブン。「コンビニスイーツ」のインサイトを発見するには?
セブン-イレブンの苦戦を伝える報道が続いています。
ツイッターでは、こうした報道と共に「値上げ底上げ弁当」「トリックアートパッケージ」「詐欺サンド」等の罵詈雑言が並んでいます。親の仇討ちか何かでしょうか。いったん落ち着きましょう。
ダイエット時には高たんぱく質を求めて、セブン-イレブンで鯖やサラダチキンやサラダを買うので、こうした状況に胸を痛めています。オマール海老のビスクも美味しい。冷凍食品も美味しい。「反省しろよセブン-イレブン、だけどやっぱりセブン-イレブン」と筆者は思っています。
ただし、コンビニスイーツ。これは伸び代を感じています。もっとワクワクしたい。どちらを買うか迷いたい。そして、どちらも買いたい。
というわけで、今回は「コンビニスイーツ」をテーマに、CEPの発見からインサイトの抽出までをやってみます。
コンビニへの来店頻度/好意度
コンビニスイーツのCEPを発見する前に、そもそもコンビニへどれくらいの頻度で来訪しているか、またどれくらい好意度があるのかを調査しました。
ここ最近(~3か月以内)、どれくらいの頻度でそれぞれのコンビニに訪れているか聞いたところ、以下のような結果となりました。
週1回以上と回答した割合は、セブン-イレブン36.50%、ファミマ27.23%、ローソン27.00%、ミニストップ3.29%、デイリーヤマザキ2.06%となりました。(聞くタイミングやパネルによって数値は変わるででょうから、ざっくりとした傾向として掴む数字かと思います)
こうした傾向になるのは、店舗数が影響していると考えます。日本経済新聞社が実施した2023年度コンビニエンスストア調査によると、各店舗数はそれぞれ以下の通りだそうです。
セブン-イレブン:2万1535店
ファミリーマート:1万6271店
ローソン:1万4643店
ミニストップ:1856店
デイリーヤマザキ:1315店
では、来店頻度は「好意度」に影響するでしょうか。上記5つのブランドを並べて、「あなたが好きなコンビニのランキングを作成してください」とお願いしました。その結果は以下の通りです。
セブン-イレブンは47.76%が1位だと選択しました。もし調査を第1四半期決算後に行っていれば、傾向はまた変わったかもしれません。事前に調査をしておいて良かったです。
さて、こうして見ると、訪問頻度と好意度に一定の相関があるのでは、という仮説が浮かびます。そこで、訪問頻度×好意度の表を作成しました。
例えば「週1回」で比較すると、セブン-イレブンの場合は56.40%が1位を選択していますが、ローソンの場合は34.22%が1位を選択しています。つまり訪問頻度と好意度が必ずしも関係するとは言い難い結果となりました。
その理由は「そのブランドだけ訪問している消費者が少ない」ことに尽きると考えます。例えば、セブン-イレブンには行ったことがあるけど他4社のコンビニに行ったことが無いのは280人(4.04%)でした。他、ファミマのみは96人(1.39%)、ローソンのみは104人(1.50%)でした。
そこで、横軸にセブン-イレブン、縦軸にローソンの訪問頻度の表を作成しました。「ですよね」という結果になりました。
つまり、大半の人は普段から複数のコンビニを利用しながら、訪問頻度にさほど大きな違いが無いなかで、セブン-イレブンの好意度が相対的に高いということが分かりました。
これは過去の「良いイメージ」が大きく影響しているのではないか、と考えます。今日の結果は、昨日の原因に成り立っているのです。
だから、そういう過去の「良いイメージ」を壊すようなことは絶対やってはいけないし、「反省しろよセブン-イレブン」と思うのです。
インサイトをどのように抽出するのか?
ビジネスパーソンで、インサイトの話を嫌う人にあまり会いません。筆者も大好きです。「そういう手があったのか!」と思うことがしばしばです。
一方、そうしたインサイトを「どうやって見つけるのか?」について焦点を充てたコンテンツは少ないかもしれません。「インタビューで…」「社内で議論して…」とボカされています。絶対に盗まれてはいけない秘伝のタレでもあるでしょうから、口を濁すのは当然かもしれません。
余談ですが、デコム在籍時に苦労したのは「事例が取れないこと」でした。競合に知られたくない!って理由でした。
そこで、まずは、どうやってインサイトを見つけるか?(HOW)に焦点を絞って解説します。
例えば、あなたがスマホゲームアプリの開発者だったとして、離脱したユーザーにインタビューする機会があったとします。ゲームはリテンションが年々低下しており、ロイヤリティーを高めることが喫緊の課題でした。
離脱したユーザーには「何らかの理由」があるはずです。それこそがインサイトです。インタビューを通じて、それを引き出さなければなりません。
何と聞きましょうか。ずばり、そのまま「どうしてゲームを止めたのでしょうか?」と聞いてみましょうか。90%ぐらいの確率で「飽きました」と返ってくるはずです。ウソではないでしょうが、本音でもないでしょう。
ところが「飽きた」という言葉が独り歩きして「『飽きた』を早めに検知できないか?」というビッグデータプロジェクトが走り出すのです。
筆者も1度経験があります。「ログイン頻度が少しずつ減るのでは?」「滞在時間が少しずつ短くなるのでは?」と仮説を立てた結果、「定期的にログインしたくなるようなコラボキャンペーンしましょう!」みたいな結論が出ました。
確かに、「ログインするのを止める」という結果を生んだのは、「飽きた」という原因です。しかし、「飽きた」という結果を生んだ原因は何なのでしょうか? それが分からない限り、「ログインしたくなるコラボキャンペーン」が施策として正しいかどうかは分かりません。(新規ユーザーは増えるでしょうがリテンションは低いままになりそう)
どうやって「何らかの理由」を聞き出すのか。その手法の1つが、参照点を設けることです。
例えば、「今の仕事に不満はありますか?」と聞くより、自分より仕事で活躍しているAさんや年収が高いBさんと比べるのです。「あなたは仕事を一生懸命頑張っているようですが、AさんやBさんの仕事ぶりと比べて、今の仕事に不満はありますか?」と参照点を設けて聞いた方が、不満は出易いです。
そもそも、不平・不満は何かと比較するから出るのです。自己啓発書を読むと「他人と比較するな」と記載されています。なぜなら誰と比較しても自分の足りない点を見つけてしまい「不満が出る」からです。
同じように、スマホゲームアプリにおける離脱したユーザーの「何らかの理由」も、参照点と比較して聞くことで「実は…」と出てくるのではないでしょうか。
例えば、「勝負事は何かと夢中になってしまう」人に「ところで、そんなあなたがスマホゲームに最近ログインしていませんが何かありましたか?」と聞いてみましょう。「対戦で何度も負けて悔しい思いをしたから」という回答が返ってくるかもしれません。
例えば、「課金はせずに気軽に遊びたい」人に「ところで、そんなあなたがスマホゲームに最近ログインしていませんが何かありましたか?」と聞いてみましょう。「廃課金者とたたかって金の力をまざまざと見せつけられたから」という回答が返ってくるかもしれません。
これらの回答は「そう言えばそんなことあった」と思い出す内容であったり「言われてみれば」と整理して気付く内容であったりします。いずれにせよ脊髄で反応した回答ではなく、脳で思考を通した回答だと筆者は考えます。
参照点としてのCEPを発見する
本人がパッと思い出せなかった「何らかの理由」を聞き出すための参照点の筋の良さが、インサイトに巡り合うために重要なポイントです。
筆者はあれやこれやと模索した結果、「CEPを使うのが良いかもしれない」と考えるに至りました。今回は「コンビニスイーツのインサイト」ですからお菓子を購入する際のCEPが良いでしょう。
お菓子と言っても、洋生菓子もあれば和生菓子もあるし、チョコレートもビスケットもあります。それらはコンビニで買えるから「コンビニスイーツ」と呼ばれますし、百貨店で買えば「デパ地下スイーツ」と呼ばれます。
まずは、ここ最近(~3か月以内)、どれくらいの頻度でそれぞれお菓子を買っているか聞いたところ、以下のような結果となりました。
「買っている」なので、どのお菓子も20%~50%が「買っていない」と回答しているのが特徴です。パッと見た感じ、商品単価も影響していそうな印象を受けます。
全日本菓子協会によると、令和5年の菓子小売金額はチョコレートが6,040億円、スナック菓子が5,304億円…と記載があるので、傾向としては一致していそうです。
続いて、買った場所を聞いたところ、以下のような結果となりました。
スーパー、コンビニ、ドラッグストアが上位を占めるようです。百貨店は意外と少ないのが驚きでした。
こうした背景を頭に叩き込んで、マーケティングリサーチを用いてCEPを発見していきます。ちなみに、詳細な解説はこちらに記載しています。
文章完成法を用いて以下のような質問を作成し、先ほどいずれかのお菓子をここ最近(~3か月以内において)買ったと回答した6,142人からの回答を得ました。
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Q.何がお菓子を買うキッカケになったでしょうか? もっとも印象に残っているキッカケを、できるだけその瞬間が目に浮かぶように記載してください。
私が買ったお菓子は、( )だ。
私は、( )という状況・場面で、そのお菓子を食べたいな、と思った。
そのきっかけは、( )という出来事があったから。
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先ほど公開したnoteで詳細を解説しているので、こうした文章完成法にしている理由は譲るとして、解答例はこんな感じです。
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私が買ったお菓子は、( 湖池屋ポテトチップスうすしお味 )だ。
私は、( 明日のパンを買いに行くという理由でスーパーにはいった。しかし、気がつくとお菓子売り場を歩いており、季節の栗を使ったお菓子などが目に入ったが、ふと振り向くとそこにはいつもの湖池屋ポテトチップス )という状況・場面で、そのお菓子を食べたいな、と思った。
そのきっかけは、( 今日の晩酌のおともは何にしよう、という思いが頭の片隅にあった )という出来事があったから。
私が買ったお菓子は、( 梅田の百貨店で普段なかなか買う事の出来ない数量限定のさつまいもスナック )だ。
私は、( 思ったより病院の診察が早く終わり、お昼前に梅田に着いた )という状況・場面で、そのお菓子を食べたいな、と思った。
そのきっかけは、( 前に並んで買って帰った時に主人がとても喜んだのでまた食べてもらいたい )という出来事があったから。
私が買ったお菓子は、( イカスミポテトチップス )だ。
私は、( 昼食に甘系のパンを食べようと思っていたので、食後に何か軽く食べられる塩っぱい系のものが欲しくなるだろう )という状況・場面で、そのお菓子を食べたいな、と思った。
そのきっかけは、( 先週、甘系のパンで締めくくったら物足りなさを感じてしまって、ついつい袋ラーメンも食べてしまった )という出来事があったから。
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こうした回答を1件ずつ読み込みます。正確には、3つのカッコ書きの合計文字数が30字以上ある1,928件を読み込みます。
マーケティングリサーチを用いてCEPを発見するための近道は、最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方ーすなわち「調査結果を読み込むこと」に尽きます。(2度目)
全体の1割、今回ならだいたい600件ほど読み込むと、似通った回答をグルーピングできるようになります。今回は1,928件全て読み込み、15件のCEPに集約されました。以下の通りです。
晩酌のお供を探しているとき
小腹が空いたとき
家事・仕事を頑張った自分にご褒美をあげたいとき
一息つきたい・リラックスしたいとき
贅沢感を味わいたいとき
常に低血糖気味でお菓子を常備しないといけないとき
運動後にシャワーを浴びてさっぱりしたとき
家族で団欒の時間を過ごすキッカケを作りたいとき
ご飯を食べ終えたけど、少し物足りないと感じたとき
身体の不調が出てきたので、対策を取りたいとき
疲れているので甘いものを食べて回復したいとき
ご飯にもう一品欲しいとき
甘いものが欲しいけどダイエットもしたいとき
子どもの代わりにお菓子を買うとき
甘いものは大好きだけど健康を意識したいとき
評価の高いCEPの目星をつける
少し話が逸れますが、マーケティングリサーチで定性調査からCEPを発見すると、必ずといっていいほど「少数の声から探したCEPは役立つのか」という指摘をいただきます。インサイトを発見する際も「そう言っているのは1人だけなんだろう?」と鬼の首を取ったように発言する人がいます。
いわゆる「マス思考」なのだと思います。
そういう時は、「CEPを定量調査にかけましょう」と提案します。CEPを提示して、どのお菓子を思い浮かべたのか数値化を図ります。というわけで実際にやってみました。
以下のような結果となりました。1つのCEPに対して複数選択可能ですが、右端の「あてはまるものはない」を選択すると、そのほかの選択肢を選べません。すなわち「100%-あてはまるものはない」した結果が、そのCEPに直面すると「何かしらのお菓子が浮かぶ割合」を意味しています。
やはり圧倒的に強いのがチョコレートです。購入頻度と見比べれば分かりますが、チョコレートは満遍なくCEPを獲得していると言えるでしょう。
次いでスナック菓子が続きます。圧倒的な強さを誇るチョコレートと比較しても「晩酌のお供を探しているとき」「家族で団欒の時間を過ごすキッカケを作りたいとき」「子どもの代わりにお菓子を買うとき」はスナック菓子が同等か上回る結果となりました。
さらに洋生菓子が続きます。「家事・仕事を頑張った自分にご褒美をあげたいとき」「贅沢感を味わいたいとき」「家族で団欒の時間を過ごすキッカケを作りたいとき」は洋生菓子が強い。
また、全体的にあてはまりが悪いCEPは「運動後にシャワーを浴びてさっぱりしたとき」「身体の不調が出てきたので、対策を取りたいとき」「ご飯にもう一品欲しいとき」でした。運動後にカルビーポテトチップスコンソメを食べる、という回答が面白かったので入れたのですが、微妙でした…。
以上を踏まえると、以下6つがお菓子における有望な訴求だと定量的に判断できます。ま、そりゃそうよという感じです。
小腹訴求(「小腹が空いたとき」)
リカバリー訴求(「疲れているので甘いものを食べて回復したいとき」「一息つきたい・リラックスしたいとき」)
ご褒美訴求(「家事・仕事を頑張った自分にご褒美をあげたいとき」「贅沢感を味わいたいとき」)
団欒訴求(「家族で団欒の時間を過ごすキッカケを作りたいとき」)
おかず訴求(「晩酌のお供を探しているとき」「ご飯を食べ終えたけど、少し物足りないと感じたとき」)
健康訴求(「甘いものが欲しいけどダイエットもしたいとき」「甘いものは大好きだけど健康を意識したいとき」)
こっから、さらに市場規模の大きい/小さいCEPを発見する方法があるのですが、その辺はまたいずれ解説したいと思います。
CEPを参照点に「不満」を発見する
さて、ここまで既に7,000字を費やしました。それでは「コンビニスイーツ」に関するインサイトを発見していきます。
まず15個あるCEPのうち1つを選択してもらい、もっとも印象に残っている出来事を聞き出します。そのうえで「実際に体験した出来事と比較して、今のコンビニスイーツに対する不満は何ですか?」と聞いてみました。
解答例はこんな感じ。多少読みやすいように、投稿の一部を変えています。
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60歳・女性
選んだCEPは「贅沢感を味わいたいとき」
( 夫が定年退職することが決まり、有給を消化するために最後に贅沢な休暇を取る )ことをキッカケに( マンマパスタというイタリアンファミリーレストラン )で( 外食したが、お腹がいっぱいになって疲れてしまい、家でゆっくりしながらケーキやお菓子を味わう )という出来事があった。その出来事は私にとって( 定年間近の夫をいたわると同時に、これからの家庭での二人の生活を楽しくしていけるようにしたいという希望も込めていた )と思う。
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私が実際に体験した出来事と比較すると、コンビニスイーツの( 中途半端な贅沢感を盛り込んでいるよう )な点が不満だ。より詳細に言うと( ローソンのプレミアムロールケーキにイチゴが入ってはいるが量的に1個にも満たない点 )に不満を感じる。
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マンマパスタが贅沢かどうかはさておいて(評価は高い店なんです)、定年間近の夫と「贅沢な時間」を過ごせたのだと分かります。その体験と比較して、今のコンビニスイーツは「贅沢」を謳っている割に「中途半端」というのが不満だと分かります。「どこがプレミアムなの?イチゴ少ないのに」って思われているみたいです。
そもそも、コンビニスイーツはいつのまに「贅沢ポジション」を手中に収めたのか…。贅沢とは何なのか、改めて考えたいですよね。
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68歳・男性
選んだCEPは「晩酌のお供を探しているとき」
( 毎日晩酌を欠かさない )ことをキッカケに( 自宅の夕食の前、リビング )で( 晩酌時につまみを探す )という出来事があった。その出来事は私にとって( 晩酌は人生の楽しみであり、そのお供のお菓子を食べながら飲むことも人生の楽しみなのだ )と思う。
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私が実際に体験した出来事と比較すると、コンビニスイーツの( 味は若い人向けに作られているように思われるよう )な点が不満だ。より詳細に言うと( 甘すぎたり柔らかすぎたりな点 )に不満を感じる。
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「人生の楽しみ」と評される晩酌。その体験と比較して、甘過ぎる食感の無いコンビニスイーツは「Not for me」のようです。お酒を否定することは、この人の楽しみを否定することになるので、お酒に合う・合わないは重要なのだと分かります。
「柔らかすぎる」=「食感が無い」ことが不満というのも面白いですよね。甘い=若い人向けでしょうか? だとしたら、御座候は若い人向けになっちゃいます。そんなことは無いでしょう。
「若い人向けの味」って点に、何かヒントを隠れていそうです。
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38歳・男性
選んだCEPは「小腹が空いたとき」
( 最近は仕事や家事、育児でへとへとに疲れていて好きなお菓子を食べながら好きなことをして一日の疲れを癒したいと思っていた )ことをキッカケに( 夕飯前だけどお腹が空いたの )で( 我慢できずにお菓子を食べる )という出来事があった。その出来事は私にとって( 小腹を満たしながらリラックスして疲れを癒した )と思う。
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私が実際に体験した出来事と比較すると、コンビニスイーツの( 量が少なく一個じゃ満足感を味わえず物足りなさを感じてしまうよう )な点が不満だ。より詳細に言うと( スイーツで体や心の疲れを癒してリラックスしたいけれど、量に満足できず中途半端な気分になってしまうこと )に不満を感じる。
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「自分にご褒美をあげたい」というCEPもありましたね。疲れ切った身体をお菓子が癒してくれるのです。一方で、コンビニスイーツ程度じゃ量が少なくて「癒しが治まらない」ようです。
「量が少ない」のではなく「癒しきれない」「癒しが治まらない」。良い表現だなぁ…と感じます。
この他にも、「量が少ない」「値段が高い」という普通の不満がもっとも多く回答されていました。870件の回答のうち、キラッと光る良い回答は40件程度(5%)でした。
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60歳・女性
選んだCEPは「小腹が空いたとき」
( 飲食を忘れて読書に没頭していたこと )ことをキッカケに( 平日午後3時を迎えてしまったの )で( 自宅のカフェテーブルで小腹を満たした )という出来事があった。その出来事は私にとって( 脳から胃へ関心のありかが移った瞬間だった )と思う。
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私が実際に体験した出来事と比較すると、コンビニスイーツの( ものすごく情報やウンチクばかりを集めたよう )な点が不満だ。より詳細に言うと( おいしいものをただ単純に、舌で味わうという基本を置き去りにしていること )に不満を感じる。
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今回、私が1番好きな回答です。五感で暮らしているこの方からすると、コンビニスイーツは美味しさを置き去りに、情報を食わせているようです。コラボしました、季節限定です、数量限定です、…確かに「情報」を食っています。ラーメンハゲも似たようなことを言っていたような…?
「美味しい」は当たり前なんですが、当たり前過ぎるがゆえにマーケティングコミュニケーションから欠落しているのでは、という指摘を受けたような気もします。味に自信無いんか?ってことでしょうかねぇ。
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その他にも、様々な投稿はあるのですが、以下に収斂されそうです。
あと数円支払えば専門店で買えるほど高い
量が少ない(家族で小分け出来ない、満足出来ない等)
中途半端な贅沢感
味の種類が若者向け
選ぶ楽しみが無い
情報が多い
インサイトが見つかったら
「高い」と言われても、安くすれば買ってくれるのか。「量が少ない」と言われても、量が増えれば買ってくれるのか。ここからは検証フェーズに入ります。
贅沢感を言語化する。若者向けとはどういうことか言語化する。美味しいだけを表現する。とりあえず作ってみる。地域限定で反応を確認してみる。
筆者はメーカー出身では無いので「そんな簡単に言うなよ」という話なのかもしれませんが、こうした「人を動かす隠れた心理」が見えたら、あとはその的に向かって撃つしかないんじゃないかな、と思うのです。
こうした市場の確認~CEPの発見~インサイトの抽出を、多くの企業がすでに取り組んでおられると感じています。その意味では、インサイトは何か?(WHAT)だけでなく、インサイトをこうして発見する(HOW)という事例がもう少し出回らんかな、とは思います。
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余談ですが、本記事で本来は「セブン‐イレブンのコンビニスイーツのインサイト」を調査するべきですが、あえて幅広に設定して「コンビニスイーツのインサイト」としたのは、セブン‐イレブンさんにご迷惑をお掛けしないためです。
CEPについても、(分かる人は分かっていらっしゃったと思うのですが)微妙にズラしています。お菓子じゃなくてコンビニスイーツで良かった。あえてズラしている点、ご理解いただけますと幸いです。
長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。以上お手数ですがよろしくお願いいたします。