書籍発売1周年記念。 「伝説の授業採集」ワークショップの方法、公開。
ちょうど1年前の2022年9月6日、
「伝説の授業採集」を宣伝会議より出版しました。
内容については、
ちょうど1年前にnoteに書いたので、そちらを引用して済ませるとして。
1年間、この本のおかげで、いろんな出会いがありました。
感想いただいたり、イベントに来ていただいたり、
講演に呼んでいただいたり。
その中で、実は徐々に
「伝説の授業採集」ワークショップの方法を試していて。
発売1周年ということで、ここに掲載してみたいと思います。
シンプルで、簡単なものです。
事例としては、一番直近(8月30日。先週ですね。)の、
千葉県市川市の妙典中学校での先生向けワークショップを
例に挙げさせてもらいます。
研修担当の先生が自費で本を購入して読んでくださっていたとのことで。
ご連絡いただき、zoomで面談。
熱心で、誠実な先生だったので、お引き受けしました。
こちらが、依頼主の松井先生。
ハードルが飛べる国語の先生。
緊張気味なのでちょっと表情が硬いですが、柔らかい方です。
本を読んでいただいた方や今まで僕のワークショップにご参加された方はわかりますが、
まずは、いつもながら、このスライドで始めました。
自習。勝手に学んでくださいねと。
続いて、これまたいつもながらですが、名物「10文字自己紹介」で、ウォーミングアップです。皆さんに考えていただいて、オンラインシステムのslidoのバーっと書いてもらいます。面白い自己紹介が多数ありましたが、ここでは割愛。
さて。本題です。
何をやるかは、この日まで秘密にしてもらっていました。
ここで発表。
これです!と。
続いてやることを説明。
ここに書いてある通りですが、
自分が知っている、または受けた授業の中で、
これはすごかった、これは伝説だ、と思う授業を、
一人につき1つずつ、教えてください。
というワーク。
一応、こういう要素を、書いてもらえたらやりやすいかもと
フォーマットも提供しました。
↓
これを、この日は、20分で、1枚のスライドにして
オンラインのシステムにアップしてもらいました。
(この学校はteamsだったかな?)
20分後、上がってきたスライドをバーっと全部見て、
あ、この授業のことは聞きたい、と思ったものをピックアップ。
口頭でさらに説明してもらう発表会をします。
この日の参加者は約40名。なので40個の授業が共有されたわけですが、
いやあ、、これが面白い。
例えば。
・「薬師寺のご住職の講話」がすごいという話。
修学旅行の引率で2回薬師寺に行ったが、2回ともご住職だった。しかし、その話が、本当に面白い。感謝や思いやりについての話なのだが、まず、「奈良で一番有名なお寺は?」と生徒に聞く。生徒たちみんなが大声で「東大寺〜!」と答えると「ここがどこだと思ってんじゃー!」と怒る、というところから始まって、ツカまれる。これを発表した先生自身は自分自身話すのが上手くないと思っていて、このご住職の伝え方が参考になった、とのこと。
・「体育館で、200人で国語の授業を」
とある先生が、学年最初の国語の授業を、体育館に1学年全員集めてやった。それは、各クラス、最初の基礎的なことをバラバラにやるのが非効率なので、どうせやらなくてはいけないところを全員で一気にやったとのこと。国語の授業はクラスで、40人でやらなくてはいけない、という常識を壊されて、いろいろなやりようがある、ということに気付かされた。
などなど。
こうやって、1つ1つ、先生自身が「これは伝説だ」と思うものを共有してもらうのは、その先生の「理想の教育」や「教育観」がわかるから。
それが、先生の教育のものさし。
その延長線上に、理想の教育を、自分なりのアレンジで作れば良いから。
また、お互いに、そんな価値観なのね、というのと、同時に、そんな授業があるんだ〜!と勉強になる。
つまり、超短時間で行う協働リサーチ。な訳です。
終わったあとは、全員のファイルを1つにまとめてもらって、
僕がお渡しした、この表紙をつけて、参加された先生全員に
送信してもらいます。
その学校でしかできない、その時のメンバーでしかできない、
世界に1つのリサーチファイルのできあがり。
誰かが言っていたから良いとかではなく。
自分がいいと思うから良い。
みなさんがイイ!と心の中で思っている、その原点から、熱くて、濃くて、面白くて、伝わる、忘れられない教育が生まれると思うのです。
教育だけでなく、どんなジャンルの何事も同じですけれどね。
ファシリテートのやり方次第で、質は全然変わりますが、
1周年記念ということで、
このやり方をシェアさせていただきました。
海外のパクリや二匹目のドジョウ狙いじゃない、
伝説の授業が生まれますように!
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