#転勤はなくなるのか 【日経新聞連動テーマ企画】ご意見ご紹介します
会社人生にはつきものだった転勤のあり方も、時代の変化にあわせて様変わりしているようです。
日経新聞9日朝刊の「働き方イノベーション」面では、AIG損害保険の「転勤なし」の取り組みが紹介されています。従来から「地域限定社員」といった雇用形態を取り入れる会社はありますが、基幹人材も原則全員、対象としている点がユニークです。
これに関連し、日経COMEMOでは、「#転勤はなくなるのか」を意見募集し、9日の日経紙面の同じ面にはお寄せいただいた意見のごく一部が取り上げられました。
こちらではCOMEMOにピックアップされた投稿を広くご紹介します。
まずは、転勤はいずれなくなるとの見方をご紹介します。
村上臣さんは、雇用形態がメンバーシップ型からジョブ型に変わる変わっていくとともに、入社時には勤務地が確定することになり、社命による急な転勤は過去にものになるかもしれない、と予想します。
蓑口恵美さんは、「転勤は安定とトレードオフの関係にあり、多くの女性のキャリアを断絶させている」と指摘。終身雇用の終わりとともに、転勤が過去のものになる日も遠くはないといいます。
ドイツ企業の日本法人で働くというトニーブリゲルさんは、ドイツや海外には、いわゆる「転勤」はなく、日本企業の場合も制度として「雇用期間の定めなし」を止めたら転勤もなくなる、との見方です。
一方、条件付きながら、転勤のポジティブな面を見出した投稿も複数いただきました。
和泉紫さんは、ジョブ型雇用の企業が増えても転勤はなくなならない、との見方です。転勤がなくなると組織の発展が期待できないし、転勤することでしか得られないことがあるといいます。
Takafumi Miuraさんは、父の転勤による強烈な体験をもとに「住む場所の変化によって生まれるものがきっとあり、どうせ転勤するなら主体者として、意図して、その変化をつくり楽しめるようになりたいと思う」といいます。
川端康夫さんは、働く人に、自分の住みたい場所に住んで働くという選択肢を与える、コロナ共生時代にふさわしい転勤の再定義が必要だとし、そういう転勤であれば、無くなってほしくないと投稿します。
このほか、多くの方が、何らかの見直しが必要、との意見でした。
碇邦生さんは、転勤制度にはこれまで一定の合理性があったと分析。今後は、自分が転勤できるか意思表示できる「転勤制度の個別化」を実現できるかがポイントになるとしています。
大洞さんは、結婚後にご自身が転勤に振り回されてきた経験から、家族にはデメリットの方が多く、「これからの時代を生きる家族が果たしていつまで受け止め続けることができるのだろうか」と投稿しています。
おおつかさんは、従来のいわゆる転勤は早く無くなったほうがいいといいます。「『転勤』という概念もこれまでの終着地不明の片道切符から、社員が心から働きたいと思えるような未来のある往復切符へ変わっていくべきだ」
シンガポール在住の花輪さんは、海外での事例を紹介。「好きな場所に住んで、仕事ができる時代に、転勤という制度は合理的なのでしょうか」と疑問を投げかけています。
けんしんさんは、企業にも地方分権が必要だと主張。「これまでのような本社が命じるような転勤はなくなり、会社内転職のような形での転勤となると」と予想します。
ちーさんは、リモートワークが進むと、転居を伴う異動が本当に必要なのか議論されると予想。リモートワークでできること不十分なこと、転勤で得られるもの、企業によって多様な考え方がありそうだといいます。
黒坂宗久さんは、「転勤は確実に減ると思うけど、無くならない」と予想する一方、「転勤ではなく短期の出張がもっと活用されてもいい」「自主的な地方への転勤(移住)が増える」ことを提案しています。
マレーシア在住のSeina Morisako さんは今後の海外赴任は「小規模で」「単身で」「その国のVISAを取得できる(滞在価値を証明できる)人」が主流で、日本式の数年で交代で滞在するシステムが厳しくなるといいます。
宮嵜浩さんは、世の中から転勤がなくなる事はないが、「転職」という選択肢がより多くの職種で現実味を帯びてくれば、会社が職員に「転勤」を打診する際に、「転勤」後の処遇が改善される余地が出てくると予想します。
shiroさんは、在宅や多拠点など働く場所の選択肢が多様化している流れを活用し、会社は転勤を本当に必要なものだけにすることで、不要な摩擦やコストが減り、合理的な転勤は、みんなの幸せにつながるといいます。
kei tanahashiさんは、自分の気に入った土地や地域に住むために転勤するという新しい意味の転勤が今後増えていくと予想。「今こそ転勤のイメージを変えるとき」だと主張します。
今回、ツイッターでもより多くの方からご意見を募集しました。より回答しやすくするためこちらで選択肢を用意したところ、転勤のイメージとして「子供がいる場合、転校の必要がある」が最多でした。アンケート結果からは、転勤にプラスよりもマイナスのイメージを持っている方が多いことがうかがえます。
次回のテーマは「#これからの働き方の新モデルとは」です。こちらも投稿お待ちしています。