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【COP26(国連気候変動枠組み条約締約国会議)延期決定】

毎年12月(今年は英国・グラスゴーで11月9-20日に開催予定だったのですが)に開催される国連の気候変動枠組み条約締約国会合(COP26)の延期が決定しました。6月に予定されていた準備会合(事務局レベルの会議)ももちろんできないので、しばらく前から「無理だろう」とささやかれてはいましたが、このタイミングで決定です。

今様々な国際会議が中止になっているのですから当たり前だと思われるでしょう。私もそう思います。ただ、コロナ騒動が激しくなる直前まで、それこそダボス会議などではとにかく「人類が直面する喫緊の課題は気候変動!」と皆が口をそろえ、BISも「次のブラックスワンは気候変動!これは”グリーンスワン”だ!」と言っていた訳ですよね。

ブラックスワンと言うのはあちこちにいるし、私たちが「次はこれだろう」と思うものはその時点でブラックスワンではないのだろうなということを実感します。気候変動はむしろ、「わかっているのだから備えろ」ということなのかもしれません。

COPの会議自体はこれまでも何度も書いているように(COP25 参戦記をご参照)、かなりお祭り化・イベント化していますし、そもそもコロナ騒動が無くても毎年あれだけの人数を世界中から集める意味あるのかしらと思っていたので、延期は至極当然だと思っています。温暖化を解決するのは、国同士の約束でも、会議でもなくて、技術ですから。

コロナ騒動で経済がストップしたことにより、今年(もしかしたら数年単位で)温室効果ガス排出量は相当減るでしょうが、それは何の解決にもなっていません。むしろ根本的に解決するには技術開発投資や様々な実証など民間企業のチャレンジが必要なのに、景気後退、不況になれば企業はまずそうした新しいチャレンジを相当絞ることになってしまいます。(温暖化に必要なのはいわゆるR&D投資によって、今ない技術を生み出すということではなく、今ある技術をaffordable、convenientにするといったことが肝ですが、R&Dはもちろん、そうしたチャレンジもしづらくなる)

COPが延期になったから、ではなく、この経済停滞がイノベーションを遠ざけてしまうので、温暖化の解決はますます困難になりつつあるといわざるを得ません。




#COMEMO #NIKKEI

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