HRリーダーたちと考える10年後の採用の未来とは (前編 環境変化共有)
こんにちは。リデザインワークの林です。
先週金曜日は、2/2(人事の日)とのことで、日本の人事部「HRカンファレンスのリーダーズミーティング」にて、企業の人事トップの皆さんたちとのラウンドテーブルにてファシリテーションしてきました。
僕は採用領域で、ビジネスリサーチラボの伊達さんと一緒に、「会社と個人の関係が大きく変わる時代に採用戦略をグランドデザインし直す 人事 TOP の観点とは」というテーマで話ました。
各企業において、年々中途採用比率はどんどん高まり、その重要度は増していく中、様々な観点で議論が進み、僕自身学びも深かったので、少し議論内容や学びを書いてみたいと思います。
前編では、議論の前提として今後の環境変化として、5つの変化についてお話をさせていただきましたので、その内容をシェアさせていただきます。
①今後10年で人不足社会は加速し、採用の難易度は劇的に上がっていく
現在でも、人材が不足していると様々な業界や企業の皆さんからお話をいただきます。実際、2023年段階で、全体としては、12.8万人の労働者が不足しています。
グラフを見ていただくとわかるのですが、10年後の2034年にはこの労働力不足が600万人に劇的に拡大していきます。今の人材不足とは比較にならないレベルで不足していきます。人がいなくて事業が伸ばせない・継続できないことが当たり前になっていく社会になり、採用の競争度は現在の比ではなくなることが予測されます。
②グローバルでは、ジョブ型から、スキルベース型へ進化
グローバルでは、ジョブ型の人材マネジメントが進んできました。
しかし、今後は、スキルベース型の人材マネジメントに進化していくと予測されています。
ジョブベース型とは、仕事を特定のタスクと責任とセットで定義を行う。
ジョブを中心に置き、ジョブに人をアサインしていく手法。
一方で、スキルベース型とは、スキルベースで見出したタレントを中心に置き、スキルに合わせてジョブをアサインしていく手法。
ジョブベースで管理をしていくと、従業員個人がスキルやキャリアをコントロールすることが難しく、直線的なキャリアしか描けず、水平方向への移動が限定的であったり、仕事がサイロ化しやすいという問題がある。
一方で、スキルベースで管理をしていくと、キャリアに広がりをもたせて、多様化の促進が出来たり、動的に事業変化対応できるようになるという特徴があり、スキルベース型での管理が進んでいくと見られています。
③企業と個人は選び、選ばれる関係へ
従来は、各企業が人材を採用し、終身雇用や年功序列で囲い込んできたが、今後は、人材も不足する中で、求職者も企業を選んで入社する、入社後も常に他の会社に転職する時代に変化していく。
採用のあり方も、いかに求職者に選んでもらうか、選ばれ続ける関係構築が出来る人を採用できるかがより重要になっていきます。
④若手の「キャリア」不安の高まりと「求めるもの」が変化している
様々な調査で、若手の7割~8割はキャリア構築について不安があると回答しています。また、キャリア構築の不安のうち大きいものの一位は、お金ですが、2位は能力の維持や向上があがってきています。
このような背景の中では、転職時に年収があがる点は変わらず必要ですが、その会社に転職した際に、自分のスキルや能力は高まるのか、成長できるのか?という観点がより重視されていくトレンドになると考えています。
⑤求人における資格や前提が大きく変化する
米国において、求人の応募に大卒資格を要件にしている求人情報は37%減ってきているとの調査が共有されました。
今後、高校を卒業してから働いて、その後大学に行く人もいるでしょうし、人生デザインも多様になっていく中で、大卒や資格などの要件も大きく前提が変わっていくことが想定されます。
まとめ
2034年には、600万人も労働供給が不足し、今後加速度的に人材不足になる
世の中のトレンドが、メンバーシップ型からジョブ型、スキルベース型に変化していく
若手の7割がキャリアに不安を抱え、キャリアの見通し、スキル獲得、成長が重要な論点になっていく
求人における資格や従来の前提も大きく変わっていく
これらの前提を踏まえて、以下2点を論点として議論しました。
議論ポイント①
大きなトレンドや背景の変化を踏まえて、 日本全体の採用の在り方はどのように変わっていくべきか。
議論ポイント②
日本全体の採用の在り方の方向性を踏まえ、 自社の採用において考えるべきテーマや観点はどのようなものが必要か。
HRリーダーたちの幅広い視点での議論の内容や、僕自身の学びは、後半のnoteにて纏めさせていただきました。
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