新城健一(ホオバル取締役、Holoeyes取締役兼CSO)
AIを活用した「シェアードワールドによる世界拡張」のプロトタイピング
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AIを活用した「シェアードワールドによる世界拡張」のプロトタイピング

新城健一(ホオバル取締役、Holoeyes取締役兼CSO)

AIによる創作活動

クリエイティブな領域でAIが活用される時代の到来です。

選ぶこと

30年ほど前に、MacのHyperCardプログラム「Dr.バロウズ」を使って、カットアップで遊びました。

当時のプログラムには学習機能はありませんでしたが、僕には想像もできないようなユニークな文章を、いくらでも、飽きるまで、提示してくれました。

カットアップは、(紙に印刷された)完成された完全な直線的テキストを使って、それを少数あるいは単一の語にバラバラにすることで実行される。それからバラバラにされた断片は新しいテキストに組み直される。この再編はしばしば驚くような新しいフレーズになることがある。一般的なやり方はテキストが印刷された紙を4つに(長方形に)裁断し、それらを並べ替え、でたらめな言葉は即興的かつ斬新な創意によって変えつつ、混ざりあった散文をタイプライターで書き起こすことである。

Wikipediaより

そこで僕(人間)に求められたものは、選ぶこと、でした。入力する素材を選ぶこと、出力されたものを選ぶこと。

現代のAIによる創造は、比較するのも恐縮するほどの段違いの世界ではあります。が、関わり方の本質には、通ずるところもあるかのように感じます。

協創関係

深津貴之さんの「やってみた」シリーズを拝見すると、誰もが、頭の中にある妄想を世に解き放つことのできる世界が近づいてきていることが実感として得られます。

そうくるか! みたいな、予想外の協創関係が結べそうな、その可能性にわくわくします。

広がる世界

僕は、シェアードワールドという形が、とても好きです。

コンテンツ制作だけではなく、ビジネスやコミュニティの構築も、このシェアードワールドという形が重要になると考えてきました。昨今のパーパス経営なども、言葉は違えど、根は同じとも考えられます。

かつて、組織の中での個人の活動を、二次創作になぞらえて議論していたこともありました。価値観を共有した個人が、独自の物語(=日々の活動)をつくりあげる。組織内で無数に生まれる二次創作が、全体の世界を豊かに育て上げていく。

シェアードワールドについては、以前、noteに書いたこともありました。

いずれにせよ、大切なことは、一人の頭の中で完結するものではない、ということ。

一人の妄想だけではなく、価値観(すなわち世界観)を共有しながら、多様な立ち位置からの視点や活動で拡張され、相互に関わる中で立ち現れる濃密な世界。それは、東洋思想家である鈴木大拙のいう「相手と自分の間に立ち現れる世界」なのかもしれません。

その営みを、自分とAIという閉じた関係性の中でも試行できるのかもしれない。その可能性を感じました。

協創のプロトタイピング

デザインという言葉が、グラフィックの枠を超えて、さまざまな領域の在り方を考案し構築していく行為を指すものとして使われているように、Generative Designも、グラフィックに限らず、さまざまな領域に活用されていくことは、当たり前の未来のように思えます。

国家の政策、企業の戦略などのマクロな動きを検討する際に活用できる無数のシナリオの提示などは、人間よりもAIが得意とする領域かもしれません。

とするならば、グラフィックや音楽や文章のみならず、より広範な領域の中で、価値観に根ざした様々な試行をAIが提示し、それと自分との間に立ち現れる世界を数限りなく体験していくことができる。それらは、シェアードワールドの核である「他者との関わりの中で広がる世界の拡張」という営みそのもののプロトタイピングを行えるのかもしれない。

そんな風に思いました。

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新城健一(ホオバル取締役、Holoeyes取締役兼CSO)
サービス多様性爆発カンブリアナイト_主宰。(株)ホオバル取締役_新規事業創出支援、ホロアイズ(株)取締役兼CSO_医療VR、ミスルトウ_コンテクストデザイン、(社)ライフロングウォーキング推進機構_理事、(社)医療リテラシー研究所_理事、学芸大こども未来研究所_教育支援フェロー