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拡がるDIY医療物資ムーブメント、マスクも手作りで

新型コロナウィルスに関する情報はそもそもウィルスそのものや症状が理解しづらいことや予測不可能なことに加え、時間とともに正しいと思われていることにも変化が生まれていくもあり、悩ましいと感じることが多いと感じます。

マスクに対する評価が欧米や米国のCDCでも見直される中で、今後ますます世界中でマスクの需要が高まり、世界中で争奪戦が起きることにも警告が発せられています。

そんな中、以下の記事でも紹介されているように、欧州のチェコ共和国で生まれつつあるDIY(Do It Yoursef)の精神で手作りでマスクを作り必要としている人に届けよう、という機運が高まっていて、それが米国や他の国にも急速に広がっていきそうな点にとても注目しています。記事の中では「チェコでは3月19日から外出時にマスクやスカーフなどで口と鼻を覆うことを義務づけられていて、同国の4月5日時点での感染者数が4543人、死亡者が67人と比較的少なく、保健省はマスク着用がその要因の1つと分析している」と紹介されています。

そのチェコで生まれたのが 「#Masks4all」のウェブサイトとハッシュタグを起点にしたキャンペーンで、多言語対応されているサイトの中ではマスク着用の必要性に関する啓発動画メッセージ、論文、記事、グラフ、動画などの情報が紹介されています。また、簡単に自家製マスクを作るための解説動画も用意されています。

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例えば以下の動画ではハンカチとゴムリングを使うことで40秒で自家製マスクを作る様子が紹介されています。その他にもTシャツとペーパータオルで作るバージョンなど、数多くのヒントやインスピレーションをウェブサイトやハッシュタグを含むツイート等から得ることができます。

更に、こうしたDIYの動きはSNS上で世界中の人が連携をすることで、地域の病院で必要とされるマスクや3Dプリンターで作成した医療物資物資を届けよう、という取組にもつながっています。

先日の投稿でもご紹介したFacebookグループ、『オープン・ソース・COVID19・メディカル・サプライズ』には既に世界中から7万人以上が参加し活発なやりとりが行われています。

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「ウイルスより早く開発を進める必要がある」とオンライン上でハッカソンを開催、そこで生まれたアイディアや製品はを130人以上の医療専門家などがSlack上でレビューしていく連携も行われてます。

安全性や有効性が確認された製品の作り方がグーグルドキュメントにアップされ、オープンソースとして公開されていて、既にマスク酸素マスクの作り方などの閲覧が可能です。

医療現場で必要とされるマスク、消毒液、人工呼吸器などが不足している状況・課題をオンラインのドキュメントに整理し、その上で各地域毎に既に存在するフェイスブックグループをリスト化して情報交換・共有の交通整理が行われています。現時点で米国の他欧州、アフリカ、アジア、南米などの合計150近い都市にFacebook グループが新設され、世界中の善意の連携が急速に進んでいることが分かります。

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こちらのグループを立ち上げたのはカルフォルニア在住でロボティクス会社の共同創業者のグーイ・カバルカンティ(Gui Cavalcanti)さん。友人・知人の医療関係者から現場での供給不足の厳しい現状を聞く中で必要性を感じ、3月10日にFacebookでの投稿をきっかけに生まれたグループです。カバルカンティさんの他にも数多くの「DIY医療物資ムーブメント」が、先日のニューヨーク・タイムズでも紹介されています。

国内でも政府から布マスクの全戸配布に関しての大きな議論がありますが、マスクのみに限らず医療機関などで使う化学防護服などの品薄感が強まっているようです。

こんな時こそ、草の根のDIYの精神が発揮出来るチャンスかもしれません。グローバルなネットワークに助けを求めることで必要な機器の3Dプリンティングの設計図が得られるでしょうし、日本の知見を海外に貢献出来る機会にもなると思われます。引き続きこうした海外の相互支援やコラボレーション事例を注目していきたいと思います。

Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

参考情報:
・チェコ共和国における手作りマスクキャンペーン  #masks4all の紹介ドキュメントページ

・そのドキュメントを読み米国で#masks4all を広めているジェレミー・ホワード氏のツイート

ツイート内容の翻訳
これは私が読んだ中で最も素晴らしく希望に満ちたものの一つです。チェコ共和国では、地域社会の取り組みにより、10日間でマスクの使用率が100%に達し、ほぼすべての時間が家庭でのDIYの取り組みによるものでした。死亡例は2例のみであり、毎日の新しい妊娠19例では成長がみられない(3月25日のツイート)

・ジェレミー・ホワード氏がDIYマスクの有用性を科学的根拠に基づいて説明している動画

・「DIYマスクのための最適な素材は」と題したページ


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