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シゴトを差別化させる方法 / For Freelance

私はフリーランスが繁盛していく上で「差別化」が重要な戦略になってくると思っている。
フリーランスとして活躍するフリーランサーと呼ばれる人たちの多くは 事業資金に余裕が無く、高額な宣伝広告費を投じることや 大手との低価格路線に耐えうることができない。つまりそれは「企業と同じ方法」では勝負しにくいということを意味するのだ。

しかし逆にフリーランスだからこそ、フレキシブルに瞬時対応ができたり細かいところに手が行き届くサービスが提供できる部分もあるだろう。顧客に合わせた対応をしやすいこともそのひとつかもしれない。

さて、今回はそんなフリーランスが考えるべく「差別化」の話をしようと思う。

あなたのビジネスジャンルの中で、競合他社(競合他者)以上にあなたの魅力がお客様に伝わり、その結果「あなたに依頼しよう」「あなたから買いたい」と思っていただくための重要な戦略。

そんな「差別化戦略」について、私が常日頃から考え実践していることをお話ししていこうと思います。


差別化ってなに?

「差別化」という言葉は その文字が直接的だからわかりやすいように思えるが、間違えやすいポイントがひとつある。それはこちらが「差別する」のではなくお客様に「差別される」ことが差別化だという点だ。

「差別」という言葉が少しデリケートな言葉だから意味合いはわかるだろう。しかしこの「差別化」という言葉の意味は「差別される」ことにあると一旦は思っていい。

そしてもっと言うと、実際は「差別」とは少し異なるニュアンスだ。私はいつもそれを「違いを魅せること」と訳して使っている。

つまり「(似たような)他とは違うと思わせる」と解釈してほしい。理解しようとして「差別」という言葉を強く意識しすぎると本質とズレてしまいやすいのだ。だから「差別化」という言葉は使うけれど、意味は「他とは違うと思わせる」と理解することだ。まずはそれを知った上で次へ進んでほしい。


なぜ「差別化」が必要なのか

フリーランスという働き方の特徴に「なり易さ」がある。もちろん職種によっても違うから一概には言えないが、多くのフリーランスは「今日からフリーランスだ」とはじめた日からフリーランスになれるわけだ。

これは会社に就職する場合と比較しても「易さ」がある。入社試験も面接もない。あるのは自分の意思だけだ。

だからフリーランスには「同じようなサービスを提供している別の人」が多く存在する。競合他社ならぬ、競合他者だ。デザインを提供するデザイナーも様々なレベルの人たちが受注を得るために努力している。ライターもそうだし、コンサルタントやマーケターもそうだ。入りやすい分、ライバルも多いのがフリーランスの特徴だ。

そんなあなたに代金を支払って仕事を依頼してくれるのが顧客だ。顧客はお金を支払って依頼する相手をどうやって選ぶのか。それを考えたとき、その多くの候補と「同じ」ではフリーランスとして受注は取りにくい。みんなと同じであればあとは価格か露出の数という資本主義的な要素になってしまうからだ。それではフリーランサーが大手や企業らのライバルを押し退けて受注を得ることは難しい。

では何が必要か。それは「他との違い」に他ならない。その「違い」によって、顧客は個性を感じ、そしてその「違い」とピントが合ったときに「依頼したい」と思うのだから。


差別化っていったいどうすればいいのか?

まず先に言っておくが、私の言う「違い」とは「優劣」のことではないということを知っていただきたい。

競合と比較して「こちらの方が高性能だ」「こちらの方が優れている」ということは資本力のある企業が考えるべきことだ。例えフリーランスがそれを考えることができたとしても、そこに固執したらいつかは困窮してしまう。やはりフリーランスは性能や機能の高さで勝負すべきではないと私は思っている。

中にはそれで勝負できるフリーランスもいると思うが、やはりそこにはコストが大きくのしかかる。フリーランスはその「個が持つスキル」や「独自の企画・アイデア」、そして顧客の未来を考える近い位置での「顧客との関係性」などが強みになっていくと私は思う。

どちらかというとフリーランスの差別化とは「何かを競い合わせること」ではないと言える。価格を競い合わせることでもないし、大手がやっている方法を取り入れることでもない。

ではいったいどう考えるべきか。

そこはいろんな表現ができるのだが、この話の中で私はこの表現をしたいと思う。

差別化をしたいなら、競合と「同じ土俵」で勝負してはいけない。
競合とは「別の土俵」をつくりだす。それがフリーランスのやるべき差別化だ。


↑はまなす食品 納豆の差別化開発



「別の土俵」を考えるということ

例えば、あなたが「1本500円の缶コーヒー」を売ることになったとしたらどういう戦略を考えるだろうか。少し考えてみてほしい。

缶コーヒーのアンカーポイントは120〜130円。それ以上の価格ならまず「高いね」と言われるような商品ジャンルだ。

まず考えるのは「どんな特徴なのか」ということだろう。何がその「500円という価格」を打ち出している理由なのかということを知りたいはずだ。

きっと何か大きな付加価値があって、それをどのように打ち出していくか。またはどこで売るかという場所の戦略もあるかもしれないし、誰がつくった商品かという関心もあるかもしれない。

ただ言えるのは、普通に自販機やコンビニのショーケースに並べても「売れないだろう」と容易に想像できることだ。

私が言う「別の土俵」というのは「他と同じ場所や方法で勝負するのではなく、他とは違う視点で商品・サービスを打ち出す」ということだ。

先ほどの500円缶コーヒーで言うと、自販機では売れないと考えたとしよう。そうしたら少なくとも「売り場所」という部分では「別の土俵」を考えるべきということになる。

例えば、英会話のスクールであれば 大手スクールと同じ価格で同じサービスで打ち出しても まず情報量で勝ち目はない。フリーランスである特徴を活かした顧客に近い「別の土俵」を考えるべきだ。

何も「今までにない革新的なサービス」を考案する必要はない。すでにあるものをくっつけることで「今までになかった新しいサービス」は生み出されるのだ。

そんな時、私は「できるできない」は後回しにして、常に「ひとりブレスト」という手法を使うのだが これは効果的だからぜひお勧めしたい。「ひとりブレスト」については過去に記事として買いているので合わせてぜひ読んでほしい。

これは「できるできないは別にして」というスタンスが重要になってくる。そもそもブレインストーミング(ブレスト)とはそういうものなのだが、自分のビジネスのことになると無駄を省きたがるものだ。しかしそこは無駄よりも「抽出すること」に集中してほしい。

実現不可能な突飛なアイデアでもいいと考えると、顧客が喜びそうなアイデアや企画が出てくることがある。何時間も何時間も考えても出ないこともあるだろう。それでも考えて「数を出していこう」。その習慣がアイデア抽出力を高めていくのだ。


差別化=違いを出す(別の土俵で)

自分の特徴やスキルを考えてどんな「違い」を出せるのか。ぜひそれを考えていただきたい。ぜひそれをフリーランスの必須事項に加えていただきたい。そう思います。

スキルの高さや性能の良さを強化しなさいと言っているのではありません。他との違いにこそ、フリーランス必勝のポイントが隠されていることをお伝えしたいのです。

フリーランスには同業のライバルがひしめく環境があります。それは仕方がない。それがフリーランスの特徴なのです。

だからこそ、その同業ひしめく土俵の中に割入らずに「別の土俵」で勝負することが必要になります。そして自分自身の「別の土俵」を考える力が必要なのです。

さあ、早速あなただけの「別の土俵」を考えはじめましょう。





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